ヤマハは欧州および北米で新型モデル「MT-10 SP」を発表した。2021年11月10日に新型MT-10が初公開された際に車名だけは公表されていたが、ついにその姿を現した。“SP”仕様の特別カラーをまとい、足まわりはオーリンズ製電子制御セミアクティブサスペンションやステンメッシュタイプのブレーキホースを装備する。
充実の電子制御やパワーアップに加え、SPは豪華な足まわりを装備
シリーズ合計29万台を欧州で販売してきたMTシリーズ、そのフラッグシップモデルの登場だ! ヤマハは2013年に『ダークサイドオブジャパン』と称してスタートしたMTシリーズの頂点に君臨する「MT-10」および「MT-10 SP」をモデルチェンジし、2022年モデルとして発表した。
すでにMT-10は先行発表されており、SPについても車名は明らかになっていたが、ついにその姿がお披露目された形だ。
MT-10/SPは、ヤマハのフラッグシップモデル「YZF-R1」をベースとしたネイキッドモデルで、クロスプレーンクランク採用の並列4気筒エンジンを搭載。従来のモデルはシリーズ中核モデルのMT-09よりもかなりゴツイ系のデザインが特徴だったが、今回のモデルチェンジでは小ぶりなフェイスを与えてシェイプアップを敢行している。
MT-10/SP共通でエンジンは5.5psのパワーアップを果たし、フロントブレーキには、別体リザーバータンクのブレンボ製ラジアルマスターシリンダーを採用。電子制御関連では、上下対応となったクイックシフト(従来はアップのみ)を採用したほか、最高速度を任意で設定できる可変速度リミッターのYVSL(Yamaha variable speed limiter)を採用し、高速道路や街中などの状況や速度制限に合わせて、決められた数値以上の速度が出ないように設定できる。
メーターは新型4.2インチフルカラーTFTを採用。アクセルポジションセンサーグリップ(APSG)採用のライドバイワイヤスロットルにより、4つのパワーモードに設定できる。また、6軸IMUと合わせて、バンク角検知型トラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステム(ウイリーコントロール)、エンジンブレーキマネジメント、ブレーキコントロール、そしてこれらを統合して制御できる『ヤマハライドコントロール(YRC)』を実装し、YZF-R1並みの電子制御を実現している。
さらに、今回正式発表されたMT-10 SPでは、電子制御のオーリンズ製セミアクティブサスペンションを採用し、3ピースのアンダーカウルでレーシーな雰囲気をさらに増した。セミアクティブサスペンションはプリセットの3モード(A-1、A-2、A-3)に加え、3つのマニュアル設定を登録可能(M-1、M-2、M-3)だ。ブレーキホースには、ハイレベルなフィーリングとソリッドなタッチを実現するステンメッシュタイプを標準装備した。
MT-10/SPともに日本での発売時期は2022年秋以降とされる(欧州は2022年2月/SPは2022年中頃)。価格は日欧で未発表。北米ではSTDが1万3999ドル(日本円換算約161万円)、SPは1万6899ドル(約194万円)のプライスが付けられている。
YAMAHA MT-10 SP[2022 model]
主要諸元■全長2100 全幅800 全高1165 軸距1405 シート高835(各mm) 車重214kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 165.9ps/11500rpm 11.4kg-m/9000rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■キャスター24°/トレール102mm ブレーキF=φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:未発表 ●色:黒(Icon Performance) ●発売時期:2022年中頃 ※諸元や価格等は全て欧州仕様/日本での発売時期は2022年秋以降
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MT-10/SP 概要 先代YZF-R1のエンジンと車体を受け継ぎながらも、ストリートに適したパフォーマンスを最大限発揮するため約40%を専用チューニングの部品で構成したハイパーネイキッド。上級版SP[…]
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