第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

人とくるまのテクノロジー展2019[#01]

ホンダの新作EV ESMOコンセプトはこのデザインで原付版も欲しい?!

  • 2019/5/23

2019年5月22日からパシフィコ横浜で開催されている人とくるまのテクノロジー展2019に、ホンダが初公開のESMO Conceptを出品した。電動カート、いわゆるシニアカーのコンセプトモデルだが、こんな原付があってもよさそうなデザインだ。

PCXエレクトリックと同じバッテリーを使用

道路交通法では歩行者として扱われる電動カートのコンセプトモデルをホンダが初公開した。ホンダでは従来「モンパル」という4輪の電動カートを発売していたが、現在は絶版。モンパル(ML200)は、24Vの鉛バッテリーを搭載し約25kmの航続距離を実現していたのに対し、ESMOはPCX ELECTRIC(エレクトリック)と同じ1個48Vのリチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack(ホンダモバイルパワーパック)」を搭載し、約45kmという航続距離を実現している。シニアカーとして使用するには電源容量がオーバースペックぎみということで、AC100V電源やUSBソケットも装備し、屋外用電源としても活用できるようになっている。

車体構成はフロント2輪の3輪で、デザインばズーマーのようなイメージもある。また、3輪では1984年に発売された原付モデルのロードフォックスにも通じるコンセプトとも言えそう。ESMOは最高速が6km/hの電動カートとして考案されたものだが、同じコンセプトで原付仕様を開発しても話題になりそう。そうすれば、ホンダが推進するホンダモバイルパワーパックのさらなる普及も図れるかも知れない。

【HONDA ESMO Concept 人とくるまのテクノロジー展2019出品コンセプトモデル】5月22日に横浜で世界初公開された電動カートのコンセプトモデル。前2輪の3輪に自転車サドル風のシートで軽快な車体構成とし、シニアカーを敬遠する層にも訴求するデザイン性を追求しているのも特徴だ。

48Vのホンダモバイルパワーパック(約10kg)は足元の蓋を開けると横に寝かせる形で収納(右下図の青い物体)されている。スクーターなどでは燃料タンクの位置に配置しており低重心化に貢献。駆動はDCブラシレス1モーターとなる。

AC100V電源に加えUSB出力端子を4連装。アウトドアだけでなく非常用電源としても重宝しそうだ。右にあるのは車体側の充電ポート。バッテリーは脱着式なので取り外しての充電も可能だ。

バッテリー残量などのメーター機能はスマホにも表示可能。スマホがなくても左右スイッチ部に情報が表示されるので問題ない。一般の原付モデルでも使えそうなアイディアだ。

ブロックパターンのタイヤやフロントキャリアも装備し電動カートにしてはワイルドなデザイン。流行のSUV的な要素も盛り込んでいるようだ。

【HONDA ROAD FOX(ロードフォックス) 1984年 当時価格:13万9000円】3輪の安心感と2輪車の軽快さが味わえるスリ―ターシリーズの1台でジャイロXなどと並んで発売された。こちらは後2輪だが、ESMOに通じるコンセプトが感じられなくもない?!

ベンリィエレクトリックは2020年にリリースか

5月22日から始まった人とくるまのテクノロジー展2019横浜でのホンダブースは『カーボンフリー社会の実現を目指すHondaの「移動」と「暮らし」の喜びを提供する最新電動化技術』がテーマ。表に面してPCXエレクトリックが飾られ、その電源としても活用されるホンダモバイルパワーパックの実物や充電器なども多数展示されていた。狙いはパワーパックの知名度アップや普及にあると見られ、これが幅広く利用されることにより調達コストを抑えることができるだけでなく、市場で優位に立つことができるのだ。

そしてそれを推し進める一手となる次なる電動スクーター「BENLY ELECTRIC(ベンリィエレクトリック)」についても、2020年に登場するという予告が行われた。3月の東京モーターサイクルショーで初公開された時点では未定とされていたのが一歩前進した形となる。ベンリィエレクトリックは、PCXエレクトリックと同様にホンダモバイルパワーパックを2個搭載できるようになっており、原付1種(~50cc)と原付2種モデル(~125cc)が用意されることが見込まれている。リースされるのか小売かなどは不明だが、ベンリィは新聞配達などにも使用されるビジネスモデルなのでより一層の普及が見込めるだろう。

ホンダの電動2輪の取り組みの2020年にベンリィエレクトリックが位置づけられていた。

【HONDA BENLY ELECTRIC 2019年東京モーターサイクルショー出品コンセプトモデル】3月22日のプレスカンファレンス時のみ公開された電動のベンリイ。PCXエレクトリックと同じホンダモバイルパワーパックを2個搭載した96V系のシステムとなっている。

【HONDA PCX ELECTRIC 2018年型】2018年11月からリース販売が開始されたPCXエレクトリック。ホンダモバイルパワーパックをパックをシート下に2個収納し41kmの航続距離を実現。満充電には6時間かかる。原付2種規格で最高出力は5.7psだ。

ホンダはインドネシアでバイルパワーパックを供給する充電ステーション(写真左と右上)を数十箇所設置し、複数個のモバイルパワーパックを同時に充電しておくことで、充電済みのものを随時提供するという実証研究を行っている(写真右上)。国内では2輪4メーカーがバッテリー規格の統一を目指す組織体をスタート(写真右下)させているが、優位なのは実績があり検証が進んでいるホンダ式と言えるだろう。

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いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)