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ホンダ人気の原付二種×5台イッキ乗りテスト#6〈最終評価編〉

  • 2019/4/12
ホンダ原付二種×5台イッキ乗りテスト

法定最高速度は60km/hで二段階右折不要など、なにかとメリットの多い原付二種。このクラスに個性的な13機種を投入しているホンダ車から5機種(モンキー125、CB125R、クロスカブ110、グロム、PCX)をピックアップし、往復240kmの下道ツーリングテストを敢行した。連載最終回となる本稿では、すべてのテスト結果から見えてきた各車のキャラクターについて紹介するとともに、あらためて感じた原付二種のメリット・デメリットと、このジャンルの今後について考えた。

↓【#5:巡航性能編を読む】↓

どれも魅力的、だからこそ使い方を明確にして選べ!

今回のツーリングテストの最終目的地は千葉県木更津市で、普段なら東京都台東区の編集部を出発し、首都高や東京湾アクアラインを経由して行くのだが、このルートは自動車専用道路なので原付二種は通行不可。そこで、東京湾をグルッと迂回することに。集合は朝6時。平日の通勤ラッシュの中を下道で移動するという、なかなかにハードなテストとなったが、いざスタートしてみたら思いのほか楽しく、予定よりも早くに現地に到着したのだ。

通勤渋滞の中で最も多く見掛けたのはPCXで、まだ旧型が多いとはいえ新型もチラホラ。荷物がたくさん積載できるうえに幹線道路の流れをリードでき、ハンドリングもブレーキも扱いやすい。同じ状況で乗ってみて、あらためてPCXの優秀さを痛感した。

注目のモンキーは、ベースとなったグロムと同様に幹線道を走るうえで十分な動力性能を有し、特に不足を感じなかった。この2台は12インチという小径ホイールゆえに、轍やギャップでハンドルを取られやすいというネガはあるものの、エンジンは低回転域から扱いやすく、ブレーキもコントローラブルで、意のままに操れる。たまにグロムにトップケースを付けて走っているライダーを見掛けるのだが、確かにこれなら通勤も楽しくなるはずだ。

クロスカブは排気量がわずかに少ない分、他の4車よりも発進加速で遅れがちなのと、シフトペダルの操作が雑だと変速ショックが大きいのが難点だが、モーターサイクルの原点に立ち返ったようなハンドリングはカブシリーズでしか味わえないもの。前後ドラムブレーキは強力ではないが、コントロール性はディスクと同等レベルだ。

CB125Rは、混雑した環境ですらスポーツマインドがかき立てられるという稀有な存在で、これを通勤のために入手するのはかなりの贅沢だ。

原付二種は自動車専用道路を走れない。だが、最大のデメリットはその程度で、燃費の良さや取り回しのしやすさなど、メリットはそれを補って余りあるほどだ。これからさらに広がりそうな原二ワールド、あなたもぜひ!

モデル別キャラクターチャート&寸評

【モンキー125】125ccエンジン搭載の新世代モンキーは先代の面影を残しつつも大きく進化した

先代を一時期所有し、それなりにカスタムを楽しんだり、ワンメイクレースにのめり込んだという過去があるため、モンキーのフルモデルチェンジは楽しみでもあり不安でもあった。今回の新型は、幹線道路を安心して走れるだけの動力性能と安定性、ブレーキ性能を有しており、まずはホッとした。フロントのみのABSも作動性に不満はない。個人的に気に入ったのは、先代のクイックに過ぎる挙動が、ビギナーに不安を感じさせないレベルで再現されていたこと。分厚いシートによるウレタンのズレ感も含め、非常に懐かしい気持ちになった。

HONDA MONKEY [2018]

HONDA MONKEY [2018]

【CB125R】走りを語れるプレミアムな原二スポーツ。この価格がお買い得とすら思えるほど

CB-Rシリーズの末弟ながら、誰もが原付二種だと分からないであろう存在感を放つCB125R。優れた剛性バランスのシャシー、動きのいい足まわり、接地感の高いハンドリング、シャープに吹け上がる水冷シングルなど、どれをとっても明らかにクラスを超えている。44万8200円という価格は今回の5台の中で最も高いが、この走りを体感するとむしろリーズナブルにすら感じられる。タンデムシートが狭いので、大きなシートバッグやサイドバッグを装着してのツーリングはやや苦手だが、軽装備で半日ワインディングロードを楽しむなら最善の選択になろう。

HONDA CB125R [2018]

HONDA CB125R [2018]

【クロスカブ110】自動遠心クラッチによるイージーライド。楽しくも味わい深い空冷シングルに酔う

自動遠心クラッチとシーソー式チェンジペダルという特殊な変速システムを採用するクロスカブ。これに慣れるというハードルはあるものの、牧歌的なエンジンフィールと、多少シフトミスしても粘り強く進んでくれる特性は、距離を延ばすにつれて愛おしくなってくる。フレーム剛性、サスセッティングともにしなやかで、これらによりダート走行を神経質にならずに楽しむことができる。リヤキャリアにたくさん積んでのキャンプツーリングから、日常的な通勤通学まで幅広く対応できるほか、さらにカスタマイズも自由自在。とことん遊べる原付二種だ。

HONDA CROSS CUB 110 [2018]

HONDA CROSS CUB 110 [2018]

【グロム】レジャー系を再定義し、レースも視野に。マニュアル変速車の間口を広げた立役者

若者をターゲットに刺激的なミニバイクとして開発されたグローバルモデルのグロム。スーパーカブシリーズから派生した空冷エンジン、4段マニュアルミッション、前後ディスクブレーキなど、どれをとってもビギナーが扱いやすいように設計されており、スクーターしか知らなかった若者が初めて触れるモーターサイクルとして、自信を持ってお勧めできる。モンキーのベースではあるが、エンジン、ハンドリングともにうまく差別化が図られており、そこにホンダの本気を感じた。ことハンドリングについては、モンキーよりもこちらのほうが好みだ。

HONDA GROM [2018]

HONDA GROM [2018]

【PCX】1ランク上の走りを創造したスクーター。知れば知るほどに価格設定の安さに驚く

スクーターは足代わりだけではないことを証明したPCX。今回のツーリングテスト、特に疲労が蓄積した復路では参加したメンバーが奪い合うほどの人気で、巡航時の快適性では文句なしにナンバー1だった。一方で、ヘルメット+αが収納できるラゲッジボックス、扱いやすいコンビブレーキ、スマホなどが充電できるアクセサリーソケット、スマートキーなど、他の4車よりも明らかに便利な装備が充実している。高級感のあるスタイリングも含め、これが34万2360円というのは非常にお買い得。PCXが売れに売れている理由をあらためて思い知らされた。

HONDA PCX [2018]

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●写真:真弓悟史

※ヤングマシン2019年9月号掲載記事をベースに再構成

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大屋雄一

大屋雄一

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紙面版にて厳正なる新製品テストを担当するベテランジャーナリスト。