
レブルやZ900RSなどホンダ、カワサキなど国内車両メーカー用のマフラーやパーツを制作するモリワキエンジニアリング。今回、モリワキ史上初となるハーレー用マフラーの開発に着手した。その対象車種はWITH HARLEY編集部が2023年12月の登場からずっと追い続けているX350だ。じつはこのプロジェクトにはWITH HARLEY編集部も関わっており、パーツメーカーで名高い愛知県のPLOT社とともに猛アピールした結果、動き出したものだ。
●文&写真:WITH HARLEY編集部(ミヤシーノ宮下豊史) ●外部リンク:モリワキエンジニアリング
編集部がカスタムマフラーが欲しくて全国を奔走。ハーレー市場にぜひ参入してほしいモリワキ、ヨシムラに懇願
実のところ、編集部がまず話を持ち込んだのはヨシムラジャパンだ。2024年3月の大阪モーターサイクルショーの会場でヨシムラジャパンのスタッフがヤングマシン編集部と話をしているのを発見しそこに割り込み、
「X350用のマフラーを作ってもらえませんか?」と相談をしたのが、ことのはじまり。
その後も、ことあるごとに猛アピールをした結果、僕らの熱意に負け、ヨシムラ担当者より車両を一度見てみたいと打診があり「すぐにでも!」と、神奈川県のヨシムラジャパン本社へ持ち込み確認をしてもらった。この模様は6月23日発売した雑誌WITH HARLEY20号にてお伝えした通りだ。
7月中旬時点では、開発に関してはまだ社内で検討中とのこと。編集部的には好感触?? ただいま回答待ちだ。
ヨシムラジャパンを訪れた際に、各種サイレンサーをあてがってみた。ドラッグサイクロンが似合うのでは?とヨシムラスタッフ。
一方で、WITH HARLEY編集部は、モリワキエンジニアリングにも同じタイミングでオファーをしていた。じつはパーツ&用品メーカーのPLOTからも同様の相談があり、ヨシムラ案件と並行し話を進行。
たまたま名古屋モーターサイクルショーを取材していたところ、2023年にモリワキの新たな代表になった森脇尚護氏がモリワキの出展ブースで接客していたので直接マフラー開発を懇願。
その影響もあったのかは不明だが、モリワキの担当者から直接連絡があり意気投合、とんとん拍子で話が進み、編集部がマフラーや他のパーツ開発用にX350を手配することとなった。
ハーレー用のマフラーの開発は今までなかったので、持参したX350にモリワキスタッフは興味津々。
2024年6月上旬、WITH HARLEY編集部は、独自に入手したブラック号を三重県鈴鹿市のモリワキエンジニアリングの本社に持参。ついにプロジェクトがスタートした。
純正マフラーはワンピース構造ではなく、エンジン真下でエキゾーストパイプが分離ができる。「そこから先を変えるだけでは?」と編集部が安直に提言をするが、音量や排ガスなどを実際に計測したり、マフラーを分解をしてみないと、触媒や消音器がどこに内蔵されているのかがわからない、という。
マフラーが取り付けられている位置にも注目した。エンジンとフレーム下にサイレンサーがあり、位置を変更しようとすると、タンデムステップ一体型の純正ステップホルダーが邪魔するので、サイレンサーの取付位置や形状に制限があるのは目に見えていて、難航しそうな雰囲気。
どのサイレンサーがお好み? モリワキサイレンサーを順にあてがったみた
持参したX350を念入りに吟味してもらい、装着できるできない関わらずイメージを膨らませるために、モリワキがラインナップするサイレンサーを用意してもらった。
ずらりと並ぶさまざまな形状のサイレンサーに編集部スタッフは大興奮。懐かしのモナカタイプから最新のエッジの効いたデザインの「BLADE」タイプなどなどどれがX350に似合いそうかを順にあてがってみた。
市販されているモリワキサイレンサーをずらり並べてもらった。形状、スタイル、もちろん性能もさまざま。どのサイレンサーが似合うのか?
