卵が先か、鶏が先か?ではないけれど、バイクのパフォーマンス向上と同時に進化してきたのがタイヤである。そんななか、停滞していたバイアスタイヤ界に期待のニューモデル「ピレリ ディアブロロッソ」が登場。新旧マシンに装着してテストを行なった。
[〇] バイアスらしさ薄め、ピレリらしさ濃いめ
筆者が主催するライディングスクールは今年で15年目を迎えた。その中で使用しているマシンは30年選手のVT250系であり、タイヤだけが新製品に代わっていくという状況を長く経験してきた。
今回ピレリがリリースした「ディアブロロッソスポーツ」は、ハイグリップを売りにしたタイヤのような粘りつく感触はないものの、走り始めから確かな接地感を提供してくれる。接地面が広く、コーナーリングが楽しいというピレリらしいスポーツ性もあり、適度に潰れてくれる感触がラジアルを彷彿とさせるが、そこがニュージェネレーションのバイアスともいえる。そのうえでハンドリングが重くなる印象はなく、安定感が増している印象である。
スクールでは生徒をタンデムして走行することも少なくないが、車体も貧弱でタイヤ頼みにもなるなかで、しっかりとした剛性感によって腰砕けになることのない安心感が光っている。
今回テストしたニンジャ250やYZF-R25といった最新のクォーターマシンだけでなく、旧い軽量クラスのマシンにも是非試してほしいタイヤだ。きっとマシンの印象が大きく変わるはずである。
【PIRELLI DIABLO ROSSO SPORT】グルービングパターンは同社の主力ラジアルタイヤ。ディアブロロッソIIIと同様であり、見た目のスポーティさがマシン全体の印象もアグレッシブに引き立てる。 ●価格:オープン
(1) 軽量マシンに最適な設計とされたセンター部。グルーブデザインにより、耐久性向上とともにロードノイズの少なさにも寄与。(2) ブレーキング時に高い安定性を発揮させるためにデザインされたV字型グルーブはその角度も最適化。(3) エッジ部は溝の刻まれていないスリック状。旋回時に負荷がかかるとグルーブ部も潰れてスリック状となり、接地面積が増大。
ピレリが提示する性能チャート。表示はずいぶんと遠慮がちに思えるが、昨今のタイヤ性能がそれだけ高いということでもあろう。
サイズはフロント2、リヤ3サイズと少ないながら、最新のクォーターマシンはもちろん、やや旧いマシンの多くをカバー。
[△] スポーティ感が強め。もう少し間口を広く
スポーツタイヤ感がやや強め。フロントの舵角の付き方にもう少しニュートラルさがあればより良し。
[こんな人におすすめ] +αのスポーツ性を求めるライダーにおすすめ!
温度依存が少なく、気軽に走り出せるオールラウンド性の高いキャラクターだが、+αのスポーツ性がロッソスポーツ最大の魅力。タイム重視でなければ、ワインディングだけでなくサーキットも十分楽しめる!
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