ゆるキャン△ SEASON3 に登場の『トマト焼そば』。“背徳”&“青春”の味/成り立ち/食材を自由研究したゾ!!
「トマトの旨みがすげえ凝縮されててヤバい」と千明が激賞!
あおい、恵那、千明が『瑞牆山キャンプ場(モデル地:山梨県みずがき山自然公園キャンプ場)』へ行く前に立ち寄った『みずがき湖ビジターセンター』。鹿の彫像(写真左)、とんがり帽子の建物(写真右)も第7話でチラッと映ります
TVアニメ『ゆるキャン SEASON3』の最終話がオンエアされてからしばらく。動画配信サイトで見直したり、聖地を巡礼したりと、ファンの皆さんはそれぞれ余韻に浸られていることでしょう。
ワタシ(風間ナオト)もそんなひとりですが、生来の食いしん坊ゆえ第8話(コミックスでは第12巻)に登場した『背徳のトマト焼そば』がヒジョーに気になってました(財津一郎さん風味に読むこと推奨)。
『背徳のトマト焼そば』は、「うそやでー」と締めるホラでおなじみの犬山あおい、飼い犬「ちくわ」を愛でる姿が印象的な斉藤恵那が『瑞牆山キャンプ場(モデル地:山梨県みずがき山自然公園キャンプ場)』で作ったメニューで、山梨県中央市がご当地グルメとして猛プッシュ中の『青春のトマト焼そば』をオマージュした一品です。
公式サイトに5つのこだわりが記載されているように、本家『青春のトマト焼そば』は中央市産のトマトと山梨県産の甲州富士桜ポークを使用することが条件となっています。でも、「あえて他所のトマトを使用」したことが“背徳”たる理由。ヤマハ・ビーノ(に似てる)スクーターに乗る志摩リンと並ぶ、もうひとりの主人公、ピンク髪の各務原なでしこのパパが命名しました。
ちなみに作中では『トマト焼きそば』表記となっていますが、『青春のトマト焼そば認定委員会』は“き”の文字を抜いた『トマト焼そば』で商標登録しているそうなので、本記事ではそちらに統一しています。
“野クル”こと野外活動サークルの部長を務める大垣千明が「トマトの旨みがすげえ凝縮されててヤバい。今まで食ったキャンプ飯で一二を争う美味さかもしれん! コレは家でもう一度作りたいレシピだなぁ」と激賞しています。
さて前置きが長くなってしまいましたが、連日連夜の熱帯夜もあって『トマト焼そば』が気になりすぎて眠れないので、その正体を探るべく、味/成り立ち/食材という3つのポイントで自由研究しました。その結果をお届けするゾ!!
【中央市・青春のトマト焼そば 5つのこだわり】
- 焼そば麺にトマトソースをかけるのが中央市流
- トマトソースには中央市産のトマトを使用する
- 山梨県産甲州富士桜ポークを使用する
- どんなに素材・製法にこだわっても価格は1000円前後に抑える
- どこか懐かしく、食べると元気になる青春の味である
ナポリタンスパゲッティを食べているような不思議な感覚
『ふるさとカフェ シルク』の入り口にはトマトカラーのノボリが飾られていました
てなワケでまず味の調査へと向かったのは、中央市浅利にある認証店『ふるさとカフェ シルク』。
国道140号沿いの『道の駅とよとみ』施設内にあるので、ツーリングやドライブがてら立ち寄りやすいだろうというチョイスです。
営業時間は午前11:00から午後3:00まで。道の駅がオープンする時間を目安に出発した筆者は開店前に到着(笑)。
行かれる方は時間にもお気を付けを。交流促進センターの中にある店舗に向かっていくと完熟トマトを思わせる色のノボリが目に飛び込んできます。
さらに入り口へと歩を進めると券売機上部の目立つところに『青春のトマト焼そば(サラダ付)800円』を発見!
