BMWのシングルベーシックモデル・G310を使ったワンメイクレース「G310トロフィー」。もともとはBMWの愛好家が始めた「ボクサートロフィー」にその端を発したものだが、「”競技会”ではなく”運動会”。みんなでゴールして笑顔で帰ってもらう」というコンセプトを持つ、誰でも気軽に参加できるレースだ。
レースキャリアに合わせた3つのクラス分け
2019年7月13日にツインリンクもてぎ(栃木県)にて開催されたこのレースには、「チャレンジ」「NEOSTANDARD(以下NST)」「もて耐」という3つのクラスが設けられた。このうちNSTともて耐は、もてぎと鈴鹿の各サーキットで開催されているレースの規則に従ったもの。一方、今回のG310トロフィーで新設されたチャレンジクラスは、文字通りG310でのレースが初めてというライダーのために設けられた。チューニングが制限されているため、ふだん乗っているバイクで楽しめるのが何よりも嬉しいところだ。
チャレンジクラス
チャレンジクラスの車両はノーマルが基本。イコールコンディションのため純粋に自分の腕でレースを楽しめる。ただしレース参戦のための最低限の準備は必要。ライト類やミラー、ナンバー、タンデムステップは取り外し、ゼッケンを装着する。また、オイルとブレーキ周りのワイヤリングと、オイル受けとなるアンダーカウルの取り付けは必須だ。
NEO STANDARDクラス
もてぎと鈴鹿で開催されるレースのNSTクラス参戦者を対象としたクラス。マフラーをはじめ一部のパーツの交換が可能。BSとDLのバイアスタイヤが指定されている。
もて耐クラス
ツインリンクもてぎで開催されるもて耐のNSTクラスで走る車両が対象。改造範囲が広くエーテックのG310SSカウルを装着した車両が多い。ラジアルタイヤの使用も可能。
50分の決勝レースは耐久レースの雰囲気たっぷり
決勝レースは50分の耐久形式で、1人もしくは2人のライダーで走る。レース前夜のパーティでは、このレースを主宰するBMWの武藤さんから、「コーナーでインは刺さない」といったマナーが徹底されるなど、レースビギナーでも安心して走れるように配慮がなされている。
パドックはレースだからといってギスギスした雰囲気はなく、ディーラーのお客さんたちも応援に駆け付けるなど和やかなムード。1時間に満たないレースながら、ルマン式スタートやライダー交代もあるなど、耐久レースの雰囲気を満喫することができる。なにより、G310Rというバイクの敷居が低く、このバイクさえ手に入れれば、誰でも楽しむことができるのが、このレースの最大の魅力だ。
女性も多いG310トロフィーの参加者
エーテック×ヤングマシン仕様『G310SS』も多数参戦!
エーテックとヤングマシンが共同で生み出した「G310SS」仕様のマシンも多数参加。この日はエーテックの宮崎明人社長(写真左)も、G310SSの走りを視察に訪れていた。右のマシンオーナーである武藤昇さん(写真右)は、BMWのエリアマネージャーであり、今回のG310トロフィーの立役者。1990年代から「ボクサートロフィー」の幹事を務めるなど、BMWによるアマチュアレースの陰の功労者だ。
※取材協力/A-bigMotorrad
●文:八百山ゆーすけ ●写真:真弓悟史
オートバイの写真をまとめて見る
関連する記事/リンク
本誌が描いた妄想CGが現実へ──。BMW・G310Rのフルカウル仕様を製作するプロジェクトが大きく前進し、ついにプロトタイプが完成した。 まるで"純正モデル?!"な見事な仕上がり パッと見て「S100[…]
3月22日(金)に開会した東京モーターサイクルショー2019(@東京ビッグサイト)。金曜日の「平日なのになんでこんなに人大杉?」に続き、土曜日の本日はあいにくの空模様だったにもかかわらず開場前から長蛇[…]
来たる3月22日(金)〜3月24日(日)、東京ビッグサイトにて「第46回 東京モーターサイクルショー」が開催される。我々ヤングマシン編集部は、本誌で取り扱ったさまざまな企画から生まれたカスタムマシンを[…]
カワサキの社員チームであるTeam38が輝かしい金字塔を立てた最高速チャレンジ仕様のNinja H2R。そのDNAを受け継いだストリート用カウルが、いよいよエーテックからリリースされる。これは本当の意[…]
一時は大きくラインナップを減らしたが、再び勢いを取り戻してきた400ccスポーツ。250より断然パワフルで、600クラスより扱いやすい。もちろん普通2輪免許で乗れるのもメリットだ。昨年は、生まれ変わっ[…]