あおり運転”加害者誤認”回避マニュアル#8

海外でも”あおり運転”の問題は存在するのか?【速度無制限ドイツ&銃社会アメリカの場合】

海外でも"あおり運転"の問題は存在するのか?【速度無制限ドイツ&銃社会アメリカの場合】

●まとめ:ヤングマシン編集部(田中淳磨) ●イラスト:田中 斉

お国が変われば交通文化も変わる。あおり運転は海外ではどう捉えられているのか。現地在住経験の長い自動車ジャーナリスト・竹花寿実氏&ケニー中嶋氏に、ドイツとアメリカ(カリフォルニア州)の事情について聞いてみた。

【ドイツの場合】速度無制限だからあおりが起きない!?

海外でも"あおり運転"の問題は存在するのか?【速度無制限ドイツの場合】

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8年間ドイツで生活した経験上、「ドイツにはあおり運転と呼べるような状況はほとんどない」というのが正直な印象だ。ドイツ人は基本的に「ルールは守るもの」という感覚が強く、30~50km/hに規制される市街地では、ほとんどのクルマがピッタリ制限速度で走っている。また今でも約60%が速度無制限のアウトバーンでは、後方から速いクルマが近づいてきたらスムーズに右車線に避ける(右側通行なので日本とは逆になる)。これは「右側から追い越してはならない」「大型トラックは右側車線を走行しなければならない」といったルールが徹底されているから可能なことだ。

そして「速度無制限区間では何km/hで走行しても違法ではない」というのも、あおり運転を生まない大きな理由だと考えている。日本では、「なんであんなスピードで走っている人に道を譲らなければいけないの?」という心理が”道を譲らない行為”に繋がっているように見受けられる。しかしアウトバーンでは、たとえ300km/hで走行するクルマを見ても、「あぁ、急いでいるんだね」程度にしか思わないのだ。日本も速度無制限にすれば、あおり運転は減るかもしれない(?!)

海外でも"あおり運転"の問題は存在するのか?【速度無制限ドイツの場合】
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【竹花寿実】’18年までドイツ在住の4輪ジャーナリストとして活動。ドイツ車やヨーロッパのクルマ事情のスペシャリスト。

【アメリカの場合】あおり=生命に直結する銃社会の怖さ

海外でも"あおり運転"の問題は存在するのか?【銃社会アメリカの場合】

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カリフォルニアに住んで数十年経つが、僕自身があおり運転の被害を受けた経験は今のところない。が、銃社会だけに、あおり運転がエスカレートして殺人事件にまで発展することも少なからずあるのが現実だ。

アメリカでは道路交通法が州ごとに異なるが、カリフォルニア州では、車間を詰めての走行は”テールゲーティング(TAIL GATING)”と呼ばれる違反行為で、反則金は240ドル以上。これは「安全かつ常識的な車間距離を保っていない状態」という法令に基づき、警察官が目視で取り締まる原始的な方法だが、毎年かなりの検挙件数があるという。

さらに過激な幅寄せや進路妨害など怒りを持って相手を威圧する行為は”ロードレイジ(ROAD RAGE)”と呼ばれ、危険運転”アグレッシブorレックレスドライビング(AGGRESSIVE or WRECKLESS DRIVING)”となる。初回で半年間、2回目からは1年間の免停が課せられる。もちろん相手を傷つけたり死亡させれば傷害罪や殺人罪に問われる。

まわりのクルマに武器を持つ人が乗っている可能性があるというのは物騒だし、怖いことだなと改めて思っている。

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【ケニー中嶋】東京生まれ、アメリカ在住の4輪ジャーナリスト。乗り物系は自転車からスペースシャトルまで造詣が深い。


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