先週のバイク界隈ショートニュースまとめ×10〈2024/10/3〜10/10〉


●文:ヤングマシン編集部

[ホンダ] EVスクーター「CUV e:」「ICON e:」をインドネシアで市販化(10/10)

ホンダは、ジャパンモビリティショー2023などで次世代型電動パーソナルコミューターとしてたびたび出展していた「SC e: Concept」を「CUV e:」と名を改め、インドネシアで市販化することを発表した。

【HONDA CUV e:】白 ※画像はイメージで、実際の車両と異なる場合がある。

ホンダは2050年までのカーボンニュートラル実現に向け2024年を電動2輪車のグローバル展開元年と位置付けており、今回の2モデルの投入によって電動2輪車のフルラインアップ化を加速させるねらいだ。

CUV e:の名前は、ホンダが1994年に官公庁向けにリースしていた電動スクーター「CUV ES」から由来する。CUV ESは「Clean Urban Vehicle Electric Scooter」(きれいな街乗り車両電動スクーター)の略称で、CUV e:もその名の通りシティーコミューターとして開発されている。また車名に「e」を冠しており、「EM1 e:」などのホンダEVシリーズの系譜として扱われる。

【1994 HONDA CUV ES】CUV ES専用カラー

デザインはEVらしいスマートで未来的な印象を与える一方、ホンダeシリーズの慣例に沿いフロントコンビネーションライトおよびリアコンビネーションライトを採用することで、一目でホンダのEVと分かるアイコニックなものとなっている。

バッテリーには「Honda Mobile Power Pack(ホンダ モバイルパワーパック) e:」を2個使⽤。これは以前より同社がEM1 e:などで使用する簡単に着脱可能な交換式バッテリーで、あらかじめ充電したバッテリーをストックしておけば、充電を待たずにバッテリーを取り替えてすぐに走り出せるのが特徴。排気量帯としては同社が展開する110ccエンジン(搭載車種:ディオ110/スーパーカブ110など)を想定しており、日本に導入された場合には原付二種免許の区分として扱われるものと思われる。

CUV e:には最新鋭の装備が多数搭載されている。たとえば車両とスマートフォンをBluetoothで接続する「Honda RoadSync(ホンダロードシンク)」をアップグレードした「Honda RoadSync Duo(デュオ)」を搭載するバリエーションを用意しているが、これはホンダのバイクとしては初。また原付二種クラスとしては珍しいライディングモード選択機能(STANDARD/SPORT/ECONの3種)を装備、走行状況や好みに合わせた調整が可能だ。

価格および国内導入予定時期は現段階で発表されていない。グローバルモデルとして展開するとのことから、今後日本でも導入されるものと思われる。

またホンダは同時に、電動スクーター「ICON(アイコン) e:」も発表した。このバイクは以前より同社が販売する「EM1 e:」をベースに、バッテリーを三元系リチウムイオンバッテリーに変更、インドネシア向けにエクステリアを一新するなどしたモデルだ。

【HONDA ICON e:】白 ※画像はイメージで、実際の車両と異なる場合がある。

三元系リチウムイオンバッテリーとは、EV用バッテリーとして主流のリン酸リチウムイオンバッテリーに比べて、よりコンパクトにしつつ安定した出力が得られるバッテリーだが、一方でバッテリーサイクルの短さや寒冷地での使用に向かないことから比較的低性能なバッテリーでもある。またEV化が急速に進む中国においては主流のバッテリー方式であり、スケールメリットによって安価に入手できるのも特徴だ。このことからEM1 e:に対する廉価版として展開するものと思われる。

しかしながら、ICON e:は単なる廉価版に留まらない。たとえばEM1 e:ではスペースの都合上実現できなかったメットインを、バッテリーをコンパクト化できる三元式ならではの特性を活かすことによって確保している。またEM1 e:では「Honda Mobile Power Pack(ホンダ モバイルパワーパック) e:」を取り外さないと充電できなかったが、ICON e:は車載状態でも充電が可能だ。その上でバッテリーの取り外しも可能となっていて、モバイルパワーパックeのメリットをスポイルしない。航続距離は公称50km以上とEM1 e:より若干下がったようにも見受けられるが、街乗りでの使用において十分な性能だ。いたずらに性能を求めず、街乗りに求められる要件を見失うことなく満たすものとなっている。

