アンダー1000ccの好バランス

令和に買いたい!【ミドル アドベンチャー|NC750X、Vストローム、トレーサーほか】2019ニューモデル大集合

オンロードとオフロードの双方をカバーし、とにかく「旅力」が高いアドベンチャー。近頃人気のカテゴリーで、舗装路での巡航性能を重視したモデルがメインストリームとなっている。そんな中、フロント17~19インチホイールの中量級アドベンチャーをベストバランスと感じるライダーも少なくない。

フロント17~19インチホイールが揃い、乗り味も個性あり

カテゴリーの日本トップセールスを誇るトレーサーは、大ヒットを飛ばしたMT-09の兄弟車。2018年には早くもマイナーチェンジしているほか、ツーリング適性を高めたGTもラインナップする。標準的なSTDとヘビーデューティなバリエーションモデルという展開は、排気量帯を問わずアドベンチャーモデルの常道となってきている。

残念ながらトレーサー700は国内導入予定がないが、玄人好みの名車と名高いVストローム650はカラーチェンジで魅力をアップ。NC750Xがマイナーチェンジでホンダセレクタブルトルクコントロール(いわゆるトラコン)を装備したのもトピックだ。

本格アドベンチャーに、オン×オフのクロスオーバーと、それぞれの立ち位置が少しずつ異なっている。個性豊かな外国車まで加えると、愛車選びには嬉しい悲鳴が上がりそうだ。

ヤマハ トレーサー900/GT:スポーツ性と快適性を共存させたツアラー

アルミ製フレームに並列3気筒エンジンを搭載したネイキッドのMT-09をベースに、前後17インチホイールのままアドベンチャースタイルを確立。ツーリング性能強化版のGTは、フルアジャスタブルの倒立フロントフォーク、油圧プリロード調整機構付きのリヤモノショック、クイックシフターやクルーズコントロール、グリップヒーター、フルカラーTFTメーターを標準装備する。両仕様とも、LEDヘッドライトや10段階調整式スクリーンを採用。’19年2月には、両仕様にグレーの新色が加わるなどの車体色変更を受けた。

【YAMAHA TRACER900 GT 2019】主要諸元■水冷4スト並列3気筒 845cc 116ps 8.9kg-m 215kg 18L シート高850/865mm ●価格:119万8800円
スタンダードのメーターは2分割構造。モノクロ表示ではあるが、別売グリップヒーターの動作表示にも対応するなど、機能は多い。対してGTは、1画面のフルカラータイプで、鮮やかな表示によりギヤ段数や残燃料などがより確認しやすい。
GTには、シフトアップ時のみ対応するクイックシフトシステムが標準装備され、ツーリング時のクラッチレバー操作回数が削減できる。
タンデム時や荷物積載時に、特別な工具なしでリヤサスのプリロードを簡単に調整できる油圧リモートアジャスターを、GTのみ搭載する。
[TRACER 900]2015年の登場時はMT-09トレーサーを名乗っていたが、’18年型での刷新時に車名が変更され、GTも追加された。スタンダードはこの際に、スイングアームの60mm延長や新シートの採用、外装デザインやハンドルなどの見直しが施された。
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TRACER 900

ヤマハ トレーサー700/GT:海外市場のみで展開するシリーズ

プラットフォームベース車としての役割も担う、ネイキッドのMT-07が開発ベースで、スタンダードは’16年春発表。’19年型では、大型化で防風性が高められたスクリーン(スタンダード同様に位置調整が可能)や、快適性が向上されたシート、20L容量のボディ同色パニアケースを標準装備したGT仕様が追加された。スタイリッシュなハンドガードやブレース付きハンドルバー、鋼管製フレームなどはシリーズ共通だ。

【YAMAHA TRACER700 GT 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 689cc 74.8ps 6.93kg-m 196kg 17L シート高835mm ●入荷予定なし
スタンダードは’19年型で車体色変更。シリーズ共通のメーターは、MT-07から基本デザインが踏襲されたフル液晶デジタル表示タイプ。
[TRACER 700]●入荷予定なし
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スズキ Vストローム650/XT/XTツーリング:適度なパワーと車格が最大の長所

アルミ製フレームに、水冷90度Vツインエンジンを搭載。2モード+オフのトラコンや、3段階調整式スクリーンを備える。XTは、前後19/17インチのタイヤサイズはそのままに、ホイールをチューブレス仕様のワイヤースポーク型に換装して、ナックルガードとエンジンアンダーカバーを追加してある。欧州で’19年型として発表されたXTツーリングは、パニアケースやパイプ製の車体ガード、センスタを標準装備する。

【SUZUKI V-STROM650 XT 2019】主要諸元■水冷4ストV型2気筒 645cc 69ps 6.2kg-m 215kg 20L シート高835mm ●価格:95万400円
[V-STROM650]’19年型国内仕様のスタンダードとXTは、カラー&グラフィックの変更のみとなる模様。●価格:90万7200円
[V-STROM650 XT TOURING]現在のところXTツーリングの導入アナウンスはない。●入荷予定なし
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SUZUKI V-STROM 650/1000XT ABS [2019]

ホンダ VFR800X:開発ベース車両はスポーツツアラー

回転数に応じてバルブ駆動数が2⇔4 に切り替わる水冷V4エンジンを、アルミ製フレームに搭載するフルカウルスポーツツアラーのVFR800Fを、前後サスや外装類などの変更でアドベンチャーのルックスに。’18年12月には、車体色が赤のみとなり、ETC車載器が2.0にバージョンアップした。

【HONDA VFR800X 2019】主要諸元■水冷4ストV型4気筒 781cc 107ps 7.9kg-m 246kg 20L シート高815/835mm ●価格:147万3120円

ホンダ NC750X/DCT:実用性も高めた気軽なナナハン

低回転域まで実用できるエンジンや鋼管フレームなどを、他のモデルと共通化。通常なら燃料タンクとなる位置に22L容量トランクを備える。クラッチ操作のいらないDCT仕様も設定。’18年11月には、ABSとグリップヒーター、2段階+オフのセレクタブルトルクコントロール(トラコン)、ETC2.0車載器が全車標準装備となった。

【HONDA NC750X/DCT 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 745cc 54ps 6.9kg-m 221kg 14L シート高800mm ※諸元はSTD ●価格:STD=88万4520円/●DCT=95万400円
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