新型コロナ禍では、バイク免許の取得やバイクの購入が増加した。ツーリングを楽しむようなファンバイクにしろ、通勤通学/買い物といった生活の足として使われるコミューター(スクーター)にしろ、販売増が続いているのだ。”密を避けられる趣味”としてブーム再燃の兆しが見えているバイクだが、利用環境の要である”停める”についてはどのような状況だろうか。「全国バイク駐車場案内サイト」を運用している日本二輪車普及安全協会(以降、日本二普協)に話を聞いた。すると、ここ数年の大きな変化として、予約制駐車場の大躍進が見えてきた。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳磨) ●資料提供:日本二輪車普及安全協会
予約制はシェアビジネス
予約制駐車場については、本連載でもたびたび紹介してきた。駐車スペースの形態は様々だが、個人宅/会社の敷地/既存の有料駐車場のデッドスペースなど、ちょっとしたスペースを活用したシェアリングビジネスだ。筆者もここ数年は、バイクで都心に出かける際には必ずと言っていいほど駐車場をネット(スマホ)で予約してから出発している。決裁もクレジットカードによるネット決済なので、現地で小銭を用意する必要もなく入庫/出庫もスムーズで早い。プライベートや遊びならともかく、打ち合わせなど仕事で遅刻するわけにはいかないので、助かっている。
バイクが受け入れられた?
日本二普協がまとめた[グラフ1]を見ると、駐車場案内サイトに掲載している予約制駐車場の物件数が右肩上がりに増えていることがわかる。まさに急成長だ。これはバイクの予約制駐車場に確固たる市場ができていることを意味しているし、それ以上に、駐車場/スペースのオーナーがその土地にバイクを停めることをこんなにも受け入れてくれていることに意義を感じる。もちろん、4輪との共用という物件も多いのだが、これは今後に期待が持てる社会環境の変化と言えるだろう。
そして、[表1]を見るとさらに驚かされる。’15年からの約6年間で駐車場の掲載総数は約4.4倍も増えているが、そのうち予約制駐車場は約29倍(!)も増えているのだ。その結果、掲載物件全体の約6割が予約制駐車場となっている。予約制駐車場1ヵ所あたりの駐車台数は1台から数台程度と少ないことが多いので、台数で換算した場合にどれくらい増えたのかは不明だが、時間貸駐車場の掲載物件数が増えたのは、予約制増加の影響が大きいことは確かだ[グラフ2]。
懸念は利用上のマナー
さて、バイク駐輪問題の将来を左右すると思われる予約制駐車場だが、懸念があるとすれば、やはり利用上のマナーだ。時間貸駐車場の事業者の多くがこの問題を挙げているが、予約制駐車場の場合は、個人宅のオーナーと顔を合わせることもあり、揉めようものなら即閉鎖となりかねない。このマナー問題については、またの機会に検討したい。
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