SUZUKI ACROSS (GSX250F) 1990~1999model

容量25Lのメットインをカウル付きモーターサイクルに! スズキ「アクロス」は密かなロングセラー


●記事提供: ライドハイ編集部 ●文:根本健 ●写真:スズキ

燃料タンク部分に収納スペースと給油口はテールカウルの思いきった新しいデザイン!

1990年4月、スズキはいかにもエアロダイナミクスの良さそうなフルカバードボディの250cc4気筒をリリース。

最大の特徴は250ccクラスのモーターサイクルでは初の、フルフェイスヘルメットが収納できる25リットルの大容量パーソナルスペースを、通常の燃料タンク位置に設けたこと。

このため燃料タンクはシート下となり、給油口はリヤのテールカウル内にあり、両方とも電磁ロックで跨がったままスイッチで開閉できた。

エンジンはスーパースポーツのGSX-R250がベース。

水冷DOHC16バルブ4気筒で49×33mmとショート・ストロークの248cc。キャブレターは2気筒分をワンボディに収めるBSW27の2連装で、45ps/14,500rpmと2.6kgm/10,500rpmのスペックだが、エキゾーストに連結チャンバーを加えるなど中速域でのレスポンスを強めて街中やツーリング対応のチューンが施されていた。

またフレームはダブルクレードルと剛性確保で安定性に留意した設計。

ガソリンスタンドでは給油口が電磁スイッチに触れるとテールカウル部分でカパッと開き、スタンドのスタッフを驚かせていたのと、ラゲージスペースは内装があり何でも放り込める完全なトランクとなっていた。さらにはこのスペースごど取り去ることで、点火プラグ交換などエンジン部分へ直接手を入れることも可能だ。

このメットイン仕様で、通勤や通学、さらには買い物やツーリングでも、煩わしいゴム紐やネットで荷物を縛る必要がなくなり、もっと自由度のある使い方でライフスタイルまで考え方を変えてしまえる……そんな新しい提案をスズキはニースが広範囲で最も多い250ccクラスで展開しようとしたのだ。

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