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ミクニ製のレーシングキャブレター・TMRに、ヨシムラ自慢のMJN機構を組み込んだのがヨシムラMIKUNI TMR-MJNキャブレター。同社では以前より、チューンドZ1に対応するTMR-MJNは販売していたものの、今回登場したのはZ1のノーマル排気量(903cc)&純正エアクリーナーボックスに完全対応させたという製品だ。ノーマルスタイルのZ1で、TMR-MJNの高性能を思う存分楽しめる!
●文:編集部
純正キャブと同口径を新たに設定
1972年の登場から、来年でちょうど50周年。そんな偉大な境目を迎えようとしているカワサキZ1に向けたヨシムラの新商品は「903ccのノーマル排気量に対応し、かつ純正エアクリーナーボックスが使用可能」というTMR-MJNキャブレターだ。口径はΦ28mmと32mmで、TMRキャブで言うところの「スモールボディ」と呼ばれる中〜小排気量車向けの製品。これをZ1のシリンダーピッチに合わせた上でMJN機構を組み込んでいる。
ヨシムラではZ1に向けて「ラージボディ」と呼ばれるΦ36mmと38mmのTMR-MJNを既に販売している。これは排気量アップなどが施されたチューニング車両向けで、ノーマル排気量には少々口径が大きいうえ、ファンネルかパワーフィルターが前提のため純正エアクリーナーボックスも装着できなかった。
そこで今回、新たにラインナップされるのが、ノーマルに近い仕様でZ1を楽しんでいるユーザーに向けたスモールボディのTMR-MJNというわけ。純正エアクリーナーボックスでしっかりエンジンを保護しつつ、ノーマルキャブとは段違いのレスポンスやパワーといった、レーシングキャブレターの高性能を満喫できる欲張りなキットである。
また、Z1の純正キャブ(=VM28)と同口径となるΦ28mmは、TMR-MJNの外観上の特徴であるブラックボディや赤いトップキャップ&ドレンボルトを採用していないのもポイント。TMR-MJNのエンブレムは貼付されるが、一見するとシルバーボディの普通のキャブという“羊の皮を被った狼”的なところもノーマル外観派には好ましいはず。もちろん、各部の消耗も激しいであろう純正キャブのリプレイスにも好適だ。発売は10月上旬頃が予定されている。
それにしても、まもなく50周年にも関わらず、このようなマニアック極まりない新製品がリリースされてくる、カワサキZ1というバイクのカリスマ性には驚かされる。決して安くはない費用を支払っても、今後も好調を維持しながら乗り続けたい。それだけの価値があると多くのユーザーが考えていることの証左だろう。やはりZ1は偉大!
Z1用ヨシムラMIKUNI TMR-MJN32キャブレター(左。25万3000円)。アフターマーケットのデジタル点火キットなどに対応するスロットルポジションセンサー付きもラインナップされる(右。28万6000円)。
Z1用ヨシムラMIKUNI TMR-MJN28キャブレター(左。30万8000円)。スロットルポジションセンサー付きも34万1000円で設定される(右)。スロットルのインナーパイプが同梱されるのはTMR-MJN32と同様だ。
Z1の純正キャブレター・強制開閉式のミクニVM28。Z1では年式ごとの仕様差が大きい部品として知られている(写真は1973年式用)。
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