
●文/写真:ライドハイ編集部(根本健) ●イラスト:藤原らんか
フロントブレーキをかけると前のめりになるのが当たり前、効いてる証しと錯覚してませんか?
ビギナーはもちろん、キャリアがあってもフロントブレーキを強くかけるのは怖い、というライダーが圧倒的です。
その最大の理由が「大きく前のめりするので不安」というもの。
ブレーキをかければ減速Gで車重+ライダーの体重すべてが前輪にのしかかる…。これは当然で仕方のないことと思っていませんか?
確かに前輪側へ重量が増えますが、いきなり前のめりするほど勢いがついてしまうのは、別の理由があるのです。
リヤサスペンションに比べてフロントサスは極端に柔らかい(バネレートが1/3ほど)
サスペンションのスプリングには、強さを表すバネレートがあって、リヤサスが2.0〜3.0kgf/mm(2本サスの場合)であるに対し、フロントは0.8~1.0kgf/mmと、1/3ほど弱いレート設定で、これをプリロードといって初期に縮めておくことで荷重対応しています。
その理由は、バイクが旋回するとき、前輪は路面の凸凹に対応して、スリップしないよう路面を舐めるように追従することで、転ばずに曲がれるようにするためです。
これが何を意味するのかといえば、フロントはわずか10kgほど荷重が増えただけで10mm以上もストロークしてしまうのです。
つまり、カンタンに前のめりしやすいということ。
しかし、じつは原因は別のトコロにあって、ブレーキレバーを握るという操作が、まずブレーキレバーの遊びストロークを一瞬で過ぎ、マスターシリンダーにカツンと当たってしまう、そのショックで起きる初期入力がブレーキキャリパーでディスクを叩き、そのショックでフロントフォークが勢いよく沈んでしまう、という連鎖を生じやすいのです……
※本記事は2021年5月11日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
ホンダのVFやNRの影もカタチもない1977年の東京モーターショーにYZR1000デビュー! 1977年の第22回東京モーターショーのヤマハ・ブースに、白に赤ストライプのワークスマシンカラーの謎のマシ[…]
車体色が圧倒的に黒が主流の中に、ひとり華麗な光を放っていたヤマハ! このYDS1は1959年のヤマハ初のスーパースポーツ。パイプフレームに2ストローク250cc2気筒を搭載した、創成期のレースから生ま[…]
2005年に新しいフラッグシップとして東京モーターショーに出現! 2005年の東京モーターショーに、スズキは突如6気筒のコンセプトモデルをリリースした。 その名はSTRATOSPHERE(ストラトスフ[…]
2007年に「感動創造」をテーマにプレミアムなモーターサイクルを提案! 2007年の東京モーターショーに、ヤマハは異彩を放つショーモデルをローンチ。 その名もXS-V1 Sakuraと、和をアピールす[…]
A.慣れたコーナーには先が見えている安心感で、そこそこアベレージ高くコーナリングできる満足感を楽しめます。でも慣れているからこそ潜んでいるリスクも考えましょう。知らない道のほうが楽しいといえる走り方こ[…]
最新の関連記事(Q&A)
A.慣れたコーナーには先が見えている安心感で、そこそこアベレージ高くコーナリングできる満足感を楽しめます。でも慣れているからこそ潜んでいるリスクも考えましょう。知らない道のほうが楽しいといえる走り方こ[…]
Q.ツーリングへ出かけるとバイクのすぐ前の路面ばかり見てしまいます。そのため先のほうの様子に気づくのが遅れ、カーブの手前で慌てます。「遠くを見ろ」とよく言われますが、先を見ていると手前の路面が心配にな[…]
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら[…]
Q:雪道や凍結路は通れるの? チェーンやスタッドレスってある?? 一部の冒険好きバイク乗りと雪国の職業ライダー以外にはあまり知られていないが、バイク用のスノーチェーンやスタッドレスタイヤもある。 スタ[…]
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
クルマの世界では「並列」表記はほぼ見かけない カタログやメーカーwebサイトでバイクのスペックを眺めていると、エンジン種類や形式の表記で「直列」や「並列」という文字を見かける。いずれもエンジンブロック[…]
A.慣れたコーナーには先が見えている安心感で、そこそこアベレージ高くコーナリングできる満足感を楽しめます。でも慣れているからこそ潜んでいるリスクも考えましょう。知らない道のほうが楽しいといえる走り方こ[…]
実燃費の計測でおなじみだった「満タン法」だが…… エンジンを使った乗り物における経済性を示す指標のひとつが燃費(燃料消費率)だ。 「km/L」という単位は、「1リットルの燃料で何キロメートル走行できる[…]
Q.ツーリングへ出かけるとバイクのすぐ前の路面ばかり見てしまいます。そのため先のほうの様子に気づくのが遅れ、カーブの手前で慌てます。「遠くを見ろ」とよく言われますが、先を見ていると手前の路面が心配にな[…]
いつ乗ったかも定かではない、ガレージの隅で置物になっている錆びたバイク。タイヤはパンクして、エンジンもかからないし、パーツはサビサビ。「こんなバイク売れそうにないし、処分ともなればお金もかかりそう…」[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
シュアラスター製品で洗車しよう! 春の祭りと言えば…ヤマ◯キ春のパン祭りが有名ですが、 シュアラスターも祭りを開催しております。 その名も「春の洗車まつり」! キャンペーン概 応募期間:2025年3月[…]
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]