購入した食券をお姉さんに渡して数分、テーブルにトレーが運ばれてきました。
さっそく、ソースの上にトッピングされたミニトマトを口に運ぶと、爽やかな酸味が食欲を掻き立てます。
麺はトマトソースを絡めた時、ちょうど良くなるようにやや薄めの味付け。ソースと絡めるとナポリタンスパゲッティを食べているみたいな不思議な感覚が生まれ、どこか懐かしい気分へと誘われます。一緒に炒められた野菜はシャッキリとした心地良い歯応えでした。
隣接する道の駅内の直売所(直売所甲子園 2009 初代グランドチャンピオン!)でも『レストランシルク発 青春のトマト焼そば(480円)』を売っていたので、ゆっくり食事をする時間がない方やお土産用にはこちらを買ってみても良いかも。
ミニトマトの爽やかな酸味が食欲を掻き立てます。ソースを絡めた時、ちょうど良くなるようにやや薄めの味付け
昭和の喫茶店チェーンで提供されていた大人気メニューを復刻
じっくりと味を堪能したところで、今度はさらなる秘密を探るため、『青春のトマト焼そば認定委員会』に接触を試みました。
認定委員会の河西通友さんによると、このメニューは「昭和40年代〜50年代に山梨県内にあったケーキチェーン『キネドールきねや』の喫茶店で提供されて大人気だったソース焼きそばの上にミートソースをかけた『ミート焼きそば』を復刻したもので、山梨県内で育った50代以上の多くの方が、若い頃や子供の時に食べた味」なんだとか。
中央市商工会青年部が「ブランドトマトの開発」「トマトを使ったオリジナル商品の開発」を軸に特産品のトマトを活用して市を盛り上げていこうという『中央市トマトでまちづくり10年計画』を進める過程で、これまで市のお祭りで販売していた焼そばに地元のトマトを使ったミートソースをかけてみてはどうだろうか? と試作を重ね、2007年に誕生したのが成り立ち。
「何年か前の連載に初めて『背徳のトマト焼そば』が出てきた際は、コロナ禍でPR活動自体をあまりしていなかったこともあって反響は少なかったですが、2024年4月に私を含めた3名で『青春のトマト焼そば認定委員会』を立ち上げ、公式ウェブサイトと公式Xをスタートしたところ、そのタイミングでアニメのSEASON3がスタートしたんです。作中で『背徳のトマト焼そば』が登場すると、『トマト焼そば』がXでトレンド入り、公式Xの投稿もたくさんシェアされ、公式サイトへの訪問者も激増。さらに『ゆるキャン△』ファンが認証店一覧を見て実際にお店に食べに行ったという報告が多く見られるなど、大きな反響がありました」と活動にも手応えを感じているご様子。
トマトは夏が旬のイメージですが、「中央市のトマトはその多くがハウス栽培なので、年間通じて入手することが可能」なので、1年中、自慢のB級グルメを楽しむことができるのです。
「山梨県中央市は都市と田舎が同居している町で、豊かな自然があり、トマト以外にもとうもろこしや桃、ブドウなどの農作物の生産が盛んです。ぜひ中央市にお越しいただき、『青春のトマト焼そば』とツーリングを楽しんでほしいですね」
「まだ現時点で明確な計画はありませんが、スタンプラリーも含め、認証店参加型の企画は視野に入れています」ということなので、認証店を順に巡って、各店舗の個性を味わってみるのも楽しそうです。
『青春のトマト焼そば認定委員会』ではオリジナルキャラクターの『とまチュウ』を使ったアイテムも展開している
“野クル”メンバーがトマトを調達した『あけの農さん物直売所』
“野クル”ご一行がトマトを求めてやって来た北杜農産物販売所(モデル地:あけの農さん物直売所)』
お次は食材ということで、作中で“背徳”たる理由となった「他所のトマト」を“野クル”メンバーが調達した『北杜農産物販売所(モデル地:あけの農さん物直売所)』を直撃しました。
ストアマネージャーの福田律子さんによると「アニメのSEASON3が放送された前後、ありがたいことに作中で扱われた『訳ありトマト詰め放題』に関するお問い合わせを多くいただいたんですが、残念ながらその時期はちょうどトマトが作替え時期だったため、店頭になかったんです…。でも代わりにトマトの加工品を買ってくださる人が多く、『再開したらまた来ます!』と言ってくださる方もいらっしゃいました」とのこと。
現在は『訳ありトマト詰め放題』が再開されているので、今なら作品を確認して“背徳”の味を忠実に再現することが可能。山梨県が運営する『やまなしの食データベース 』でもレシピを公開中なので、そちらも参考になる。
2024年7月末時点では隔週の土曜日に開催されているようですが、イベント等の関係で前後に日程がズレたり、トマトは生もののため、詰め放題ができるだけの量が収穫できた日の実施となるそうなので、お目当ての方は公式Facebookページを要確認。今の時期は「たくさんトマトを用意できない場合もありますので、お早めの来店がよろしいかと思います」とのこと。
自社農園のトマトを使い、『背徳のトマト焼そば』の味を再現したトマトソースも好評だそうです。
「『ゆるキャン△』でトマトが紹介されたことが大きいですが、規格外品を無駄にしないため、フードロス削減の目的もあります。作中のレシピにほぼほぼ近いと思いますし、大変美味しくできましたので、キャンプのお供にぜひ!」とアピールいただきました。
『あけの農さん物直売所』はオープン当初よりバイクユーザーの利用が多く、直売所のある北杜市周辺はツーリングにもピッタリ。
「『ゆるキャン△』に載せていただいたことが一番の理由ですが、東京方面から当店に至る、韮崎市から北杜市の増富温泉へと抜ける『増富ラジウムライン』というルートが、信号も少なく、景色も良くて走りやすい! とバイク乗りの方に人気があるようです」と福田さん。
「間もなくこのあたりはひまわりでいっぱいになります。ツーリングやドライブついでに聖地の当店でひと休み。ひまわりを見て、そのまま次の聖地『みずがき山自然公園キャンプ場』へ行くのがオススメです。ご来店お待ちしております!」
筆者が掴んだ情報によると、委員会の認証店以外にも元祖『キネドールきねや』の流れを汲む元チェーン店が山梨県内に点在するんだとか。
現地に行って食べても、キャンプツーリングで自分で作っても楽しめる『トマト焼そば』。トマトが美味しい夏の盛り、『ゆるキャン△』ファンのそこのアナタもぜひ自由研究に取り組んでみては?
「これ、野菜がスゴく美味しいよ(恵那)」「このトマトがカレーにめっちゃ合うわー(あおい)」「野菜がキラッキラ輝いてる!(千明)」とベタ褒めした『地元の野菜たっぷりカレー(季節の野菜カレー)』は2階のレストランで食べられる
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