新型2020年モデルの欧州&北米仕様が発表された

ホンダ 新型アフリカツイン“1100”が正式発表! 7馬力のパワーアップと5kgの軽量化でパフォーマンスを高めた

  • 2019/9/24

20YM Africa Twin

以前からウワサになっていたホンダの新型アフリカツインが、本誌既報通りの“1100”にフルモデルチェンジして登場だ! 単体で2kg以上軽くなったエンジンはユーロ5に対応しつつ7馬力のパワーアップを果たし、軽量な新型フレームの採用など車体も全面刷新。CRF1100Lアフリカツインは、オフロード性能とロングツアラーとしての資質に磨きをかけている。

パワーアップと軽量コンパクト化を果たしたアフリカツインシリーズ

ホンダが誇るビッグアドベンチャーマシン・アフリカツインがフルモデルチェンジを敢行し、機種名もCRF1000L→CRF1100Lアフリカツインへと改められた。従来はビッグオフローダーのSTDに対し、旅性能を増したアドベンチャースポーツという位置づけだったが、この棲み分けがよりハッキリしてきているようだ。………当記事では、まずベースモデルのCRF1100Lアフリカツイン(MT仕様とDCT仕様をラインナップ)を解説したい。

シャープな外観と高いオフロード性能を手に入れたアフリカツイン

欧州と北米で発表された2020年モデルのアフリカツインは、正式名称をCRF1100Lアフリカツインといい、その名の通り排気量を従来モデルの998cc→1084ccへと86ccの排気量アップを果たしている。最高出力は7%(約7馬力)、最大トルクは6%向上し、全域でのパフォーマンスアップを実現しながら、ユーロ5排出ガス規制にも対応した。また、さらにラリーマシン然としたシャープな外観を手に入れただけでなく、車体もフレームから刷新し、全体で5kgの軽量化とスリム&コンパクト化を達成している。

2018 CRF1000L Africa Twin

[2018年モデル]CRF1000L Africa Twin

2020 CRF1100L Africa Twin

[2020年モデル]CRF1100L Africa Twin

2018年モデルと2020年モデルの写真(ともに欧州仕様)を見比べてみると、まず重心から遠い部分のパーツに思い切ったコンパクト化を施しているのがわかる。象徴的なのはアッパーカウルで、ショートスクリーンになっただけではなく、カウル自体の上下長が短くなり、またヘッドライトユニットがステアリングヘッド側、つまり奥へと追い込まれている。燃料タンクはフレームとともにスリム化されつつ、容量は18.8L(欧州仕様の表記/国内仕様表記は18L)と変わっていない。サイレンサーのショート化、ボルトオン化されたアルミ製サブフレーム(従来は溶接による一体型フレーム)なども、マスの集中化に貢献する。一見するだけで、オフロードを含む走行性能の向上が容易に想像できるのだ。

よりアップライトなライディングポジション、アップルカープレイ対応やクルーズコントロールも

2018 CRF1000L Africa Twin

[2018年モデル]CRF1000L Africa Twin

2020 CRF1100L Africa Twin

[2020年モデル]CRF1100L Africa Twin

2018 CRF1000L Africa Twin

[2018年モデル]CRF1000L Africa Twin

2020 CRF1100L Africa Twin

[2020年モデル]CRF1100L Africa Twin

ライディングポジションにも、オフロードでの走りやすさを重視した変更が加えられている。前述のショートスクリーンは、狭いトレイルロードでも前方を視認しやすく、また身体を動かしても邪魔になりにくい設定。シートは850-870mmというシート高を保ちつつ40mmもスリム化。ハンドルバーは22.5mm高くマウントされ、スタンディングとシッティングのどちらでも快適にコントロールできるようになっている。

LEDのデュアルヘッドライトはマウント位置が高められ、デイタイムランニングライト(DRL)を備える(※日本仕様で採用されるかは不明)。標準装備のナックルガードも小型化されているが、オプションで手の甲側を延長するためのパーツもラインナップされるようだ。クルーズコントロールの新採用もトピックだろう。

20YM Africa Twin

よりアップライトなライディングポジションとなっている。また、シート上での前後の体重移動の自由度も増しているように見える。ライダーの身長は欧州からの提供写真のため不明。

