トラコンOFFは絶対禁止!

カワサキZ H2サーキットテスト〈後編〉【スパチャ3兄弟のラップタイムを比較】

  • 2020/9/6
カワサキZ H2サーキットテスト【スパチャ3兄弟のラップタイムを比較】

カワサキから続々と発表されているNinja H2、Ninja H2SXといったスーパーチャージャー搭載車。このほど登場したZ H2はその末弟であり、そして“Zシリーズの親玉”ともいえる存在だ。後編では、兄貴分2車と方向性や性格はどのように違うのか?ヤングマシンメインテスター・丸山浩がサーキットアタックで比較する。そこで見えた素顔は……やっぱりとんでもないものだった。

ヤングマシンメインテスター・丸山浩

【TESTER 丸山浩】都内からZ H2を自走させて袖ヶ浦入りした本誌メインテスター。「ストリートでは非常に扱いやすい。これなら毎日乗れる!」そんなスパチャ三男坊のサーキット能力はいかに?

普段乗りは穏やかだが、トラコンを切ると豹変

前ページより続く)

Z H2の袖ヶ浦でのベストタイムは1分20秒065。前日の雨が路面に残っていたことを加味すると、ドライでも18秒台がギリギリだろうか。元々フロント荷重のあるH2&SXには一歩及ばなかった。いやいや、Zにタイムなど関係ないのだ。コーナーを立ち上がる度にアクセル全開、スーパーチャージド30cmフロントアップ加速を堪能するのがコイツの醍醐味。ワインディングも同様、コーナーは攻め過ぎずにサラッとこなし、直線で一瞬だけスーパーチャージャーを爆裂させる走りが一番心躍る。

ちなみに今回はよりリアルなテストとすべく、自走でサーキットに赴いている。スーパーチャージャーのヒュルヒュル感は4000〜5000rpmあたりから出てくるから、高速道路でも十分に堪能できる。ロードモードにすればアクセルに対するツキも穏やかなので、鋭いレスポンスに疲れることもない。かたや4000rpm以下、一般道領域だとスーパーチャージャーは鳴りを潜め、高性能直4スーパースポーツエンジンの軽やかに吹け上がる上質な回転フィールを味わえるよう造られていた。

だが忘れてはいけない、これは電子制御ありきの話。コイツは310psオーバーの化け物スペック・ニンジャH2R直系。というわけでトラコンをオフにしてみた。するとどうだ、ピーキーもピーキー、スーパーチャージャーシリーズの暴れん坊っぷりは健在だった。ピーキーといえば2ストレプリカ全盛期をイメージすると思うが、それどころではない。例えば8000rpm以下ではフロントアップにややパワーの立ち上がり不足を感じたと思いきや、8000rpmを超えた瞬間、9000rpmまでの狭い領域でいきなりズバーンとパワーが炸裂する。ウイリーも通常はアクセルワークで上がり量を調整するのだが、コイツは即座に全閉しても到底間に合わない。リヤブレーキで止めるのもギリギリ、一瞬で上がるから油断してたらアッという間にマクレてしまう。だから皆さん、絶対にトラコンOFFは厳禁!

いかにして多くの人にスーパーチャージャーの特性を楽しんでもらえるか。H2&SXとの配役の切り分けには、そんなコンセプトを受け取れる。ZH2で毎日がスーパーチャージャー、結構アリなバイクライフだと思うぞ!

カワサキ Z H2

【Z H2 袖ヶ浦ラップタイム:1分20秒065(最高速度:199.76km/h)】低めのセパレートハンドルを持つ兄弟車に対し、街乗りを意識したアップハンドルはフロント荷重が少なめ。タイヤのキャラクターも決してサーキット向きではない。 [写真タップで拡大]

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【ニンジャ H2 袖ヶ浦ラップタイム:1分17秒013(最高速度:205.66km/h)】パワー感は他2車とは別格。数値以上にパワーがあるような感覚で、高回転域はとにかく暴力的。扱いやすさはなく御するのに手こずるが、慣れればタイムを狙える。※ヤングマシン’18年5月号テスト時のタイム

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【ニンジャ H2 SX 袖ヶ浦ラップタイム:1分18秒311(最高速度:206.06km/h)】H2より低中速のレスポンスがよく、パワーフィールも常識的な設定。ストローク感のある足回りはツアラー風味だが、ハンドリングはスーパースポーツ的。※ヤングマシン’18年5月号テスト時のタイム

カワサキZ H2サーキットテスト【スパチャ3兄弟のラップタイムを比較】

【Z H2はコスパも光る】ホイールベースはSXがもっとも長く、H2とZ H2は同一値。エンジンも基本的には共通だが、Z H2は扱いやすくリセッティングされたSX用をベースに、出力特性をより低中速寄りに。ギヤレシオも3車で最適化されている。Z H2は200万を切る価格にも注目! [写真タップで拡大]

{袖ヶ浦フォレストレースウェイ
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【袖ヶ浦フォレストレースウェイ】都心からのアクセスに優れ、走行会や試乗会などで多用される全長2436mのサーキット。全14のコーナーは低速~高速まで多彩な設定だ。■住所:千葉県袖ケ浦市市林348-1 ■TEL:0438-60-5270

デジスパイスIII
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【DATALOGGERデジスパイスⅢ】タイム計測には超小型GPSロガーのデジスパイスを使用。車両に貼り付けるだけで速度変化や位置座標が計測可能。●価格:4万3200円

スーパーチャージャーを好みで選べる時代がやって来た!

H2Rでは最高出力310ps以上を発揮するスーパーチャージドエンジンも、今や電子制御でシチュエーションに合わせたキャラクター設定が可能。川崎重工のガスタービン、そして航空宇宙技術により造られた製品が、それぞれのライダーの好みや使い方に応じて選べるのだ。

デイリーユース:Z H2【365日をスパチャとともに】

カワサキZ H2

最低限のフェアリングやライト周りも徹底してフレームマウント化することで、数字以上の軽快さを体感できる。手軽さNo.1スーパーチャージャー搭載車。 [写真タップで拡大]

ツーリングユース:ニンジャH2 SX【快適なのにH2並みに走れる!?】

カワサキNinja H2 SX

H2のツーリング仕様。ゆえに重量増、ヘビー級なりの安定性もあるが、クローズドコースでのポテンシャルはH2に引けを取らない。 [写真タップで拡大]

スポーツユース:ニンジャH2【原理主義的最恐スパチャマシン】

カワサキニンジャH2

フルパワースーパーチャージャーにリミッターを施した公道仕様。200psまでの過渡特性は最もH2Rに近い。そのパワーは国際ライダーでも持て余す。 [写真タップで拡大]

●文:丸山浩 ●写真:富樫秀明
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