2本出しサイレンサー。ヒートガードの形状も車体のデザインにマッチしている。
最新の「BLADE」タイプサイレンサー。ハーレーのアイコニックなダートラデザインに意外にもマッチ。
編集部としては、シートカウル近くにサイレンサーを配置した方が、レーシーでカッコいいと思う。しかし、ネックとなるのは純正のステップとタンデムステップ。モリワキの考えとしては基本的にボルトオンで行きたいとのこと。
そこで編集部が提案したのが、
- STAGE1:スリップオンサイレンサー(JMCA対応)
- STAGE2:バックステップ&スリップオンサイレンサー(JMCA対応)
- STAGE3:バックステップ&フルエキゾーストマフラー(レース用)
「いいですねー、面白そう!」とスタッフに言ってもらえましたが、はたしてどうなるのか。まずは、ボルトオンで装着でき、法令を遵守したJMCA認証を受けられるスリップオンサイレンサーの開発を進めるとのことだ。
一方で、モリワキの製品はマフラーだけではない。アルミ製のバックステップやブレーキマスターシリンダーキャップやオイルフィーラーキャップなどがある。オイルフィラーキャップを試しにあてがってみたところ装着ができた(安全上問題がないかは確認中)。
バックステップもあてがってみた。純正のステップ、タンデムステップをホルダーごと外し取り付けることになるだろう。
他の車種用にラインナップしていたオイルフィラーキャップがシンデレラフィット。安全確認はこれからだが、すぐにでも販売してもらえそうだ。
モリワキエンジニアリングが制作したホンダGB350のレーサー。ストリートマシンもモリワキの手にかかればこんなにもレーシーに変化。これは、2022年より始動した「モリワキGB350鉄馬プロジェクト」で作られたマシン。HSR九州のイベントレース「鉄馬(てつうま)」で開催されたGB350のワンメイクレース(2024年はクラスがネオクラシック350となりロイヤルエンフィールドのハンター350も参加する)に一般公募ライダーの金子美寿々さんとともに参戦。当時のマシン詳細はこちらで。
え?もうX350用マフラーができあがった?
プロトタイプをイベントにてお披露目!
この取材をしたのは2024年6月上旬のこと。そこから開発スピードに拍車がかかり、排ガス検査をクリア、そしてこれから音量試験を挑むことになっている。
「つまりは、すでに形が出来上がっていること?」と編集部が確認したところ、その模様は随時モリワキのSNSで発信予定とのことだ。大変楽しみだ。
モリワキエンジニアリング各種SNS HARLEY DAVIDSON X350 MORIWAKI CUSTOM PROJECT
- Facebook https://www.facebook.com/share/p/cntScnuV2iUgQ4yD/
- Instagram https://www.instagram.com/p/C9UU2q3vAEy/
- X https://x.com/moriwaki19/status/1813445110639612263
しかもさらに朗報が。驚くことに、編集もブース出展するハーレーダビドソンジャパン主催の「ブルースカイミーティング in 名古屋」に間に合わせ、そこでお披露目をしてくれることになった。場所は名古屋市港区のガーデンふ頭ひがし広場で、8月3日土曜日だ。
BLUE SKY MEETING in NAGOYA
ブルースカイミーティング in 名古屋
https://hog.blueskyheaven.jp/events/blue-sky-meeting-nagoya/
日時:2024年8月3日 9時〜16時
場所:ガーデンふ頭ひがし広場(愛知県名古屋市港区港町1)
入場無料
バイク用駐輪場あり(最寄駅は名古屋市地下鉄名港線名古屋港駅)
さらにすごいことに会場では「音出しもOK!」X350モリワキマフラーがはたしてどんなサウンドを奏で出すのか?興味津々だ。
WITH HARLEY主催 第1回 X350&500オーナーズミーティングを企画!