2020 CRF1100L Africa Twin

左はデイタイムランニングライト、右はヘッドライト点灯時。スクリーンの短さやハンドルバーの高さ、ナックルガードのコンパクトさが際立つ。

2020 CRF1100L Africa Twin

メーターパネルはマルチインフォメーションディスプレイ=MIDと名付けられる。6.5インチのフルカラーTFTで、タッチスクリーン機能も搭載。走行モードなどの全てのシステムはここでコントロールできる。走行モードなどに応じて表示もカスタマイズ可能。グローブ着用時でも使いやすいという。表示するのはエンジン回転のほか、各種電子制御の状態、燃料残量計、水温、トリップ、平均燃費、平均速度、瞬間燃費など。時計や外気温計もある。また、下段にはモノクロ液晶の小窓もあり、ここに速度やギヤポジションインジケーター、オドメーターを表示。その周囲に各自インジケーターを配置している。

2020 CRF1100L Africa Twin

CRF1100Lアフリカツインでは“アップル・カープレイ”にも対応。iPhoneとブルートゥース接続することで、ヘッドセットからのナビゲーションアプリや電話機能の操作なども可能だ。MIDの右側にはUSB充電ポートも備える。また、左手でアプリ等を操作できるスイッチギアもオプションで設定。

ストロークアップで1084ccになった270度クランク並列2気筒エンジン

ユニカムやツインスパーク、セミドライサンプなどの特徴を持つ並列2気筒エンジンは、排気量アップを果たしつつ、マニュアルトランスミッション仕様でマイナス2.5kg(66.4kg)、DCT仕様でマイナス2.2kg(74.9kg)軽量化された。シリンダーボアは従来から変わらず92mmだが、ストロークを75.1㎜→81.5㎜とすることで86ccアップの1084ccに。圧縮比は10.0→10.1対1と、わずかに高められた。エンジンの軽量化に利いているのは、新たに採用されたアルミ製スリーブと、レシオと材質が最適化されたトランスミッションだ。

シリンダーヘッドは全面的に新しくなり、スロットルボディはφ46mmへと大径化された。スロットル駆動は電子制御のスロットルバイワイヤを2018年型から採用しているが、ECUセッティングは刷新され、インジェクターも設置角度をリファイン。マフラーはエキゾーストコントロールバルブ(ECV)を新採用し、低回転域のパルス感と高回転域のパフォーマンスをともに向上している。クイックシフターは従来通りオプション設定だ。

2020 Africa Twin Engine

オイルパンを薄く(低く)できるセミドライサンプ機構を採用する、270度クランク並列2気筒エンジン。写真はDCT仕様だ。

6軸慣性測定ユニット・IMUを採用し電子制御がレベルアップ

2018年のマイナーチェンジでスロットルバイワイヤ(TBW)を採用していたが、2020年モデルでは新たにボッシュ製MM7.10・6軸IMU(慣性測定ユニット)を搭載し、ホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC=いわゆるトラクションコントロールシステムに相当)によるリヤタイヤのグリップをさらにスムーズ化。コーナーなどの状況に合わせたきめ細かな制御が可能となり、より自然な制御の介入を可能とした。

パワーモードは4つのレベルから選択でき、エンジンブレーキは3レベルを設定可能。これに7段階のHSTCが加わり、オフロードにおけるリヤタイヤのスライド量まで好みに設定できるというからスゴイ。同様にIMUがピッチングの角度と加速度を測定することにより、ウイリーコントロールも可能となった。これは3段階が用意され、もっとも介入の少ないレベル1ではフロントホイールの離陸を許容するが、唐突な上がり方をしないように制御。介入度の高いレベル3では、いかなる状況でもフロントホイールのリフトを止めるという。

左右ハンドルのスイッチ。写真はDCT仕様だ。左手側は走行モードやアプリなどの操作を行う。右手側には、新たにクルーズコントロール用のボタン&スイッチが設置された。左下囲みはナックルガード延長キットだ。

