元祖クチバシ系降臨

’20スズキV-ストローム1050/XT:名車DRの正統DNAを受け継いだデザイン

V-STROM1050/XT

2002年にまで遡るスズキのスポーツアドベンチャーツアラー・V-ストローム1000の系譜。現行モデルは2013年に新設計された1037㏄のエンジンにスズキ初のトラクションコントロールを積んで話題となった。そのVストローム1000が、名前も新たに「V-ストローム1050」となって’20年に新登場する。本稿では往年の名車DR750Sを継承したスタイリングを紹介する。

DRビッグデザイナーが本物のDNAを注ぎ込んだ

とにかく目を引くのは、往年のファクトリーラリーレーサー・DR-Z(ディーアール・ジータ)や、ファラオの怪鳥とよばれたDRビッグを彷彿とさせるデザインである。それもそのハズ。実はこの新型のデザイン担当は、DRビッグやDR-Zを手がけた宮田さん本人だったのだ。 

88 スズキ・DR750S  ’20 Vストローム1050はモチーフは元祖 “クチバシ”DR750S

近年、市場からはオフロードデザインの強化を望む声が強く、それに応える形でのデザイン刷新にふみきったとのことであるが、オフテイスト強化にあたってはDRビッグ系のデザインしか思い浮かばなかったという。 

V-STROM1050/XT
取り組んだのはオフロードテイストの強化、つまりDRビッグ化。それが一番よくわかるのが、タンクから着座部にかけての、ボンキュッボンというメリハリがつけられたグラマラスなライン。
V-STROM1050/XT
突き刺すような“クチバシ”のストレートラインこそが、DRビッグのアイデンティティ。特徴的なサイドスリットも新型へと受け継がれている。

思えばこのアドベンチャーマシンで流行りの〝クチバシ〞デザインはスズキが他社に先駆けてスタートしたもの。なんでも宮田さんが、本格ラリーマシンプロジェクトに参加した際にサハラ砂漠に寝転びながら考えたのが、この革新的なクチバシだったとか。

V-STROM1050/XT
右からポジション、ロー、ハイ。ヘッドライトユニットは従来型の縦丸ハロゲンから、角形となり光源もLED化。どうやら新型カタナと共通の筐体ユニットのようで、よく見るとXTが採用するLEDウインカーもカタナと同形状のものが採用されている。
V-STROM1050/XT
前後160mmのサスストローク、最低地上高などは変わらないが、フロントビューはずいぶんとオフロードテイストが増した印象だ。

カラーバリエーションはXTもSTDも3色展開

V-ストローム1050XT

V-STROM1050/XT
チャンピオンイエローNo.2
V-STROM1050/XT
ヘリテイジスペシャル
V-STROM1050/XT
グラススパークルブラック

V-ストローム1050

(上)グラススパークルブラック×パールブリリアントホワイト (下左)グラススパークルブラック (下右)グラススパークルブラック×ソリッドアイアングレー

次稿では、’20 V-ストローム1050/XTのスペックと主要装備について紹介する。

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