●レポート:阪本一史 ●写真:ホンダ ●記事提供:モーサイ編集部
欧州勢から始まったカウル付きモデル
自動車メーカーでは、自社で商標権を所得した車名を時代ごとに別モデルで使い回すことがある。例えばタイトルでも紹介したホンダの「インテグラ」の場合、1980年代後半に登場した四輪スポーツセダンを思い出す方が多いだろう。
ところが、80年代以前からのバイクフリークは、ホンダのインテグラと言えばカウリング(フェアリングとも呼ばれる)付き仕様のスポーツバイクのことを懐かしく思い出す(筆者もそのひとり)。なぜならこのインテグラ、国内市場にとっては、実にメモリアルなモデルだったからだ。
少し歴史を振り返ると、モーターサイクルでのカウルは、空気抵抗を低減し速度を上げるなどの意図で導入されたもので、1920年代から登場したと言われる。速度記録の挑戦車やレーサーにまず取り付けられ、量産市販車に採用されたのは70年代以降。
イタリア・ドゥカティの900SS(72年)に丸みを帯びたハーフカウルが装着され、欧州のみならず日本のバイクフリークは、そのセクシーな造形に憧れた。そして、鮮烈なインパクトで登場したフルカウルモデルが、ドイツ・BMWのR100RS。ライダーの身体をすっぽりと覆うその造形も200km/hオーバーの高速化時代を象徴する装備として、羨望の対象となった。いずれも欧州製モデルだが、その当時、国産勢はまだカウル付きには追随していなかった。
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