●編集:モーサイ編集部・上野茂岐 ●試乗レポート:阪本一史 ●写真:もがきかつみ ※当記事は『別冊モーターサイクリスト1999年1月』の記事「国産ビッグオフロードモデルの現在」を編集・再構成したものです。
言わばパリダカマシンのレーサーレプリカ。ワークスレーサーDR-Zと並行開発されたDRビッグ
当記事は1998年、スズキのビッグオフローダー「DRビッグ」の誕生背景と進化の経緯について、開発スタッフにうかがったインタビューである。
パリダカレーサーのDNAを受け継ぐオフロードモデルとして登場したDRビッグだが、800へと排気量を拡大した後は市場の声を反映してオンロード志向を強めていった。つまり、今で言う「アドベンチャーモデル」的な立ち位置になっていったのだ。
そして現在の目で見ると興味深い事実が。インタビュー後半、デザイナーの宮田さんの言葉に注目してほしいのだが、1998年の時点でVストロームの原型とも言える構想があったように思われるのだ。
粕谷さん●DRビッグが登場したのは1988年ですが、その開発はワークスマシンのDR-Z(ジータ)とほぼ並行して行われていました。当時は元スズキワークスの125ccのモトクロスGPチャンピオンで、パリダカの1984年、1985年のチャンピオン(マシンはBMW-GS)だったガストン・ライエが、再びスズキに乗るというので、話題になりました。要するに、ワークスマシンに乗るイメージリーダーもいて、市販車でもイケるという状況だったんです。
宮田さん●80年代半ばころから、パリダカではBMW-GSやホンダのNXRなど2気筒マシンが活躍し始めましたが、当社としてなぜビッグシングルを選んだのかは、欧州での市場調査の結果だったと思います。先に出ていたDR600Rが割と好評だったというのもあるし、それよりももう少し速いバイクが、いいという要望もあつたので、シングルで排気量を上げた新作エンジンにしようということになったと思います。
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