ヤマハは新型の「MT-10」と「MT-10 SP」を発表した。エンジンはユーロ5に適合しながら5.5psのパワーアップを果たし、電子制御をアップデート。ヤマハ初採用の可変速度リミッターを装備する。欧州での発売は2022年2月(SPは2022年中頃)、日本では2022年秋以降の発売予定だ。
写真が公開されたのはMT-10のみ! SPはEICMAで初披露か
ヤマハは欧州で、モデルチェンジした新型「MT-10」を発表した。また、国内向けリリースでは「MT-10 SP」も発表しており、日欧ともに写真素材および詳細はスタンダードモデルのMT-10のみ提供されている。
2022年モデルのMT-10は“MT-king’s Dignity”をコンセプトに開発しており、エンジンは吸排気系を見直してユーロ5適合とパワーアップを同時に実現。軽量な新型チタンエキゾーストを採用し、吸気側でサウンドデザインも促進したという。また、IMUを核とした高精度な各種電子制御に加え、ヤマハ初採用の可変速度リミッターYVSL(Yamaha variable speed limiter)を装備する。クイックシフターはアップのみだった従来から上下対応になり、スポーツライディングの充実度と普段使いの利便性を向上した。デザインはMT-09系にも共通するツリ目のポジションライトで新たな表情を得て、さらにエルゴノミクスも追求したとしている。
注目はエンジンだ。ベースとなっているYZF-R1は2021年型で先行してユーロ5に適合し、スペック値は200psで変わらないものの実測値では1割近くもパワーアップしていた。新型MT-10はスペックも変更され、現行の160.4ps/11500rpm(欧州仕様)から165.9ps/11500rpm(欧州仕様)へとパワーアップしているのだ。さらに、トルクも11.3kg-m/9000rpm→11.4kg-m/9000rpmとされた。
デザインは重厚だった従来型からコンパクトなフェイスになり、ヘッドライトはモノフォーカスLEDをツインで装着。そして他のMTシリーズに共通するツリ目のポジションライトを採用した。スムーズなデザインとなった燃料タンク形状などにより、エルゴノミクスも向上している。
フロントブレーキには、別体リザーバータンクのブレンボ製ラジアルマスターシリンダーを採用し、コントロール性を向上したという。
電子制御関連では、上下対応となったクイックシフト(従来はアップのみ)を採用したほか、最高速度を任意で設定できる可変速度リミッターのYVSL(Yamaha variable speed limiter)を採用し、高速道路や街中などの状況や速度制限に合わせて、決められた数値以上の速度が出ないように設定できる。
メーターは新型4.2インチフルカラーTFTを採用。アクセルポジションセンサーグリップ(APSG)採用のライドバイワイヤスロットルにより、4つのパワーモードに設定できる。また、6軸IMUと合わせて、バンク角検知型トラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステム(ウイリーコントロール)、エンジンブレーキマネジメント、ブレーキコントロール、そしてこれらを統合して制御できる『ヤマハライドコントロール(YRC)』を実装し、YZF-R1並みの電子制御を実現している。
フレームは200psに対応するYZF-R1譲りの軽量デルタボックスを採用。前後サスペンションはKYB製で、上級モデルのSP(詳細未発表)はアップデートされた電子制御式オーリンズサスペンションとアンダーカバーなどを装備する。タイヤはブリヂストン製のバトラックスハイパースポーツS22だ。
欧州における発売はMT-10が2022年2月、MT-10 SPは2022年中頃、そして日本では2022年秋以降とされる。価格はいずれも現在のところ未発表。
YAMAHA MT-10[2022 model]
主要諸元■全長2100 全幅800 全高1165 軸距1405 シート高835(各mm) 車重212kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 165.9ps/11500rpm 11.4kg-m/9000rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■キャスター24°/トレール102mm ブレーキF=φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:未発表 ●色:シアン、ブルー、ブラック ●発売時期:2022年2月(MT-10 SPは2022年中頃) ※諸元や価格等は全て欧州仕様/写真の色名は欧文が欧州名、片仮名が日本発表名
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