雰囲気は似ているが中身は?!

XSR700とXSR900を比較試乗

  • 2017/12/10

2016年に国内で発売されたXSR900に続いて、2018年モデルとしてXSR700が11月6日に発売された。ともにMTシリーズをベースに外観を付け替えたネオクラシックモデルでスタイルが似ているだけにどちらにするか悩むところだが、乗ってみると全く異なるキャラクターだった。前記事のZ900RSに続いて当WEB執筆メンバー「いち」がお届けする。

XSR700は和み系の乗り味だった

XSR700は、クラシカルでいて新しさのあるデザインと走った時の印象が完全に一致していて違和感なく馴染めるモデルだった。ヤマハ初の4ストローク車であるXS-1(1970年)を現代に蘇らせるというコンセプト通りのデザインで、エンジンもXS-1と同じ並列2気筒。排気量も653ccのXS-1に近い688ccとしている。低回転域では「ドコドコ」と明確に鼓動感が味わえる上にDOHCの現代的な高回転域が乗っかっており、速さも十分。比較的前方にあるステップで椅子に座っているような感覚のライポジやクッションが厚めのシート、フワフワと柔らかい前後サスなどで旧車に乗っているような気分も味わえる。パラツインならではのヒラヒラとしたハンドリングや力強い低回転のトルク、明確に体感できる軽量な車体(186㎏)で街乗りのストレスはゼロ。Z900RS、XSR900と連続で乗ったことで「車重が軽いと疲れにくい」ということも実感できた。また、普段1980年代のツインに乗っている筆者としては、和み系といえるキャラクターが最もしっくりきた一台だ。

【YAMAHA XSR700】欧州では2015年秋に発売された、実はXSR900よりも前のモデル。最新モデルをベースにしたネオクラシックモデルの先駆けとも言える存在だ。価格は89万9640円でカラバリは写真の赤とタンクカバーがアルミ地のグレーの2色。

 

XSR900は何者?!

何者?! と思う程見た目と走りが一致してないというのが第一印象だった。XSR900は、基本的にMT-09のライポジ違いでキャラクターは過激&スポーティ。それでいてクラシカルな外観なので何に乗っているのかよく分からなくなりそうだった。XSR900の元ネタは、かつて欧州に存在したXS750(後にXS850)という並列3気筒モデルで、ヤマハ初の4ストマルチシリンダー車として有名。だから欧州のライダーはすんなりXSR900の世界観に入れるかも知れない。しかし、XS750は国内ではGX750として発売されたのでネーミングで一致しない上に、GXに乗ったことがない(実際経験者は多くないだろう)ので、その血統を確かめようがなかった。そんな感じで走り始めたが、とにかく元気なエンジンと体感的な速さで夢中になるのはMT-09と同じ。Aモードはライダーを「ヒーヒー」言わせ、疲れるとSTDモードに入れて休むという具合(雨でもBモードがあるから大丈夫)だ。あるヤマハマンは「XSR900はXJR1300からのダウンサイジング」と言っており車重や車格では確かにその目的は達成しているが、キャラは全く別モノだ。そして思い出したのがワイズギアのヘリテージ外装セットを装着したXSR900。あれだったらドンピシャ! その昔、友人のRZ250Rに乗った記憶が蘇ったくらいだ。2ストの排気音は頭の中で鳴らしながら、RZ900だと思って試乗することをお勧めしたい。

【YAMAHA XSR900】2016年に海外とほぼ同時に発売された水冷並列3気筒モデル。鉄フレームのXSR700やZ900RSと異なりアルミフレームを採用。サスペンションもハードで速度レンジや限界は他の2車よりも高そう。パワーモードやトラコンも装備している。価格は104万2200円で写真のグレーと赤、黒の3色をラインナップする。

こちらが文中で触れたワイズギアのXSR900ヘリテージ外装セットで残念ながら受注は終了。白はオーセンティック外装シリーズでラインナップされており、現在でも発売中だ。1980年に発売され一世を風靡した初代RZ250のカラーリングを再現している。

 

出揃った国産ネオクラは3車とも別物

前記事で掲載したZ900RSは、Z1に似ているという以外は平均点的で「ザ・スタンダード」というべき存在だった。誰にでもオススメできるし、長く付き合うことができるだろう。軽いと思った吹け上がりもXSR900に比べると重厚感があり落ち着いたものだ。そしてXSR900は2ストのような尖ったキャラクターが明確、走りで熱くなりたいライダーはこちらを選ぶといいだろう。XSR700は見た目だけでなく走りにも旧車テイストを残しており、さらに軽快さも求めるならぴったりだ。足つきはXSR700とXSR900は身長172cm/体重65㎏でかかとが少し浮くくらいで、Z900RSはかかとが接地するくらいだった。

2018年に出揃った、中身は最新の国産ネオクラシックモデル。左からXSR900、XSR700、Z900RS。ここまでキャラクターが分かれていると選びやすいだろう。

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いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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