軽量コンパクトな車体に、公道でも使い切れるパワー&トルクのエンジンを搭載。トイ感をたっぷり備え、自分好みに徹底カスタムするベースモデルとしても使いやすい。その扱いやすさから実用にも向いているが、のんびり一般道ツーリングするのもなかなか楽しい。小粒ながら日常生活やバイクライフに刺激を与えてくれる、スパイシーなカテゴリーだ!
- 1 気軽さのある走行性能と低めのランニングコスト
- 2 HONDA Monkey125[キュートで走れる猿]日常の足に使える安定感
- 3 KAWASAKI Z125 Pro[末弟でもZは鋭い]軽快な旋回性能が武器
- 4 HONDA Grom[扱いやすさに超笑顔]長めの軸距で高い安定感
- 5 PLEASURE h2[本物同様に刺激的]セパハン化で走りも変化
- 6 HONDA Super Cub C125[カブ式スポーツ仕様]高回転域を使いたくなる
- 7 HONDA Cross Cub 110[トレールに近いカブ]前後17インチの安定性
- 8 HONDA Super Cub 110/Street[日本人好みの走りに]熊本生産で質感も上々
- 9 HONDA CB125R[ぶん回す快感を!]250と共通車体のゆとり
- 10 HONDA CBR150R[曲がれる安心感]運動性と実用性を融合
- 11 SUZUKI GSX-R125[高回転だけじゃない]操る快感、操れる優しさ
- 12 GPX Demon150GR[ほどよいサイズ感]前後輪14インチを選択
- 13 KTM 125 Duke[際立つ車体のよさ]2017年型でフレームも改良
- 14 関連する記事/リンク
- 15 写真をまとめて見る
気軽さのある走行性能と低めのランニングコスト
このカテゴリーにはさまざまな機種が混在するが、共通するのは気軽さ。軽量な車体と扱い切れるパワーで、肩肘張らずにライディングを堪能できる。
ロードスポーツ系の場合、前後17インチ径のフルサイズホイールを履く機種と、前後12インチ径のスモールサイズモデルが多く、前者は軽量スリムながら余裕のある車格、後者はよりコンパクトで市街地での俊敏性に優れる走行性能が特徴となる。
排気量125cc以下の原付二種クラスは、税金が安くて任意保険をファミリーバイク特約でカバーできるなど、ランニングコスト面でのメリットも多い。駅前の原付二種以下用駐輪場を使用できるという魅力もある。一方で125cc超は軽二輪扱いとなり、いざというときは高速道路を利用できるという利便性を備えている。
アジア圏や欧州では根強い人気がある排気量帯で、現在も新型車投入やモデルチェンジが意外と盛んだ!
HONDA Monkey125[キュートで走れる猿]日常の足に使える安定感
50cc版の後継として2018年7月に新登場した原付二種モンキーは、50cc時代よりも大径の前後12インチホイールと長いホイールベースを採用することで、不安のない走行安定性を確保。足まわりのレベルも高められ、倒立フロントフォークはハードブレーキング時も奥まで粘る。ブレーキ自体も前後ディスク式となり、前輪のみにABSを搭載した仕様も設定。そのABSは、上の排気量帯に使われているものと感覚的には遜色ない作動性だ。
マニュアルクラッチ式4速のエンジンは、モンキーらしいトコトコ系のマイルドな特性ながら、スロットルを大きく開ければ意外とパワフル。幹線道路でクルマの流れに乗ることを苦にしない。車格は大きくなったが、手軽感はむしろ125のほうが勝っている。
KAWASAKI Z125 Pro[末弟でもZは鋭い]軽快な旋回性能が武器
かつてのKSR110用をボアアップし、FI化とマニュアルクラッチ化を施したエンジンは、レスポンス性も良好。マニュアルクラッチでバイクを操る楽しさも備えている。
ホイールは前後12インチ径で、やや直進安定性に欠ける傾向にあるが、コーナーでの倒し込みや切り返しは超軽快。その特性を理解した上で、レスポンスに優れるエンジンとマッチングさせながら操れば、鋭い旋回性を引き出しながらファンライドできる。サスペンションストロークはやや長めの設定。ブレーキは前後ともコントローラブルなので、車体の前後姿勢を積極的に変化させられる。ハンドルが低くステップが高めなストリートファイター的なライディングポジションで、街乗りでもサーキットでも楽しい。
HONDA Grom[扱いやすさに超笑顔]長めの軸距で高い安定感
低回転域から力強く、1速ごとの守備範囲は広め。スロットルレスポンスも良好で、マニュアルクラッチ操作の基本を学ぶのに最適な教材となっている。
前後12インチホイールに履かせたタイヤは太めで、ホイールベースも長めなので、レジャーバイクの域を超えた安定感。ハンドリングはニュートラルで、深いバンク角に至るまで手応えはほぼ変わらず、前後ディスクブレーキはコントローラブルだ。近未来的スタイルだが、走りは奇をてらっていない。
PLEASURE h2[本物同様に刺激的]セパハン化で走りも変化
愛知県のバイクショップ「プレジャー」が製作する、Z125プロをニンジャH2そっくりにカスタムしたモデルで、車名は「エイチ・ニ」と読む。
セパレートハンドル化されたことでフロント荷重が増し、ミニバイクレーサー的な軽快で旋回性の高いハンドリングとのマッチングが向上。エンジンはスタンダードのままだが、もともと吹け上がりのよい特性なので、ニンジャH2を彷彿とさせる要素となっている。車重増に対するパワー不足も感じない。
HONDA Super Cub C125[カブ式スポーツ仕様]高回転域を使いたくなる
