ヤマハは、「MT-09 ABS」および「MT-09 SP ABS」をフルモデルチェンジし、2021年モデルとしてそれぞれ2021年8月26日/7月28日に発売する。ストロークアップで888ccとした新型エンジンを新設計フレームに搭載し、新型軽量ホイールなどで武装している。
エンジンとデザインだけじゃない! 細部にわたる刷新、SPはクルーズコントロールも
ヤマハは、“Synchronized Performance Bike”のコンセプトで2014年に登場して以来、スポーツネイキッドとして人気のMT-09をフルモデルチェンジ。トルクフルな新エンジンや新フレーム、スピンフォージドホイール、新IMUなどを採用し、新たなコンセプト“The Rodeo Master”を掲げて発売する。
エンジンはストロークアップした78.0mm×62.0mmのボアストロークにより、ユーロ5相当の排出ガス規制に適合しながらパワー&トルクともにアップ。ピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツの多くを新設計し、軽量に仕上げている。FIのインジェクターはシリンダーヘッド直付からスロットルバルブ側に取り付け位置を変更し、噴射はバルブ傘裏方向として優れた燃焼効率を引き出したとしている。
サウンドにもこだわっており、排気系には1.5段膨張室サイレンサーと左右対称のテールパイプを採用。スロットルを開けると音量が増大しつつ、回転が上がるにつれて吸気音の成分が増すチューニングとした。
フレームは最低肉厚1.7mm(従来は最低肉厚3.5mm)の軽量CFアルミダイキャスト製の新型とし、エンジン搭載角を47.5度から52.3度へと立て気味にして前後方向をコンパクト化。ディメンションの最適化を行なった。また、剛性バランスを取り直したことで横剛性は従来比50%アップし、直進安定性を古城した。ヘッドパイプ位置は従来比で30mm下がっており、フロント荷重をかけやすく、また接地感にも優れているという。
スイングアームはアルミパネルを溶接したボックス構造で、ピボット締結をフレームの内側とすることで高剛性と軽量化を両立。剛性チューニングやシート周辺形状の造り込みとの相乗効果で、スリム感を維持しながら優れた直進安定性、コーナリング安定性をもたらしている。
サブフレームもCFアルミダイキャスト製とし、フレームとの合算で従来比2.3kgの軽量化を果たした。
そしてヤマハ独自の“鋳造ホイールでありながら鍛造ホイールに匹敵する強度と靭性のバランス”を達成した“SPINFORGED WHEEL(スピンフォージドホイール)”技術による軽量ホイールを初めて採用。従来モデルよりも前後で約700g軽くなり、さらにリヤの慣性モーメントが11%低減、機敏な運動性能に貢献している。
電子制御のキモとなる慣性計測装置=6軸IMUは新型となり、センサーは50%の小型化/40%の軽量化を実現した。スロットルバイワイヤも採用し、IMUフィードバックによりトラクションコントロールシステム、リフトコントロールシステム、スライドコントロールシステム、ブレーキコントロールを制御。アップ&ダウン対応のクイックシフターも完備する。
ヘッドライトにはバイファンクションLEDのモノアイを採用し、これに逆ハの字のLEDポジションランプを組み合わせ、新MTファミリー共通の顔つきに。ETCインジケーター表示機能付きのフルカラーTFT3.5インチメーターを採用し、ハンドルとステップはポジション可変タイプだ。
上級モデルの「MT-09 SP ABS」には、専用カラーのほか、専用装備としてクルーズコントロール、スモーククリア処理した前後リザーバータンク、DLCコーティングをインナーチューブに施した専用フロントフォーク、オーリンズ製リヤサスペンション、ダブルステッチシートを採用している。
YAMAHA MT-09 ABS / MT-09 SP ABS[2021 model]
【YAMAHA MT-09 ABS / MT-09 SP ABS[2021 model]】主要諸元■全長2090 全幅795 全高1190 軸距1430 シート高825(各mm) 車重189kg[190kg](装備)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 888cc 120ps/10000rpm 9.5kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L(ハイオク指定)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ※[ ]内はSP ●価格:110万円/SP=126万5000円 ●色:灰、青、艶消し灰/SP=黒 ●発売日:2021年8月26日/SP=2021年7月28日
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