’19年9月に発表され、その後の東京モーターショーでも大きな話題を集めたホンダのコンセプトモデル「CT125」。ハンターカブを販売し続けて30年以上、CT専門店「モノチリンドロ」の夏川雅弘社長にインタビューを行い、日本におけるCTブームの隆盛と現況、そして今後について聞いた。
●まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、鶴身健 ●取材協力:モノチリンドロ ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
’90年代後半に大ブーム。生産終了後も相場は安定
ホンダ系販売店でメカニックをしていた夏川雅弘さんが独立してショップを始めたのは’87年、31歳だった。
最初は海外向けオフのXRなどを豪州から仕入れて販売。同時に取り扱っていたのがCT110だった。
「ファッションとか小物に相通じる雰囲気に惹かれたんです。ムダがないデザインと色が可愛いし、カッコイイ。他のバイクは1時間も眺めれていれば飽きますが、CTは今だに飽きません。こんなバイクは他にないですね」
やがて徐々にCT人気が高まっていき、専門店へとシフトしていった。
「特に’95年頃から東京を中心に売れ始めて、西宮からよく配送に出かけました。数年して、その人気が地方にも飛び火していった形です」
当時は、新車に希望通りのカスタムを施して納車する場合が多く、結果的に50〜60種類ものオリジナルパーツを開発&販売することになった。欠品もあるが、多くは今でも購入可能だ。
そして’12年、ついにCTが生産終了を迎えた。現在は、ごく希に新車が出るが、「流通在庫は減る一方。中古車を現地で仕入れ、きっちり整備して販売しているのが現状です」という。
人気は今も高く、相場はこの10年変わらず40万円台。純正部品はまだ供給されており、日本で購入できる。
「コストダウン重視の今と違って、CTの開発当時はコストをかけて差別化する時代でしたから造り込みがすごい。トラブルは特になく、メッキも丁寧。本当に長く乗れるバイクです」
CT125に関しては、前々から噂を聞いていたが、写真を見て驚いた。
「デザイナーさんは上手い。CTをよく研究しているし、センスもいい。毎日見ている自分でも同じに見えるほどですから(笑)。このまま出るなら、間違いなくヒットするでしょうね」
CT125が発売された際は、「ウチでも積極的に扱いたいです。長年のノウハウもあるので、ウチにしかできないパーツがあればぜひ作りたい。CT125はメッキが少ないので、その辺はアリでしょうね」と意欲を見せる。
最後に「新型が出てもCT110の魅力は変わらない。今後も扱い、メンテも続けていく」と夏川さん。近い将来、新旧CTオーナーにとってモノチリンドロは心強い味方になりそうだ。
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