オフロードだけじゃなく役に立つブレーキング

[#3 曲がれる速度まできっちり落とす]小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント #ゴー・ライド

  • 2019/7/23

令和とともに創刊した「オフロードマシン GoRIDE(ゴー・ライド)」がWEBヤングマシンに登場だ。オフロード総合雑誌として30年以上の実績のある編集部が、ホンダワークスライダーとして全日本トライアルなどで活躍した小林直樹師範としてオフロードマシンのテクニックを5つのポイントにわけ紹介する。第3回は、オフロードライディングで役に立つブレーキングテクニックだ。じっくり読んでポイントを理解したら、ゴー・オフロード!!

オーバーランには原因がある!? ブレーキング編

ブレーキングが苦手という人は多い。でも、なぜ苦手と感じるのだろうか? その原因を探して、対処方法が分かれば、ブレーキングは怖くなくなる。

小林直樹が教えるオフロードを楽しむ5つのポイント

師範:小林直樹 Naoki Kobayashi ホンダワークスライダーとして全日本トライアルに参戦。引退後はトライアルデモンストレーターとして全国各地のイベントで、トライアルの魅力を伝えてきた。ライディングスクールも全国で開催し、オフロードライディングの基礎を分かりやすく伝えることには定評がある。

一度のブレーキングで曲がれるスピードに落とす!

「ブレーキングは停止や減速するために行なう操作だけど、たとえば街中で停止する時に、停止線オーバーすることはそんなにないよね? 制限速度があって、信号やまわりの交通の流れもあるけれど、そうした状況を総合的に判断して自分のスピードをコントロールしているから、ね。

それなのに、林道やコースのコーナリングになるとオーバーランしがちなのはどうしてだろう? それはつまり、オーバースピードでコーナーへ進入しているから。ダート路面は舗装路よりも滑りやすく、制動距離も長くなりがちだ。またコーナー手前のブレーキングポイントはギャップができやすく、路面が荒れていることが多い。だからダート路面でのブレーキングには舗装路よりもシビアなコントロールが求められ、それが苦手に感じる原因となるんだ。

とはいえ、ダート路面と舗装路でブレーキングの方法自体は変わらない。ブレーキをかけるとサスは縮み、そこからギャップなどでさらにストロークすると、底突きしてバランスが崩れる。マシンは不安定な状態だから、とくに荒れたダートではブレーキングしている時間を極力短くするのがポイントになるんだ。そこで、エンジンブレーキを併用し、自分がコーナリングできるスピードまで、一度のブレーキング操作で落としてやる。コーナーへ進入する前の直線部分(アプローチ部分ともいう)でブレーキングを終わらせておくことで、安定したコーナリングにつながる。ブレーキングとコーナリング進入はリンクしているんだよ」

実践! 地味に見えてもスムーズなのが一番速い!

30km/h程度でアプローチ。

アクセルを戻してエンジンブレーキを使う。

そして、前後ブレーキをかけて自分が曲がれるスピードまで減速する。フロントブレーキはロックしないギリギリまで一気にかけるのがポイントだ。路面状況やタイヤパターンでグリップ力は変わるので、さまざまな路面を走り込んで、ロック寸前の接地感を身体に覚え込ませるしかない。

フロントブレーキをかけたことで、フロントサスが縮んでいるのが分かる。ハンドルを真っすぐにするのも重要。ハンドルが切れているとロックに近い状態となり、即転倒につながるからだ。

前後ブレーキを緩めてブレーキング終了。顔をコーナー出口に向ける、イン側のステップを踏み込む、アウト側のヒザをイン側にはたき込む、ハンドルを切るといった動作(どれかひとつでも複数の組み合わせでもいい)をして、マシンの向きを変えるキッカケにする。重要なのはブレーキングを終えてから行なうこと。

ブレーキレバーを放して、フットブレーキからつま先を外しているのが分かる。イン側の足を出し、アウト側のヒザをイン側に入れて向きを変えるキッカケにしている。

ライダーがコントロールしていれば、マシンが勝手に倒れ込んでいくのではなく、マシンを倒し込める。

マシンが傾き、スムーズに向きを変えていっている。

オーバースピードはコントロール不能

40km/h~でアプローチ。

エンブレを併用し、フルブレーキング。フロントサスは縮み、リヤタイヤはロックしている。

フロントサスがフルボトムしているのが分かるだろうか。

スタンディングからシッティングに移行しているのは、リヤタイヤに荷重するため。しかし、まだスピードが落ち切っていないので、ブレーキングしている。路面グリップのいい舗装路なら減速できたかもしれないが、ダートでは握りゴケ(フロントロックからの転倒)の危険性が高くなる。

ブレーキングが終わってないのでフロントサスは縮んで(荷重されて)いる。ここでハンドルを切ると一気に切れ込みやすく、また、荷重がかかっているので戻すのも難しい。つまりハンドル操作ができない状態なのだ。だから足を出してもマシンは直進していく。

マシンはほぼ直立している。ブレーキングが終わらず、足を出してもマシンの向きは変わっていない。

マシンの向きを変えられず停止。ここが林道のコーナーならオーバランで谷底に転落だ……!

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ゴー・ライド編集部

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