スーパーカブのプレミアムバージョンとして2018年9月に発売されたC125は、意外なほどスポーツ志向。排気音はアイドリングから110よりも野太く、エンジン特性は発進直後や低速域では110と大差ないが、中高回転域での力強さに大きな違いがある。1速で40km/h付近まで引っ張らないと、シフトアップ時にパワーバンドから外れたような淀みを感じやすいこともあり、つい高回転域を多用した走りをしたくなる。
車体は、50~60㎞/h巡航時に前輪の落ち着きがあり、ややタメを持たせながら不安なくバンクしていく安心感。前後サスペンションには、硬いバネがしっかり踏ん張っているフィーリングがある。フロントブレーキはディスク式。これに馴染むと、110に採用されているドラム式はやはり頼りなく感じる。トコトコ系より、元気な走りが似合う。
HONDA Cross Cub 110[トレールに近いカブ]前後17インチの安定性
2018年の刷新時に50仕様も追加されたが、110なら30km/h制限や二段階右折などの縛りを受けず、タンデムもできる。ただしノーマルのままだと、タンデム用のステップは装備されるがシートはないので、本格的にタンデムするなら社外品のダブルシートに換装するなどの仕様変更を施したほうがよい。二人乗りでもパワーや制動力は十分だ。
自動遠心クラッチ式で、発進停止や変速時にクラッチレバーの操作はいらない。加速は低回転域から力強く、高回転域までフラットに伸びていく。幹線道路の速い流れをリードできるほどではないが、急な上り坂で不足を感じるようなこともない。
スロットルの開閉やブレーキングに対してスムーズにピッチングして、それをきっかけに倒し込める、トレール車の感覚に近いハンドリング。安定性とのバランスも絶妙だ。
HONDA Super Cub 110/Street[日本人好みの走りに]熊本生産で質感も上々
2017年11月に、生産拠点を中国から熊本製作所に移管しながらモデルチェンジ。全域で力強いエンジン特性や、3速の守備範囲が広めな4段変速機の仕様を踏襲しながら、自動遠心クラッチ式トランスミッションのスムーズ感向上や、シートから伝わる振動の低減など、随所に改良が施されている。
スイングアームのリヤサス装着部が補強され、サスの動きも改善。じつはほぼ新設計されたエンジンの違いほど明確ではないが、安定感が増したような印象がある。
HONDA CB125R[ぶん回す快感を!]250と共通車体のゆとり
ネオスポーツカフェ系の末弟として2018年3月に新登場。250とほぼ共通の車体はABSや倒立フロントフォークを備え、フロント110幅でリヤ150幅のラジアルタイヤも同じ。
このためブレーキに余裕がある一方で、ハンドリングは原付二種クラスとしては安定志向。エンジンは、スロットルをワイドオープンしたときの伸び上がり感がシャープだが、パワーのオンオフで自在に旋回を操れる感覚は薄く、そこが逆に、高度な操縦をライダーに考えさせる楽しさとなる。
HONDA CBR150R[曲がれる安心感]運動性と実用性を融合
今年フルモデルチェンジしたタイホンダ仕様。エンジンは、単気筒らしい明瞭な鼓動を伴いながら気持ちよく伸び、100km/h巡航も余裕でこなす。アイドリングからレッドゾーン付近まで、ほぼ全域が実用的だ。
ハンドリングも秀逸で、上級なパーツが使われているわけではないが、新作フレームを中心とした良好なバランスにより、どんな操縦でも車体を傾ければクルリと旋回する。スポーティなルックスだが、日常での扱いやすさに優れるエンジンと車体だ。
SUZUKI GSX-R125[高回転だけじゃない]操る快感、操れる優しさ
日本での発売は2018年1月。DOHC4バルブのエンジンは、6000回転付近から盛り上がり、レッドゾーンの1万1500回転に突入してからも唐突な頭打ち感がなく、エンジン回転数で車速を伸ばす楽しさに満ちる。
ただしこのエンジン、低回転域での扱いやすさも悪くない。1~2速でクラッチを切らずに超低速走行させても、的確なFI制御によりストールせず回り続けてくれるため、Uターンもしやすい。もちろん車体は軽量コンパクトで、旋回時の自在性にも優れる。
GPX Demon150GR[ほどよいサイズ感]前後輪14インチを選択
日本には今年上陸を果たしたタイブランドモデルだ。フルサイズとスモールサイズの中間となる前後14インチホイールを履いた、市街地での実用性にも優れる車格。セパレートハンドルながら前傾は緩めで、素直なハンドリング特性を備えている。前後ディスクブレーキのタッチも自然だ。
エンジンパワーは市街地を走るのには十分なレベルで、6速仕様なので最高速も結構伸びる。現代ではレアな存在となったキャブレター仕様で、これをイジる楽しさも。
KTM 125 Duke[際立つ車体のよさ]2017年型でフレームも改良
スモールデュークシリーズの頂点となる390と基本的には共通の車体は、2017年型の刷新時にフレームから改良された。出力に対してややハンドリングの重さを感じるが、原付二種クラスでフルサイズの車体に乗れて、LEDヘッドライトやフルカラー液晶メーターを備えているという優越感がある。
エンジンマネジメントが以前と比べてレベルアップされ、1万1500回転までキッチリ回るいっぽうで、低中回転域でもトルクがうまく発生させられている。
※表示価格はすべて8%税込です。
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