2019年5月22日からパシフィコ横浜で開催されている人とくるまのテクノロジー展2019に、ホンダが初公開のESMO Conceptを出品した。電動カート、いわゆるシニアカーのコンセプトモデルだが、こんな原付があってもよさそうなデザインだ。
PCXエレクトリックと同じバッテリーを使用
道路交通法では歩行者として扱われる電動カートのコンセプトモデルをホンダが初公開した。ホンダでは従来「モンパル」という4輪の電動カートを発売していたが、現在は絶版。モンパル(ML200)は、24Vの鉛バッテリーを搭載し約25kmの航続距離を実現していたのに対し、ESMOはPCX ELECTRIC(エレクトリック)と同じ1個48Vのリチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack(ホンダモバイルパワーパック)」を搭載し、約45kmという航続距離を実現している。シニアカーとして使用するには電源容量がオーバースペックぎみということで、AC100V電源やUSBソケットも装備し、屋外用電源としても活用できるようになっている。
車体構成はフロント2輪の3輪で、デザインばズーマーのようなイメージもある。また、3輪では1984年に発売された原付モデルのロードフォックスにも通じるコンセプトとも言えそう。ESMOは最高速が6km/hの電動カートとして考案されたものだが、同じコンセプトで原付仕様を開発しても話題になりそう。そうすれば、ホンダが推進するホンダモバイルパワーパックのさらなる普及も図れるかも知れない。
ベンリィエレクトリックは2020年にリリースか
5月22日から始まった人とくるまのテクノロジー展2019横浜でのホンダブースは『カーボンフリー社会の実現を目指すHondaの「移動」と「暮らし」の喜びを提供する最新電動化技術』がテーマ。表に面してPCXエレクトリックが飾られ、その電源としても活用されるホンダモバイルパワーパックの実物や充電器なども多数展示されていた。狙いはパワーパックの知名度アップや普及にあると見られ、これが幅広く利用されることにより調達コストを抑えることができるだけでなく、市場で優位に立つことができるのだ。
そしてそれを推し進める一手となる次なる電動スクーター「BENLY ELECTRIC(ベンリィエレクトリック)」についても、2020年に登場するという予告が行われた。3月の東京モーターサイクルショーで初公開された時点では未定とされていたのが一歩前進した形となる。ベンリィエレクトリックは、PCXエレクトリックと同様にホンダモバイルパワーパックを2個搭載できるようになっており、原付1種(~50cc)と原付2種モデル(~125cc)が用意されることが見込まれている。リースされるのか小売かなどは不明だが、ベンリィは新聞配達などにも使用されるビジネスモデルなのでより一層の普及が見込めるだろう。
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