昨年10月にリリースされ話題となったBMWの新しいS1000RR。日本でも予約受付が開始となり、納車開始は2月10日予定とのこと。気になる価格は、241万3000円! このスペックを鑑みると、かなりお得なのでは?と思った方は、ぜひ詳細をチェック!
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:BMWモトラッド
着実にアップデートするBMWのスーパースポーツ
スーパースポーツといえば国産車の独壇場だった2009年にBMW S1000RRは登場。それ以来、着実に各部をアップデートし、進化を続けている。
2023年モデルは、エンジンのトルク特性を最適化するとともに、最高出力を3psアップさせ、210ps/1万3750rpmを発揮。エンジン最高回転数は1万4600rpmに設定されている。さらに最新のシャシー、ウイングレットを採用し、電子制御も充実させている。
ウイングレットはM1000RRではすでに採用されていたが、S1000RRとしては初となる試み。M1000RRとは異なるS1000RR専用に設計されたものが装着されている。
速さを追求した進化は当然だが、BMWらしいのはスーパースポーツを楽しむライダーのエンターテイメント性やユーティリティーを考慮しているところ。これが、今の時代にあえてスーパースポーツを選ぶユーザーの気持ちを確実に掴む上手さだろう。
サーキットからツーリングで有効な電子制御を搭載
電子制御はBMWらしい熟成を果たしている。従来のダイナミックトラクションコントロール(DTC)に、新たにスライドコントロール機能を追加。ステアリングアングルセンサーを利用することで、立ち上がり時のトラクションコントロールシステム用に2つのプリセットドリフトアングルを選択できるようになっている。
これは、立ち上がり時にそれぞれのバンク角までは後輪のドリフトを許容し、設定されたバンク角に達すると、トラクションコントロールが介入してスリップを減らす制御である。
ABSもこの新装備されたアングルセンサーに基づき、ブレーキングドリフトに対して、特定のドリフト角度を設定できるようになっている。
こんな速さを追求した制御が追加されたかと思えば、市街地やツーリングに坂道発進を容易にするヒルスタートコントロール(HSC)も追加。オプションのHSCプロでは、オートHSC機能が追加可能で、これは坂道(勾配+/-5%以上)で、バイクが停車した直後にフロントまたはリヤのブレーキレバーを作動させると、パーキングブレーキが自動的に作動するものだ。
もちろんこれまでのパワーモードや、アップ&ダウン対応のシフターなどは装備。スーパースポーツなのに速さだけでなく快適性を追求しているところがいかにもBMWらしい。
S1000RR初のウイングレットを装備
ウイングレットは、最大17.1kgのダウンフォースを発生し、前輪の荷重を速度に応じて増加させることが可能。これにより、加速時のウィリーが抑制され、トラクションコントロールの介入も減るため、より多くの駆動力が加速に変換されるというわけだ。
フレックスフレームも熟成
独特の形状をしているフレックスフレームと呼ばれるアルミツインスパーフレームは、キャスター角を変更。トップブリッジのオフセットも3mm減らして、トレールを最適化している。これが前輪からのフィードバックを増やし、より積極的なライディングを可能にしてくれるというわけだ。
こういった性能を考慮しつつ、その価格を他メーカーのスーパースポーツと比較すると、S1000RRがいかにリーズナブルであるかがわかるはずだ。
カラーは3バリエーションを展開
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