●記事提供: ライドハイ編集部
ファンの脳裏に焼き付いて離れなかった超精密マシン”カブレーシングCR110″
ホンダは1962年、世界GP挑戦のカテゴリーを50ccにまで拡げた。50ccという小排気量は、爆発回数が倍の2ストロークが優位……そんな常識クソ喰らえと、ホンダは2ストの2倍の高回転まで回すマシンで対抗してみせたのだ。
スーパーカブの成功から、50ccでもそんな目を見張るパフォーマンスをアピールするホンダに、世界中のファンが熱い視線を注いだのはいうまでもない。しかもGPマシンRC110が初挑戦したこの年に、ほぼレプリカの市販レーサーを発表、さらには公道仕様も加わり「カブレーシングCR110」として発売。
その後、2スト勢が多段ミッションで狭いパワーバンドを補いながらポテンシャルを高めるのに対し、ホンダは2気筒化に20000rpmと当時は途方もない超々高回転型エンジンを採用して覇権争いから一歩も引かず、1966年には50から125、250、350、そして500ccクラスで、メーカータイトルを全制覇するのだった。
スリムで繊細な設計のRC116ツインは、これを操るチャンピオンのL.タベリ、R.ブライアンズ両選手の職人ワザのライディングと共に憧れの的。初期に限定生産しかされなかった市販レーサーのCR93(125cc)CR72(250cc)は幻のマシン、CR110もそんな夢のマシンとして語り継がれる存在となっていた。
カムギヤを奢り復活した”大人の夢”ドリーム50
ホンダは1995年の第31回東京モーターショー」に、このCR110を彷彿とさせる「ドリーム50」を参考出品。’60年代に思いを馳せる40代から50代の大人たちを震撼させた。
どこから見てもあのカブレーシングCR110にしか見えない凝ったつくりに、多くのファンが発売を熱望した。
そしてまさかの世界最小となる50ccのDOHCで、4バルブの単気筒ツインにメガホンマフラーというまさに大人の夢をかなえたマシンとして、1997年から発売されることとなったのだ。
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