せっかくのコンテンツなのでX350ユーザーに実際に見てもらいたい。そこで、このお披露目に合わせ、急遽WITH HARLEY主催で「第1回 X350/500オーナーズミーティング in 名古屋」を開催することにした。
編集部のX350がモリワキマフラーを装着しどのように様変わりするのか楽しみだ。すでに装着されているパーツたちもぜひ見てもらいたい。
さらにX350とX500のカスタム車も展示する。1台は、名古屋モーターサイクルショーのハーレーダビッドソン知立ブースにてまだカスタム途中ながらも展示してあったX350。
さらに、6月に横浜で開催したブルースカイヘブン2024のWITH HARLEYブースを賑わせてくれたカスタムビルダー抹茶いぬが仕上げたマシンも展示予定。サーキットから街乗りまで楽しめるセパハン仕様のX350とX500だ。そして、大阪のトライジャが開発&販売するカスタムパーツをまとったX500も展示する。X350オーナーだけでなくX500オーナーにもぜひ来場いただきたい。
ハーレーダビッドソン知立がカスタムするX350。ノーマルステップをうまく肉抜き加工しメッキ。キャリパーやスプリングがライムグリーンにカスタムペイントしてある。ここからさらに外装の塗装を行なったとのこと。イベント会場でこちらも初お披露目となる。
編集部がX(旧ツイッター)で知り合ったカスタムビルダーの抹茶いぬ氏と長野のモトロマンが手がけたX350。セパハン化されサーキットを走行できるように随所にカスタムが施されている。
こちらも抹茶いぬ氏の作品であるX500カスタム。昨今のストリートを賑わすヘリテイジ系のカフェレーサースタイルに仕上がっている。ビューンデザインがタンクやシートカウルを彩るステッカーを制作した。
まだデビューしまもなくカスタムシーンの盛り上がりもこれからのX350/500。すでにカスタムをし始めた方、これからの方、ぜひ名古屋港に集合を。愛車と撮影もさせてもらい次号WITH HARLEY21号(2024年9月24日発売号)に掲載するぞ。
しかも、ブルースカイミーティング in 名古屋会場ではX350とX500の試乗ができ、X500は場内の特別コース内での試乗なので普通自動二輪免許があれば大型免許を持っていなくても体感試乗がOKだ。
X350&X500オーナーだけではなく、購入を考えているライダーやライダー予備軍にとって注目してもらいたいイベント。ぜひ会場に足を運んでほしい。5台のカスタムX350、X500とWITH HARLEY編集部がお待ちしてます。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ウィズハーレーの最新記事
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
量産車ではこだわりきれないパーツを独自の技術で高品位化。完全ボルトオン設計によりパーツ装着が容易で、ユーザー自身によってアップグレードを図ることができると好評を博しているのが、スピードラのカスタムパー[…]
ラバーマウントスポーツでは、シート下周辺がボテッと重厚感のあるスタイルになりがちなところを、オイルタンクおよびソロシートをワンオフにて製作し、スッキリさせつつ見事なまでのくびれで魅せているから舌を巻く[…]
感度の高い若者たちが乗ったスポーツスター アメカジ(アメリカンカジュアル)の影響を受けつつ、ストリートで発展したファッションスタイルが、1980年代後半にブレークした“渋カジ”だ。シンプルで飽きのこな[…]
先進的な3Dスキャナーや3Dプリンターを駆使しながら、熟練工によるハンドメイドにてひとつずつ丁寧に仕上げられるプロダクツはクオリティが高く、スポーツスター乗りからも絶大な人気を誇っている。ハーレー専門[…]
人気記事ランキング(全体)
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら[…]
子供の夢を、ホンダが大人げないほど本気で作る この「ホンダコライドン」は、内部のモーターや駆動用タイヤによって走行が可能な電動モビリティ。手足/首/顔も可動としてゲーム上の動きの忠実な再現を目指し、子[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
最新の投稿記事(全体)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
“エフ”にとらわれず、新世代のCBをゼロベースで追求 YM:まずはCB1000Fコンセプトの狙いどころや、車両のコンセプトを教えて下さい。 坂本:“CB”はレースと共に育ってきたブランドですが、その役[…]
洗車だけでなく雨天走行後にも使えそうな”吸水クロス” 雨天での走行後や、洗車後に気になるのがボディに付いた水滴。これの拭き取りに特化した設計のクロスが”超吸水ゼロタオル”だ。 吸水性を高めるため、生地[…]
- 1
- 2