レーサーレプリカ全盛の時代は、カワサキ ゼファーの登場によりネイキッドブームに取って代わられた。当初はゼファーのひとり勝ち状態であったが、まもなく他社もこれに追随する。本記事では、ネイキッドの流行をますます加速させたマシン ホンダ CB400SF/ヤマハ XJR400/スズキ GSX400を取り上げる。
●文:ヤングマシン編集部(宮田健一)
今に続くネイキッドの名跡。CB400SFが登場!
ゼファーのひとり勝ちと言えたネイキッドの流行は、大排気量クラスにも拡大。’90年にはゼファー750、’92年にゼファー1100をリリースし、その存在を盤石にした。
そんな状況をライバルが許すはずもなく、ホンダは’91年の東京モーターショーで「プロジェクトBIG-1」を発表。ダブルクレードルフレームに正立フォーク&2本リヤショックのオーソドックスな構成ながら「乗れるものなら乗ってみろ!」と言わんばかりの巨躯に武骨な水冷4気筒を搭載し、名車CB1100Rを彷彿させるカラーとデザインは大好評。
そして翌’92年には、なんと1000に先駆けてCB400スーパーフォアが発売されたのだ。CB-1とは異なる「ニッポンのネイキッド」の王道ともいえるスタイルは、ホンダファンのみならずバイク好きの心をワシ摑みにした。
そんな初代CB400SF(NC31型)は、各部のリファインや高性能バージョンなどラインナップを増やしながら’98年まで生産されるが、基本的なスタイルは不変だった。
同時期にヤマハのXJR400も登場したが、こちらもXJR1200を’94年に輩出。大排気量車との共通スタイルで、ますますネイキッド人気は加速していった。
大型と共通イメージ、ブームを加速させた!:’92 HONDA CB400 SUPER FOUR
ホンダは’91年の第29回東京モーターショーに「PROJECT BIG-1」をコンセプトに掲げたCB1000スーパーフォアを出品。その基本要素を中型二輪免許で乗れる400ccで開発したのがCB400スーパーフォアで、ルックスは瓜二つだ。
空冷最強でライバルを追撃:’93 YAMAHA XJR400
雰囲気を楽しむ空冷ネイキッドではなく、レプリカにも走りで負けない「空冷最強」がコンセプト。新設計の4バルブDOHCエンジンは当時の自主規制いっぱいの53psを発揮し、クロスミッションも投入。年を追うごとにサスペンションやブレーキ等に高性能パーツを採用し、とことん走りに拘る。一時はゼファーとCBを上回る人気を獲得した。
ミドルネイキッド最速を目指す:’94 SUZUKI GSX400 IMPULSE/TYPE S
エンジンや車体のベースは400カタナだが、オーソドックスなネイキッドスタイルに仕上げ、足まわりも強化。ビキニカウル付きのタイプSが人気を博した。’99年にブレンボ4ポットキャリパー等のマイチェンを受けるが、同年にいったん生産終了。’04年に復活(各部変更あり)して’08年まで生産された。
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