本田技研工業株式会社は2月19日、現専務取締役の三部敏宏(みべ・としひろ)氏 ※写真左 が、4月1日付けで9代目の代表取締役に就任すると発表した。現代表取締役の八郷隆弘(はちごう・たかひろ)氏 ※写真右 は同日付けで取締役となり、6月に退任の予定だという。
既存事業の盤石化と将来への仕込みを終えた(八郷氏)
現社長の八郷氏は記者会見で「‘15年6月に(前任の伊東孝紳氏から)社長を引き継ぎ、100年に一度の大転換期に突入するなか、ホンダが将来も存在を期待され続けるための“既存事業の盤石化”と、“将来の成長に向けた仕込み”に取り組んできた。その結果、今はその実行と刈り取りの段階に入ったと判断。このタイミングで新たなリーダーのもと、全社が新鮮な気持ちでチャレンジしてほしいと考えた」と交代に至る経緯を説明。ホンダが掲げる“2050年カーボンニュートラル”と“2050年交通事故死者ゼロ”の実現は簡単ではないが、環境対応やエネルギー分野の専門家で、バイタリティにあふれ世の中の動きにも敏感な三部ならしっかり花を咲かせてくれるだろう…と人選にも言及した。
大転換期だからこそワクワクしている(三部氏)
新社長となる三部氏は「自分の持ち味を最大限に発揮してホンダをリードしていきたい。八郷が築いた既存事業に、100年に一度の変革期に耐えうる“ホンダの将来、未来”という建物を建て、将来の成長に向けた仕込みをさらに加速させる。2050年カーボンニュートラル/交通事故死者ゼロへの取り組みを具現化し、お客様の暮らしを豊かにする新しい価値を提供、社会から存在を期待させる企業を目指す」と挨拶。ホンダだから選んだと言ってもらえる、ワクワクしてもらえる商品やサービスを、外部の知見やアライアンスも活用しつつスピード感を持って提供していくと述べた。
4輪のエンジン開発に携わっていた技術者で、本田技術研究所の社長も務めた三部氏は「自分は激動の時代向けだと思っている。安定している時代はやる気が出ない(笑)。重責は感じているが、難しい時代にトップを務められることにワクワクしているし、やりがいを感じる」と自らの強みについてコメント。
また、エンジン技術者として内燃機関の将来についても言及し「エンジンがなくなるとは思っていない。確かに電動化はメインストリームだが、カーボンニュートラルエネルギーやバイオガソリンなど、燃料とセットで内燃機関のカーボンニュートラル化を実現できる可能性はある」と延べ、現状でイエスかノーかを求めるのは時期尚早だとした。
“ホンダらしさとは何か?”という問いには「モノそのものではなく、社会課題や新しい価値、強豪に立ち向かう企業姿勢」と回答。それは古くはマン島TTやF1、少し前なら大気汚染や交通事故、今ならカーボンニュートラルと時代によって変わるが、そうしたチャレンジの結果や過程から生まれた商品に“ホンダらしさ”が宿る、とした。
「ホンダに元気がないと言われる今だからこそ、ホンダらしさを前面に出したコト、モノ、サービスを展開していきたい」とも語った三部新社長のもと、ホンダらしい、我々がワクワクするプロダクトの登場に期待していきたい。
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