アグレッシブにモデルチェンジ

タイホンダ CBR150R ABS試乗インプレッション【高い旋回力と日常性。そのバランスが絶妙だ】

Thaihonda CBR150R ABS

タイホンダのCBR150Rがアグレッシブにモデルチェンジして、早くも日本に上陸。エンジン、シャーシともにブランニューで、装備も大幅にグレードアップ!

(◯)曲がれるという安心感。エンジンも実に優秀だ

今年フルモデルチェンジしたタイホンダのCBR150Rが、早くも日本に上陸した。ネイキッドのCB150Rと共通の149㏄水冷シングルは、インドネシアでは最高出力を17.1psと公称しており、タイ仕様も同等のスペックと思われる。

Thaihonda CBR150R ABS
フレームはツインスパーからCAE 解析による鋼管ダイヤモンドへ。ブレーキは前後ともウェーブタイプで、キャリパーはニッシン。ABSなしは44万2800円だ。【タイホンダ CBR150R ABS[2019]】主要諸元■全長1983 全幅694 全高1077 軸距1309 シート高787(各mm) 車重137kg(乾燥) ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ149cc 最大出力・トルク未発表 変速機6段リターン 燃料タンク容量12L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=100/80-17 R=130/70-17 ●価格:48万600円(ABSなしは44万2800円)●色:赤、レプソル

そのエンジンは、単気筒らしい明瞭な鼓動を伴いながら、気持ち良く伸び上がる。125ccクラスよりも一段と力強く、100km/h巡航も余裕でこなす。アイドリングのすぐ上からレッドゾーン付近まで、ほぼ全てが実用域と言えるほどフレキシブルで、これならどんなレベルの人でも扱いやすいと感じるだろう。

Thaihonda CBR150R ABS
フロントは無段階、リヤはカム式のプリロードアジャスターを採用。リヤサスはプロリンク式(左)。CB150Rと共通の149cc水冷DOHC4バルブ単気筒。ミッションは6段でクラッチは湿式(右)。

ハンドリングも優秀だ。どんな操縦であれ、車体を傾けさえすればきちんと舵角が付き、ぐんぐんと旋回する。前後のサスの作動性は決して質感の高いものではないし、タイヤもこのクラスの定番であるIRCの製品だが、新しいフレームを中心としたシャーシ全体のバランスが絶妙なのだろう。この必ず曲がれるという安心感は初代ニンジャ250Rを彷彿させるもので、多くの人が普段使いしながらライディングプレジャーを感じることができるだろう。

Thaihonda CBR150R ABS
シート高が787㎜と低い上にスリムなので足着き性は優秀。ハンドルが高くて近く、リラックスムードが漂う(身長175cm 体重62kg)。
Thaihonda CBR150R ABS
【灯火類をLED化。精悍な顔つきに】CBR250RRを彷彿させるフロントマスクに。灯火類をLEDとすることで被視認性と質感の両方が向上した。
Thaihonda CBR150R ABS
【フルデジタルメーターを新採用】ギヤポジションインジケーターや燃費計を採用したフル液晶メーターパネル。メインキーは盗難抑止のシャッター付き。

(△)軟質ステップラバーは好みが分かれるだろう

ステップのラバーが中空構造なのか、グニャグニャとした感触が車体との一体感を削いでいる。これを交換するだけで印象は変わるはず

(結論)こんな人におすすめ:ライバルは不在。このルックスで普段使いも可能

以前、CB150Rに試乗したときにも感じたが、このエンジンは実に街乗り向きで、高速道路も余裕でこなす。近しい排気量のフルカウル車はGSX-R125やKTM のRC125ぐらいしかなく、高速も走るという人には唯一無二の選択だ。

●写真:岡 拓
※取材協力:エンデュランス

※ヤングマシン2019年8月号掲載記事をベースに再構成

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