
ヤマハは、2023年秋に世界初公開した「XSR900 GP」を国内2024年モデルとして5月20日に発売すると発表した。ベースモデルのネイキッド・XSR900からは17万6000円アップで、凝った造形のカウルやセパレートハンドル、専用のアルミ製ステムシャフトなどを採用している。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ
あの頃のレーシングマシン感!
ヤマハは、XSR900をベースにカウルや超小型ヘッドライト、セパレートハンドルなど1980年代レーサーレプリカを思わせるディテールとしたブランニューマシン「XSR900 GP」を国内正式発表した。発売日は2024年5月20日で、価格はXSR900から17万6000円アップの143万円だ。
カラーバリエーションは2色展開で、白をベースに1983~1988年のマルボロカラーYZR500を思わせる黄色ゼッケンスペースや鮮やかな赤を与えた『シルキーホワイト』、グレーとブラックのダーク系ツートーンとした『パステルダークグレー』を用意する。
1983年にケニー・ロバーツ&YZR500がホンダのフレディ・スペンサーと繰り広げた死闘は今も語り継がれ、その頃に採用したデルタボックスフレームやナックルバイザー装備のカウルは現代の礎となっている。
XSR900 GPは数多くの専用装備を備えるが、まず欠かせないのはアッパーカウルだろう。大型スクリーンを備え、レーシングマシンの世界観を崩さない小型LEDヘッドライト&ポジションランプ、そしてYZR500を彷彿とさせるナックルバイザーを備え、メインフレームのネック部分に2本の丸パイプでマウントされる。
サイドカバーはDリングのクイックファスナー、ハンドルバーはセパレートのクリップオンタイプ、またデルタボックススタイルのフレームは当時のイメージでシルバー塗装に。これらに合わせて、ハンドル切れ角を確保するために新型エアクリーナーボックスカバーを採用し、新シート&新サイドカバーに合わせてシートレールも設計変更された。
前後サスペンションも新開発で、倒立フロントフォークはフルアジャスタブル、リヤショックは圧側2WAY採用のKYB製フルアジャスタブルに。フロント荷重増に対応するべく、ステムシャフトを3気筒エンジンのシリーズで唯一となるアルミ製に換装した。
このほかにもブレンボ製マスターシリンダー、新設計アジャスタブルクラッチレバー、新設計ハンドルスイッチには荷段階フラッシャーと消し忘れ防止機能、クルーズコントロールを備える。5インチフルカラーTFTメーターは専用アプリでナビゲーション表示も可能で、アナログ風タコメーターを含む4種類の表示テーマが用意される。メーター右下にはUSBタイプCソケットも。クイックシフターは加減速時のどちらでもシフトアップ/ダウンできる第3世代だ。
足元には、前後スピンフォージドホイールに専用開発のブリヂストン製バトラックスハイパースポーツS23を履く。シングルシートカウルはオプション設定だ。
また、別記事で紹介するワイズギア製のRZV500R/FZ400Rタイプ外装キットも発売予定など、ヤマハのXSR900 GPに対する力の入れようとファンの期待度は高まる一方だ。
YAMAHA XSR900 GP[2024 model]
車名 | XSR900 GP |
認定型式 | 8BL-RN96J |
原動機打刻型式 | N722E |
全長×全幅×全高 | 2160×690mm×1180mm |
軸距 | 1500mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 835mm |
キャスター/トレール | 25°20′/110mm |
装備重量 | 200kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 888cc |
内径×行程 | 78.0×62.0mm |
圧縮比 | 11.5:1 |
最高出力 | 120ps/10000rpm |
最大トルク | 9.5kg-m/7000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 14L(無鉛プレミアムガソリン指定) |
WMTCモード燃費 | 21.1km/L(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時) |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 |
ブレーキ前 | 油圧式ダブルディスク |
ブレーキ後 | 油圧式ディスク |
価格 | 143万円 |
色 | 白、灰 |
発売日 | 2024年5月20日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ヤマハ トリッカー[2019] 試乗レビュー 軽い取り回しで市街地もダートも楽しい! ヤマハ セロー250とフレームとエンジンを共用しているトリッカー。“BMX感覚のサイズ感”を実現するために前19/[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
ホンダのVFやNRの影もカタチもない1977年の東京モーターショーにYZR1000デビュー! 1977年の第22回東京モーターショーのヤマハ・ブースに、白に赤ストライプのワークスマシンカラーの謎のマシ[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
英国生まれインド育ち:クラシック風味に全振りしたモデル 現存するオートバイブランドでは最古(大元のジョージ・タウンゼンド・アンド・カンパニーの創業は1851年! )と呼ばれ、1901年にオートバイの生[…]
ホンダCB1300スーパーフォア/SP ファイナルエディション 頂点のバイクに今さら“付け足すもの”などない 1992年に「PROJECT BIG-1」が発動されセンセーショナルに登場したCB1000[…]
往年の名車をオマージュしたヘリテイジにアドベンチャーバイクの原点が登場! BMWは、1170cc空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載するヘリテイジシリーズに、『R 12 G/S』を投入する。BMWのホー[…]
“エフ”の姿で降臨した新世代フラッグシップCB 売れに売れているカワサキ「Z900RS」をホンダが黙って見ている時期はもう終わりだ。 2020年春に発表された「CB-F コンセプト」は、昨年現行ライン[…]
人気記事ランキング(全体)
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
フレーム/スタンドの別体構造と自在キャスター装備で自由に移動できる 向山鉄工のオリジナル製品である「ガレージREVO」は、バイクスタンドに自在キャスターを取り付けることで、スタンドアップしたバイクを前[…]
従来の理念をさらに深化させた「Emotional Black Solid」 今回注目したのは、新たなステップワゴン スパーダ専用に用意された、これまた新たなアクセサリー群です。その開発コンセプトは、従[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
最新の投稿記事(全体)
壮大な旅を追うドキュメンタリー映画:初夏より全国公開 ドキュメンタリー映画『タンデム・ロード』が、2025年初夏よりイオンシネマ系列で全国公開される。 本作は、映画作りで活躍してきた滑川将人とパートナ[…]
お祭りと競技、2つ同時に楽しめる無料イベント 『NAPS MOTO-FES/MOTOGYM関東(ナップスモトフェス/モトジム関東)』は、2輪用品小売/開発のナップスが主催するバイクイベント。他にない最[…]
ヤマハ トリッカー[2019] 試乗レビュー 軽い取り回しで市街地もダートも楽しい! ヤマハ セロー250とフレームとエンジンを共用しているトリッカー。“BMX感覚のサイズ感”を実現するために前19/[…]
マットの種類と選び方:寝心地で選ぶなら断然エアマット! マットの選択肢として、主にエアマット/銀マット/ウレタンマットの3種類がある。 エアマット もしあなたが寝心地を最優先に考えるならば、エアマット[…]
ホンダCBX400F:盛大に歓迎された新マルチ ヨンフォア(CB400Four)の生産終了後、2気筒のホークII、ホークIIIをリリースしてきたホンダだったが、ついに1981年11月、400cc4気筒[…]
- 1
- 2