さすがホンダ、ラインナップ数はハンパじゃない!

俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.1 ホンダ編】

時代はフルカウルの直4レプリカ400へGO!

激化する4気筒400cc戦線のなか、大人気のCBX400Fから早くもフルチェンジ。当時は国内モデルのカウリングが認可されたばかりで、最初期のCBR400Fはカウルレスだが、明らかにカウル装備が前提の作りだった。

この頃からホンダのレースの主軸は直列4気筒エンジンからV型4気筒エンジンにシフトしていくが、400ccクラスはどちらも並行して高性能化を目指し、CBRもFからRに変わる際に水冷化し、RRへでいっそう進化していった。

1983年 CBR400F
新設計の空冷4気筒は、エンジンの回転数に応じて高回転域では4バルブ、低回転域では2バルブに切り替わるREV機構を持つエンジンを角断面パイプのフレームに搭載。角型ヘッドライトはフレームにマウントされる。84年には二灯式ヘッドライトのハーフカウルを装備した「エンデュランス」をリリースし、フルカウルの特別仕様車も用意。85年には集合マフラーやシングルシートを装備した「フォーミュラ3」も加わった。

1986年 CBR400R
水冷化し、高性能なカムギヤトレーン機構を持つ新エンジンを目の字断面のアルミ製ツインチューブフレームに搭載。空気抵抗を低減するため、エンジンやフレームを完全に覆ったエアロフォルムが特徴。

1988年 CBR400RR
CBR400Rのエンジンを、シリンダーヘッドを中心に大幅にリファインし、スリム化したツインチューブフレームや三角形状のアルミスイングアーム(トライアーム)を装備。ルックスもフルエアロからレーサー風に変わった。

1993年 CBR400RR
1990年にモデルチェンジし、吸気経路のストレート化やシリンダーとアッパー・クランクケースの一体化により、高効率でコンパクトなエンジンに進化。フレームはエンジンのコンパクト化に合わせた新形状で、カウリングも刷新。画像は93年12月に発売されたブラッシュカラーの最終型で、2000年頃まで継続販売された。

中免で乗れる世界GPマシン!?

2ストロークのレプリカは250ccが主流だが、当時のGPレースは500ccクラスが頂点だけに、トップクラスのレプリカに乗りたくなるのが心情。とはいえ中型自動二輪免許では500ccに乗れない……。そんなライダーのために登場したのがNS400R。83年、84年のWGP500でメーカーチャンピオンを獲得したワークスマシンNS500のレプリカだ。ちなみにNS500のV型3気筒エンジンは前1気筒/後2気筒だが、NS400Rでは配置が逆になっている。

1985年 NS400R
前2気筒/後1気筒の水冷90度V型3気筒の2ストロークエンジンを搭載。ホンダのレーシングカラーのほか、スポンサーカラーのロスマンズ仕様(画像)が発売された。

コストを惜しまずに製作され、レースを席巻したV4ヨンヒャク!

80年代前半頃から、ホンダは750ccクラスのTT-F1や400ccのTT-F3等のレーシングマシンにV型4気筒を採用し、市販ロードスポーツは直列4気筒とV型4気筒の2本立てとなる。なかでもVFRシリーズは、よりレーシングマシンに近づき、最終的にはレーサーと見まごうばかりのRVFに進化した。

1982年 VF400F
水冷V型4気筒エンジンはクラストップ(当時)の53psを発揮。まだレースのイメージは強くなく、フレーム形状やインボードディスク、ビキニカウルの形状からもVT250Fの兄貴分といった雰囲気だった。84年にはフルカウルのVF400Fインテグラが追加された。

1986年 VFR400R
国内のTT-F3レースで活躍していたRVF400の技術を投入したNC21型。V4エンジンは新たにカムギヤトレーン化され、フレームはアルミ製のツインチューブ。フルカウルの初期型はVFR400RとネイキッドのVFR400Zを販売。87年に片持ち式スイングアームのNC24型になり、88年にはエンジンに大幅に手を入れ、目の字断面の異形五角断面の極太フレームのNC30型に進化した。

1994年 RVF
基本構成はVFR400R(NC30)から大きく変わらないが、細部に至るまで完全刷新。エンジンは吸気系(キャブレター、ファンネル形状、エアインテークなど)やバルブタイミング、トランスミッションのクロスレシオ化やクラッチ枚数などを変更。フレームは新設計でフロンフォークは倒立タイプ、ブレーキシステムも一新。カウリングやヘッドライト形状も変わっている。画像は96年のカラーで、2001年頃まで販売された。

ネイキッド400ブームが到来

1980年代の終盤、性能に特化したレプリカ人気が徐々に陰ってきたころ、カワサキが1989年に発売したゼファーが大ヒットし、時代はネイキッドブームに突入。そこでホンダは新世代ネイキッドのCB-1をリリースするが、CBR譲りの高性能エンジンや斬新なスタイルがこのタイミングにマッチしなかったのか、販売的にはいまひとつ。

しかし、1991年の第29回東京モーターショーに展示したCB1000 SUPER FOURが大きな注目を集め、そのコンセプトのもとに中型自動二輪免許で乗れる400版で開発されたCB400 SUPER FOURが大ヒット!

1989年 CB-1
エンジンはCBR400RR系のカムギヤトレーン式の水冷直列4気筒で、低中速域のレスポンスや力強いトルク特性を狙い、吸気ポートの最適化や不等長ファンネル、バルブタイミングも変更。フレームはマッスルチューブと命名した太い丸断面のツインチューブ式。

1992年 CB400 SUPER FOUR
CB1000SFとともに「ビッグ1プロジェクト」をコンセプトに登場。CB-1ベースの水冷4気筒エンジンはカムチェーン化し、オーソドックスなダブルクレードルフレームに搭載。モデルチェンジやFI化(電子式燃料噴射装置)などを重ね、400ネイキッド界で長く愛されてきたが、2022年に生産終了。

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