スズキ GSX-S125 ABS 試乗インプレッション【振り回せる快感、軽さは正義だ!】

前回のGSX-R125に続き、新排ガス規制に適合したスズキのフルサイズネイキッド、GSX-S125に試乗した。Rと同様に、最高出力/最大トルクは従来と変わらず、発生回転数はそれぞれ500rpmずつ上昇した。なお、車重は2kgプラスの135kgだ。


●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:スズキ

スズキ GSX-S125 ABS:Rとは旋回性に差あり。ストリートファイター魂がここに

’17年10月に販売がスタートし、’22年7月に令和2年排ガス規制に対応したGSX‐S125。前回の記事では、基本構成を共有するフルカウルのGSX‐R125にも試乗しており、規制対応に関する内容は両車共通だ。排気系の変更に伴ってSもRもアンダーカウルのデザインが新しくなったが、Sの方がその変化が大きく、新旧が見分けやすい。

【SUZUKI GSX-S125 ABS】■全長2000 全高1035 軸距1300 シート高785(各mm)車重135kg ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 124cc 15ps/10500rpm 1.1kg-m/8500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量11L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=90/80-17 R=130/70-17 ●色:黒 青 ●価格:42万200円

【ライディングポジション】GSX-R125をベースにハンドルのみ上げたため、ややバックステップ気味に感じる。車体のスリムさもあり足着き性は優秀。[身長175cm/体重68kg]

【前後17インチのフルサイズ原付二種ストリートファイター】フルカウルのGSX-R125のネイキッド版で、国内での発売はGSX-S125の方が3か月早かった。フレームはスチールパイプ製ダイヤモンドで、φ31mm正立式フォークとリンク式モノショックを組み合わせる。純正アクセサリーとしてセンタースタンドやシングルシートカウル、リムストライプテープなどを用意する。

スズキ GSX-S125 ABS 試乗インプレッション

実は、SとRを同日に試乗しており、今回最も違いを感じたのがハンドリングだ。1300mmのホイールベースをはじめ、キャスター角やトレールなど、操縦安定性に関係しそうな数値は両車共通だが、フロントからグングン旋回するRに対し、Sはあくまでニュートラルに向きを変え、倒し込みや切り返しも軽快だ。

これはおそらく乗車姿勢の違いに起因するもので、Rは前傾姿勢が深い分だけ自然と前荷重が高くなっているのだろう。一方のSはアップライトな姿勢に加え、カウルがないという重量的かつ空力的な有利が働き、より軽快なハンドリングを生み出していると思われる。

なお、今回はドシャ降りの中での試乗となったが、前後サスがよく動いてくれたことと、標準装着のバイアスタイヤの高いウェットグリップに助けられ、ヒヤッとする場面には一度も遭わなかった。

エンジンは、排ガス規制後も最高出力15psを維持する、超ショートストロークな124cc水冷DOHC4バルブ単気筒だ。7000rpm付近から明確にパワーが盛り上がる典型的な高回転型で、レッドゾーンの始まる1万1500rpmまで気持ち良く伸び上がる。

6段ミッションを駆使し、パワーバンドをキープしながら駆けるという楽しさは小排気量車ならではで、これは当たり前ながらSもRも変わらない。ストリートファイター的なルックスとエンジンのキャラクターが見事にマッチしており、絶対的な速度は低いのに走っての満足度は非常に高いのだ。

なお、ブレーキは前後にABSを採用しており、雨の中ではリヤが何度か介入した。原付二種はフロントのみに採用する機種が多い中、前後に導入しているのは非常に親切だ。

スズキ GSX-S125 ABS 車両紹介

スズキ GSX-S125 ABS:エンジン

【アンダーカウルのスタイル一新!】外観上で最も大きな変更点はアンダーカウルで、従来よりも大型化されている。エンジンは超ショートストロークな124cc水冷DOHC4バルブ単気筒で、15psをキープ。

スズキ GSX-S125 ABS:足まわり

前φ290mm、後ろφ187mmのペタルディスクを採用したブレーキセットには、小型軽量なABS制御ユニットを組み合わせる。標準装着タイヤはダンロップのD102だ。

スズキ GSX-S125 ABS:主要装備

左右にポジションランプを配したヘッドライト、テールランプ、ウインカーなどの灯火類はGSX-R125と共通だ。ヘッドライトとナンバー灯にはLEDを採用する。

【スズキイージースタートシステムを採用】ハンドルクランプ一体型のトップブリッジにバーハンドルを組み合わせる。セルボタンの短押しでエンジンが始動するスズキイージースタートシステムを採用。

フル液晶ディスプレイもGSX-R125と共通で、背景が黒のネガティブ液晶なのも同じ。3000~1万1500rpmの間で500rpm刻みで設定できるエンジンRPMインジケーターをはじめ、便利機能を多く盛り込んでいる。

【キーシリンダーを守るシャッター付きだ!】スポーツモデルでは珍しく、鍵穴へのイタズラを抑止するシャッター付きキーシリンダーを採用。なお、今なら1年(無料)ないし2年(3000円)加入できるスズキ盗難補償サービスを実施中であり、このGSX-S125は対象車だ。

兄弟モデルのGSX-S1000や同750を彷彿させる鋭利なデザインのラジエターシュラウド。上部には立体エンブレムもあり、スポーティな演出。

タンクからシート、シートカウルにかけての造型はGSX-R125と共通だ。燃料タンク容量は11Lで、レギュラー指定となっている。タンデムシートはキーロックを解除することで取り外すことができ、中には車載工具や書類入れが収納されている。

ステッププレートおよびラバーのないバー、同軸ペダルなどはフルカウルのGSX-R125と共通。全体的に質感が高く、操作性についても特に不満なし。

[△] Rとの差額は約3万円。カウルの有無で悩む!?

もともとネイキッドが好きなら迷わないだろうが、プラス約3万円でフルカウルのGSX‐R125に手が届くとなると、悩む人がいても不思議ではない。とはいえ、どちらにもキラリと光る魅力があり、可能なら両車を試乗して選んでほしい。

[こんな人におすすめ] 好敵手はCB125R。価格で選ぶなら約5万安いSだ!

ホンダのCB125Rが直接のライバルだが、相手はSFF-BP倒立フォーク/4ピストンキャリパー/ラジアルタイヤなど、足回りがワンランク上で、車重も5kg軽い。対してGSX-S125は、5万2800円安いのがアドバンテージだ。

動画はコチラ→スズキの原付二種、乗って比較! GSX-S125/R125 試乗インプレッション【小さくってもGSXだ!】


※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

最新の記事