バイクシーズン到来…その前に

シーズンイン直前に知っておきたい、バイク用バッテリーの豆知識×5

冬から春への移り変わりを控え、バイクシーズンを迎える前に気にしておきたいのが、愛機の”バッテリー”の状態。というのも、気温の低い冬季はバッテリーが活性化しにくく、不具合が露見しやすいからだ。いっそのことバッテリーごと交換してしまうことも視野に入れつつ、イマドキのバッテリーに関する豆知識をいくつか紹介しよう。


●文:谷田貝洋暁 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

見えない電気がどうも苦手というライダーも多い。ただバイクのバッテリーは電圧も12Vとそれほど高くないので、必要以上に恐れる必要はない。たとえばプラス端子とマイナス端子を写真のように指で触ったところで、”バチッ!!”となることはない。ウソだと思うなら試してみるべし!(ただしその際は自己責任で…笑)

金属同士が触れてショートし、バチッということはあるかもしれないが、電気を通しにくい人間の指で電極を触ったところでショートはまず起きない。

豆知識その2:バッテリーが冬弱るのはナゼ?

答えは簡単、単純に寒いからである。というのも、バッテリーの仕組みは酸が金属を溶かす化学変化で生まれるイオンを取り出すことで電気となる。つまり、気温が低いと化学変化が起きにくくなり、電気も生まれにくいということなのだ。しかも、冬はバイクに乗らない人も多く、その間に自然放電が起こりがち。春のシーズンインで見事にバッテリー弱りが露見するというわけだ。

鉛が希硫酸に溶かされて、硫酸銅と水素と酸素、つまりは水になることで電気を生んでいる。充電すると可逆反応で鉛に戻る。

豆知識その3:クランキングアンペアとは?

外見からではまったくその劣化具合が判断できないバッテリー。弱ったバッテリーも充電後に電圧を計ると12Vを超えていたりし、いざセルを回そうとすると力が足りず回らない、なんてこともよくあるものだ。そんなバッテリーのセルを回す力を表す数値が「クランキングアンペア」。文字どおりクランクするためのアンペアで、数値が高ければ高いほどクランキングする力が強いということだ。専用のテスターを使って定期的に測ると、バッテリーの弱り具合が数値化できる。

単純な電圧ではなく、クランキングできるかどうかを数値化できると弱り具合がわかりやすい。

豆知識その4:最近流行りの激安バッテリーってどうなの?

バッテリーが重要なのはエンジン始動時だけで、タイヤのように走行性能が大きく左右するパーツでもない。そのせいか、バッテリーは消耗品のなかでも価格が高い印象がある。ただ、この値段には、”品質”とか”信頼”が内包されていると考えたい。確かに最近巷で出回っている激安のバッテリーは魅力だが、品質にバラツキがあり、出どころがしっかりしていないことも問題だ。要は当たり外れが大きく、もしハズレを引いて何か重大な不具合が起きたときに、誰が責任を持ってくれるのか? そもそもそんな相手がいるのかという話だ。

豆知識その5:スマホでバッテリーチェックも可能に!

スターターボタンを押すまでバッテリーの不具合には気づけない、というのは過去の話。ブルートゥース通信技術の一般化により、スマートフォンでバッテリーの状態を確認できるツールもある。しかも、電圧だけでなく過充電や電圧不足など、レギュレーターの故障もキャッチしてスマホに通知してくれて便利だ。

キジマのバットチェック。バッテリーに取り付けるだけでスマホでバッテリーを見える化できる。

春のバイクシーズンを目前に控え、今のうちにバッテリーの健康状態を確認しておくが吉。次ページでは、このタイミングでバッテリー本体を交換したいライダーのために、最新バイク用バッテリーカタログをお届けする。

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