EVの欠点である航続距離の短さを割り切り、街乗りの使用に特化するのがホンダのEVシリーズの特徴。ICON e:はそんなホンダの合理的な設計思想をよく表したモデルといえる。

こちらも価格、国内導入時期は不明。両モデルともインドネシアで生産される。


[ホンダ] CT125ハンターカブがマイナーチェンジ(10/10)

ホンダは原付二種のレジャーバイク「CT125ハンターカブ」をマイナーチェンジし、2024年12月12日に発売すると発表した。

主な変更点として、カラーバリエーションに「パールシュガーケーンベージュ」と、「パールスモーキーグレー」を追加(グローイングレッド継続/マットアーマードシルバーメタリック×ターメリックイエロー廃番)、エキゾーストパイプのカバーとミラーのデザイン変更、さらに純正アクセサリーの追加設定だ。純正アクセサリーには新たに「クロック&ギアポジションメーター」が追加される。価格は47万3000円。

【2025 HONDA CT125 HUNTER CUB】パールシュガーケーンベージュ


[ホンダ] 配達員向けバイクサブスクサービス「EveryGo デリバリー」が関西エリアでサービス開始(10/8)

ホンダモビリティソリューションズは、サブスクリプションサービス「EveryGo デリバリー」(旧Hondaのお仕事用バイクサブスク)を関西エリアに拡大すると発表した。同サービスは以前より関東圏(神奈川県/千葉県/埼玉県)で展開していたが、大阪府/京都府/兵庫県/奈良県/滋賀県の一部地域でも展開するとのこと。

「EveryGo デリバリー」とは、フードデリバリーサービスなどの配達員を対象としたバイクのサブスクリプションサービスだ。初期費用や解約費用、自賠責/任意保険、さらにはホンダ正規販売店でのメンテナンス費まですべて負担されることが特徴だ。ラインナップは、タクト/ダンク/ディオ110/リード125/PCX/EM1 e:/ベンリィe:Ⅰ/ベンリィe:Ⅱ/ジャイロキャノピーe:の9車種。サービスは月額1万4500円から利用できる。

また今回のサービス開始を記念して「関西限定5000円割引キャンペーン」も開催。対象の地域に居住かつ新規申し込み限定で、配布期間は10月31日(木)まで。


MotoGP日本グランプリ決勝でバニャイア選手がV。ドゥカティが表彰台を独占(10/6)

モビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催された2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスで、ドゥカティレノボチーム所属のフランチェスコ・バニャイア(バグナイア)選手が優勝した。これによりバニャイア選手は、自己最多シーズン記録となる今季通算8勝目を挙げ、今シーズントップのホルへ・マルティン選手(プリマプラマックレーシング)とのポイント差を10ポイントまで縮めた。

今回、ドゥカティの車両を使用するライダーが5位まで全て占めており、ドゥカティの強さが改めて示される形となった。

レッドブルGASGASテック3(KTM)所属のペドロ・アコスタ選手が転倒し12週目で途中棄権するなど、アコスタ選手含め他4人がレースを半分以上終えた状態で棄権、レプソルホンダのジョアン・ミル選手含め2人は接触事故の影響により記録上1周もできないまま棄権扱いとなった。

MotoGPクラスでは唯一開催国出身の中上貴晶選手(イデミツホンダLCR)は無事完走。今年現役引退が報じられている中上選手は、母国開催としては最後のMotoGPで有終の美を飾った。結果は13位だった。

写真は左が3位マルク・マルケス選手、中央が1位のバニャイア選手、右が2位のマルティン選手。


MotoGP日本グランプリMoto2決勝でゴンザレス選手が初優勝。小椋藍選手は2位(10/6)

2024年MotoGP第16戦日本GP Moto2クラスの決勝が開催され、QJモータースグレシーニ所属のマニュエル・ゴンザレス選手が優勝した。ゴンザレス選手にとってMoto2クラスでの優勝は初めて。

ゴンザレス選手の後に続き2位でゴールしたのは、開催地・日本生まれの小椋藍(おぐらあい)選手(MTヘルメット-MSI)だ。小椋選手は来年からMotoGPクラスへの昇進が決まっており、Moto2出場は今年が最後。彼にとって最後になる地元開催のMoto2という節目で、小椋選手は見事母国の表彰台に上った。

また今回の結果により小椋選手は、年間成績で1位をキープしたまま2位以下に60ポイント以上の差をつけ、年間チャンピオン獲得に向けてさらに駒を進める形となっている。

日本国旗を掲げる小椋選手。


Moto3決勝レースが開催(10/6)