走行モードは「ツアー」「アーバン」「グラベル(ダート)」「オフロード」「ユーザー1&2」の、プリセット4種類+ユーザー設定2種類だ。

デュアルクラッチトランスミッション=DCTは、通常のDモードに加え、3レベルのシフトスケジュールを持つSモードを持つ。Sモードではエンジン回転を高く保ち、シフトダウンも早めになる。また、従来からあるGスイッチはオフロードでのトラクションを向上するために使用。また、上り&下り坂に応じてシフトパターンも変化するほか、IMUによってコーナリングを検知し、状況に応じてシフトタイミングを最適化するという。

20YM Africa Twin Exhaust

サイレンサーをショート化したほか、エキゾーストコントロールバルブ(ECV)を採用し、低回転域では鼓動感のあるサウンド、高回転域では胸のすくようなパフォーマンスを提供する。

軽量フレーム、CRF450Rスタイルのスイングアーム、コーナリングABSなどを採用

車体はほとんどが新設計となり、新作フレームはメイン部分とサブフレームが分割された構造に。これにより、サブフレーム部分はアルミ製のボルトオンとなって軽量化を促進。スイングアームは剛性の高い“CRF450Rスタイル”に改められ、トラクションや接地感を向上した。また、IMUと連動することで可能となったコーナリングABSは、より確かなグリップ感を提供するだけでなく、オフロードでもしっかり機能するセッティングが施された。

フルアジャスタブルの前後サスペンションは引き続きSHOWA製を採用し、フロント230mm/リヤ220㎜のホイールトラベルと250mmの最低地上高は従来通り。ただし、ダンピングやスプリングレートなどは新型に最適化された新バージョンだ。

20YM Africa Twin Seat

アルミ製のボルトオン構造となったサブフレームは、従来型よりも40mmスリム化して195mmに。これによりシート自体の幅も40mmスリムになった。

20YM Africa Twin Handlebar

ハンドルバーはマウント位置を22.5mm上方に。ショート化されたスクリーンとあいまって、視界の開放感はかなりのもの。

20YM Africa Twin Rally Step

ステップは標準装備のラバーを取り外すことでオフロード仕様のワイドステップに。

20YM Africa Twin Rear Suspension

リヤサスペンションは手動式ダイヤルでプリロード調整が可能。リヤショックのピストン径はφ46mmだ。

20YM Africa Twin Suspension

φ45mmカートリッジ式倒立フォークはリヤショックとともにSHOWA製。トップブリッジは鋳造アルミ、アンダーブラケットは鍛造アルミ製だ。

20YM Africa Twin Front Wheel

フロント21インチホイール。ホイールトラベルは従来型を踏襲する230mmだ。ブレーキはφ310mmダブルディスクにニッシン製ラジアルマウント4ピストンキャリパーを組み合わせる。

20YM Africa Twin Rear Wheel

リヤホイールは18インチ。スイングアームはCRF450Rスタイルの高剛性デザインとなり、500gの軽量化と高剛性化を実現している。ホイールトラベルはこちらも従来型踏襲の220mmだ。

20YM Africa Twin

フロントまわりの剛性を最適化したメインフレームは従来型から1.8kgの軽量化を達成。車体全体では5kgの軽量化となる。最低地上高は250mmで従来と変わらず、ホイールベース1575mm、キャスター27°30′/トレール113mmなども実績のある従来の設定を踏襲している。

ホンダCRF1100Lアフリカツイン Specifications

【HONDA CRF1100L AFRICA TWIN】主要諸元■全長2330 全幅960 全高1395 軸距1575 シート高850/870(各mm) 車重226kg[DCT=236kg]■水冷4ストローク並列2気筒 SOHC4バルブ 1084cc 102ps/7500rpm 10.7kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量18.8L■タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70R18 ※諸元は欧州仕様 ●価格:未発表

20YM Africa Twin

CRF1100Lアフリカツイン、オプション装着車。写真の42Lのアルミ製トップボックスのほか、58Lのプラスチック製トップボックスもラインナップ。ローシート(825-845mm)、ハイシート870-895mm)、ツーリングスクリーン、ラジエターガード、エンジンガード&サイドパイプ、ナックルガードエクステンション(ナックルガード延長キット)、グリップヒーター、ACC充電ソケットが用意されている。

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)