「ドラッグスターRR SCS」の最新モデルが上陸し、デリバリーが進んでいる。アイデンティティの象徴でもある片持ち式ワイヤースポークホイールはそのままに、大小様々な改良を敢行。最大のトピックは、SCS(スマートクラッチシステム)が採用され、利便性も大幅に引き上げられたとことだ。
●文: ライドハイ(伊丹孝裕) ●写真: 長谷川 徹
レバー操作は、してもしなくてもいい
2021年モデルのドラッグスターシリーズには、「ドラッグスターRC SCS」、「ドラッグスターRR SCS」、「ドラッグスターROSSO」の3機種がラインナップされている。ドラッグスターRC SCSはレーシングキット(公道走行不可)が同梱された限定仕様であり、ドラッグスターROSSOはスペックを抑制したエントリーモデルだ。ここで紹介するドラッグスターRR SCSはその中間に位置するモデルで、シリーズの主力を担っている。
実際、最高出力や価格はその通りのものになっている。
・ドラッグスターRC SCS 最高出力150hp/12,800rpm(レーシングキット装着時) 価格341万円
・ドラッグスターRR SCS 最高出力140hp/12,300rpm 価格286万円
・ドラッグスターROSSO 最高出力112hp/11,000rpm 価格218万1,300円
このように、ドラッグスターROSSOとの間には、約68万円のギャップがあるものの、28hpアップの出力とKineo社のワイヤースポークホイール、そして利便性に優れるSCS(スマートクラッチシステム)への対価としては正当だ。それでいて、ドラッグスターRC SCSより格段にリーズナブルに感じられるところに、ポジショニングの巧みさが光る。
以前掲載したドラッグスターROSSOのインプレッションにおいて、「最高出力は控えめながら中回転域のレスポンスに優れる」と記した。その印象は今も変わらないが、このシリーズを手にするユーザーは多かれ少なかれ「人とは違うモノが欲しい」という欲求が強いことだろう。
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