2024年MotoGP第16戦日本GP Moto3クラス決勝レースが開催された。このレースで、CFMOTO Gaviota Aspar Team所属のダビド・アロンソ選手が1位でゴールし優勝した。

また、レオパードレーシング所属のエイドリアン・フェルナンデス選手は3位でゴール。フェルナンデス選手が使う車両は、ホンダから提供される250cc単気筒エンジンを搭載したものだ。

Moto3クラスでは開催地・日本出身の選手が4人出場した。山中琉聖(やまなかりゅうせい)選手が6位でゴールしたことを筆頭に、全員無事に完走を果たしている。


[カワサキ] 「モーターサイクルライフスタートアップキャンペーン」を実施(10/4)

カワサキの対象バイクを購入すると3万円分のアパレルグッズを購入できるクーポンがプレゼントされるキャンペーンが、全国各地のカワサキプラザで開催される。

対象の車両は「Z400」「ニンジャ400」「ニンジャZX-25R」の3車種(2024年モデル以前の新車も対象内)。普通自動二輪免許のビギナー向け車種から展開する、快適なバイクライフのスタートダッシュを応援するための初心者向けキャンペーンだ。

キャンペーン期間は2024年12月31日(火)まで。


パイオニアがバイク用ナビゲーションアプリ「MOTTO GO」をアップデート(10/4)

スピーカーやカーナビといった電子機器などを手がけるメーカー・パイオニアは10月1日、同社が提供するバイク用に開発/設計されたカーナビゲーションアプリ「MOTTO GO(モットゴー)」のアップデートを発表した。

MOTTOGOは、バイクをより安全に、より楽しく乗るための機能を多数備えているのが特徴だ。たとえば高速道路に乗れない原付二種など排気量区分に応じたルート、進んだ先にある急カーブや今後の気象情報といった、バイクに乗る上で重要な情報をナビゲーションしてくれる。また昭文社が出版する「ツーリングマップル」とコラボした、近くのツーリングスポットや観光地を案内する機能も搭載する。

アップデートでは、「MOTTO GOボタン」と「地図から続けて経由地追加機能」を新たに追加。「MOTTO GO ボタン」は駐車場やガソリンスタンドといった周辺情報や、走行中の音声案内履歴をスマホ画面上の「MOTTO GO ボタン」をワンタップするだけで確認できるシステムだ。走行中両手がふさがるバイク乗りにとって、片手でも操作できるようになっているのはありがたい。また、「地図から続けて経由地追加機能」は従来のカーナビのように自動で効率的なルートを検索するものではなく、経由地をあらかじめ設定し自ら走りたいルートを作成する機能である。経由ポイントは最大で20箇所設定が可能。目的地への到着時間や最短距離、時には料金のかからない下道優先の経路といった効率的なルートを求める傾向にある車乗りに対し、バイク乗りは走行するエリアや景観を重視することが多いとの考えから新たに設定したという。

利用料金は月額400円。まとめて先払いすることで割引される「年間コース」や短い期間だけ利用できるリーズナブルな「三日間コース」といった、利用者それぞれの用途に合わせたプランを各種用意している。初月無料。

※本記事は片手運転を推奨するものではありません。走行中は運転に集中した上で、十分安全に配慮した上でのご利用をお願いします。


[ヤマハ] YSP鈴鹿がオープン(10/4)

ヤマハは、三重県鈴鹿市に「YSP鈴鹿」を新たにオープンすると発表した。

YSPとは、ヤマハ発動機が展開する二輪車正規販売店で、特に2輪スポーツモデルを得意とする。車両販売のみならず中古車販売やレンタルバイクも同時に手がけており、ヤマハのバイクに関連した様々な事業をプロによる高い技術力やサービスによって提供している。

同店舗は鈴鹿サーキットから近く、車から5分でアクセスできる立地。このことからサーキット走行に関する相談を受け付けている。

もちろん街乗りやツーリングに関する要望も受け付けており、乗り方に応じたメンテナンスや調整、さらには鈴鹿店独自のツーリング企画などを行うとしている。また、レンタルバイク事業も同時に展開するとのこと。

グランドオープンは10月11日。営業時間は10:00~19:00で、定休日は月/火曜日。

バイクレンタルについて、予約開始日はオープンと同日で、貸出開始日は11月1日から。MT-03/YZF-R25/XSR125がラインナップされる。


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