コンプレッサーの圧縮空気に研磨剤を混ぜて吹付け加工するサンドブラスト。空気圧縮関連機器製造販売の老舗・アネスト岩田が10年ほど前から販売しているサンドブラストキャビネット「サンドブラスタCHB-600」は、これまでに約7000台を売り上げたという人気商品とのことで、その実力のほどを試してみた。
●文:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ●取材協力:アネスト岩田 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[○]省スペースな循環式。さまざまに利用可能
このサンドブラスタ、吹き付けた研磨材を回収して再利用する循環式で、DIY用では一般的な部類に入る。今回はテスト用に2kgのアルミナ#100(税抜2800円)を3缶、計6kg分を投入し、いろいろなパーツをサンドブラストしてみた。

【サンドブラスタ CHB-600[アネスト岩田]】■サイズ:500 × 660 × 510mm 本体重量:18kg 最高使用圧力:0.7MPa ●税抜価格:2万3000円 ※使用には別途1馬力以上のコンプレッサーが必要。別売のCHB-600専用スタンドは税抜1万2000円。
レギュレーターのノブを回してエアの圧力を0.7MPa以下に調整し、研磨するパーツを入れたら作業開始だ。ブラストガンの引き金を押し込むとノズルから研磨剤が噴射する仕組みで、その勢いはそれほど強くはない。だが、サビや腐食の程度にもよるが、しばらく当て続けているとそれらが徐々に削れ、最終的には奥まった場所やネジ山まで見違えるほどきれいになっているのだ。
構造上、落ちたサビも研磨材とともに循環するので、ある程度のサビはワイヤーブラシなどで落としておいた方がいいだろう。また、密閉されてはいるものの、どうしてもフタを開閉する際に研磨剤が煙のように舞うので、それを吸い込んだがためのトラブルを避けるためにもコンプレッサーは離れた場所に設置してほしいとのこと。
誰でも簡単に本格的なサンドブラストが可能。ガラス彫刻にも使えるので奥さんも興味を示す、かもしれない。
キャビネットの内寸は470×580×280mmで、これに入るものであれば作業可能。照明付きなので、細かい部分までしっかりと見える。
(左)上はスチールのサビ、下はアルミの腐食をアルミナで作業したもので、奥まった部分までしっかりときれいになったことが分かる。これはもう快感のひと言だ。(右)サンドブラストは塗装の下地処理やガラス彫刻などにも使われる。コーヒーの缶の塗装もご覧のとおり。
[△]研磨材は多めが基本。消耗品をケチるなかれ
キャビネットの底が漏斗のようになっているのだが、その角度が浅いので、研磨剤が少ないとうまく循環してくれない。なお、ノズルや手袋も消耗品なので定期的に交換を。
[こんな人におすすめ]少ない費用で加工作業が可能に。これはハマるぞ!
私はレストア趣味がないためこの分野には疎く、サンドブラストは業者に頼むものと思い込んでいただけに、今回のテストは仕事そっちのけで楽しんでしまった。学習机ぐらいのスペースさえあれば設置可能なので、気になる方はぜひ。
【塗装の剥離にも!】
人気記事ランキング(全体)
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
カスタムスピリットから生まれた英国ブランド まずMUTT Motorcyclesというブランドについておさらいしておこう。2016年、英国バーミンガムでカスタムビルダーのWill RiggとBenny[…]
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
日本の免許制度を考慮してナナハン4気筒と同時開発 GS750の弟分。世間にはそういう見方をする人がいるけれど、’76年から発売が始まったGS400を弟分と呼ぶのは、少々語弊があるのかもしれない。なんと[…]
随所に専用部品を投入したZシリーズ初のR仕様 Z1000の派生/上級機種として’78年に登場したZ1‐Rは、評価がなかなか難しいモデルである。まず当時の流行だったカフェレーサーの手法を取り入れながら、[…]
最新の記事
- 1
- 2