【元警察官が解説】交通取り締まりで止められても切符を切られないかも。有効!?な弁明×5選

交通取り締まり

●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官)

止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか?

交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らないから、今後は気を付けて」と注意されるだけで済んだ経験はありませんか?

現場の警察官には、“指導”として切符処理をせず注意/警告で済ませる権限があり、切符処理が妥当ではないと判断されれば、指導だけで済むこともあります。

とはいえ、ただ「はい、すみません」と神妙にしているだけでは、切符処理されるのがオチ。本記事では、意外と通用する可能性のある有効な弁明(あるいは言い訳)を紹介します。

弁明その1「家族が急病」

急な報せを受けて焦っている状況だと、ついスピードが出すぎたり、標識や標示を見落としてしまったりするもの。とくに家族の急病や危篤の報せを受けた時は、一刻も早く病院へ急ぎたいという心情になるのは仕方がありません。

もし本当に緊急事態に直面しているなら、その状況を説明すれば「それは急いだほうがいい」と指導だけで済ませてもらえる可能性もあるでしょう。

ただし、「大変な状況だから急いで切符処理しますね」と話が通用しなかったり、「念のために連絡先を控えるので、あとで落ち着いたら警察署に出頭して」と求められたりすることも。

もちろん「デートの時間に間に合わない」とか「会議に遅れそう」なんて事情は、まったく通用しません。

弁明その2「さっきそこで注意を受けたばかり」

現場の警察官同士では、いま誰がどこで取り締まりをしているのかを把握していないことがあります。とくに警察署の管轄が違うと、大きな事件が起きて緊急配備が敷かれているのでもないかぎり、ほとんど連携はないので、注意を受けた直後に別の場所で別の警察官から停止させられるケースも珍しくありません。

「今さっきも同じ注意を受けた」と弁明すれば、「そうなんですね」とスルーされる可能性があります。ただそれが通用するのは、“すぐにはどうにもならない違反”だけです。たとえば、ブレーキランプの球切れや免許不携帯などの違反なら、ほぼ「ちゃんとしてね」で済まされるでしょう。

もちろん、携帯電話使用/シートベルト不着装などでは通用しませんし、同日中に同じ違反をしていれば「懲りないな」と厳しく対応してくるかもしれません。

また、整備不良は免許の裏面に確認日時を記入されることがあるので、確認されてしまうとウソならばバレてしまいます。

弁明その3「標識が見えにくい」

街路樹がジャマで標識が見えにくかった、逆光で信号機が見えなかったなどの状況でも、警察官は容赦なく切符を切ろうとします。

本当に標識などが見えにくい状況にあった場合は、標識が効果を発揮するだけの適切な被視認性がなかったことになるので、「標識が見えにくい」と指摘すれば、注意だけで済まされる可能性が高いでしょう。

ただし、運転者側の単なる注意不足による見落としでは通用しません。周囲の車が標識に従ってルールを守っているなら、自分だけ「見えにくかった」と主張しても、相手にしてもらえないでしょう……

弁明その4:「このぐらいで切符きるの?」

たいした違反でないのなら「このくらいで切符を切るの?」と言いたくなる気持ちは理解できます。

一時停止を“ピタっ”と止まったわけではないけど、十分減速したし、周囲にクルマや歩行者もいなかったから危険はなかったとか、シートベルトを着けていなかったけど車を発進させてまだちょっとだったなんて状況だと、「もっと危険な違反を取り締まってよ」と文句も言いたくなるもの……

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