新たに電動のコンセプト2機種も発表

ハーレーの電動バイク「LIVEWIRE(ライブワイヤー)」は2万9799ドル(約321万円)から

ハーレー・ダビッドソンの電動モーターサイクル「ライブワイヤー」が米ラスベガスの家電見本市・CES2019に登場、スペックなど詳細のほか、アメリカ国内での価格が2万9799ドル(約321万円)からと発表された。今秋の発売に向けての予約受注もスタートする。

リッターSSに匹敵する加速力

2014年にプロトタイプ「プロジェクト・ライブワイヤー」として産声を上げたハーレーの電動バイクが、いよいよ発売へのカウントダウンに入った。今回発表されたのは価格に加え、0−60マイル(≒96km/h)が3.5秒の加速能力に、1回のフル充電で110マイル(≒176km)という航続距離、さらには日本のパナソニックとコラボしたスマホ連携機能を搭載することなどだ。

車重やモーター出力などは未発表ながら、3.5秒という0−60マイル加速は現行型1000ccスーパースポーツの実測値(多くが3秒台前半〜中盤に収まる)と同等という強烈さだし、1充電あたりの航続距離はBMWのCエボリューション(160km)を上回るから、ライブワイヤーは“過去最強・最速の量産電動バイク”と称しても過言ではないだろう。

注目のコネクテッド機能「H-D Connect」は、バッテリー残量や要充電時間をスマホで確認したり、最寄りの充電スタンドの検索ができるほか、車体に内蔵されたGPSを用いて盗難時の追跡機能を有する点などが興味深い。IMUを備えたコーナリングABSやトラクションコントロールなど、最先端の電子制御を搭載することを考えれば、ハーレー・ツーリングファミリー並の300万超という価格も納得だ。

モーターをあえて縦置きし、動力軸の向きを90度変えるベベルギアを設けることで、ギヤ鳴りとモーター音をミックスしたサウンドを意図的に発生させる点など、ライブワイヤーは既存の電動バイクとは異なる“FUN”の追求が各部に見られる。アルミフレームや前後のショーワ製フルアジャスタブルサス、17インチのミシュラン製ラジアルタイヤなど、現行ハーレーで最もスポーティな車体構成は、電動バイクの新たな世界を見せてくれるはずだ。

※現状、ライブワイヤーの日本導入や価格についてはすべて未定。

【ハーレーダビッドソン・ライブワイヤー】ブレンボのラジアルマウントキャリパーに加え、前後17インチタイヤは前120、後180の最新ハイグリップ対応サイズと、足まわりはかなりの本気印。ヘッドパイプ下にあるのはプロトタイプにも存在した、モーター冷却用のオイルクーラーと思われる。
ライポジも既存ハーレーとは全く異なるスポーティなもの。電動ながら、その立ち位置はむしろビューエルに近い!?
リヤショックはショーワ製BFRC lite。最新SSにも用いられるハイパフォーマンスショックだ。
低重心を狙い車体最下部に配されるモーター。デザインは4輪ドラッグマシンのスーパーチャージャーがモチーフ。
コネクテッド機能を持つだけに、メーターにはフルカラー液晶を採用。画像を見る限りはナビも表示できるようだ。
連動するスマホにはバッテリーの状態や走行距離を掲示。盗難時には警告なども表示される。

↓2014年のプロト車「プロジェクト・ライブワイヤー」走行動画

次の電動ハーレーはコミューター?

CESではライブワイヤーに加えて、2つの軽量電動バイクのコンセプトも発表された。見ての通りバイクよりもむしろ自転車に近く、かたやマウンテンバイク、かたやビーチクルーザーを電動化したようなデザインが特徴。短距離の移動を想定したコミューターモデルだ。

車名すら未発表のこれらのモデルは、2018年7月にハーレーが2020年までのニューモデル戦略を発表した際、公開した動画内でイラストやモックアップとしてチラ見えしていたもの。ハーレーはライブワイヤーを皮切りに電動バイクのラインナップを拡充していくことを公言しているが、その意志を改めて示したものと言っていいだろう。

ハーレー電動コンセプト・その①
ほぼマウンテンバイクと言えるデザインながら、燃料タンクらしいモチーフも存在する点がユニーク。バッテリーは着脱式か。
ハーレー電動コンセプト・その②
LEDのリング式と思しきヘッドライトは、ダイソンの送風機のように中心が筒抜けのデザイン。斬新!
バッテリー&モーターの上部には大きな空間が存在。ラゲッジスペースとして使う想定のようだ。

↓ハーレー・2019〜2022年モデル紹介動画

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