【バッテリーを交換しながら走り回れ!】ヤマハの新型電動スクーター「JOG E」’25モデル試乗レポート

2002年に二輪量産車初の電動二輪車パッソルを登場させ、続く2005年には電動二輪車第二弾のEC-02を発売するなど、早くから電動二輪車に取り組んできたヤマハ。2025年12月に登場したのは原付一種スクーター“JOG”の名前を受け継いだJOG E。しかも、面白いことにこのJOG E(ジョグ イー)は現行のJOGシリーズ同様、車体はホンダからのOEM供給を受けており、共通の着脱可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を動力用電源としている。いったいどんな電動二輪車になっているのだろうか? フリーランスライターの谷田貝 洋暁が航続距離含めてテストしてきた!!
●文:谷田貝 洋暁 ●写真:真弓 悟史 ●撮影協力:ライコランド TOKYO BAY東雲 ●BRAND POST提供:YAMAHA [Y’S GEAR]
2025年12月から“東京・大阪の地域限定先行販売”が開始されたJOG E。販売価格は15万9500円とかなり安く感じる(しかも、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金〔CEV補助金〕対象車両で2万3000円をキャッシュバック!)が、これはバッテリーを含まない車両価格で、運用にあたっては「Gachaco(ガチャコ)」が提供するバッテリーシェアリングサービスの有償契約が別途必要となる。
カラーリングは写真のライトグレーと、試乗を行ったダークグレーの2色展開。バッテリーや充電器も車両と一緒に購入できる通常販売も2026年後半から開始予定となっている。
ホンダのバッテリーシステムを使った電動二輪車・ヤマハ「JOG E」
車両区分は原付一種相当で四輪免許か原付一種免許があればJOG Eを運転することができる。
電動二輪車はもちろん、ポータブル電源や農業ロボット、投光器、小型建機などの使用実績がある着脱可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」。この「Honda Mobile Power Pack e:」を使ったヤマハの電動二輪車が今回紹介するJOG E(ジョグ イー)だ。
このJOG Eは、バッテリーシステムや駆動の要となるインホイールモーターはもちろん、フレームなどの車体に関してもホンダからOEM供給を受けており、ヘッドライトなどのフロント周りのデザインやカラーリングをヤマハが担当している。
車格に関しては、既存の原付一種とほぼ変わらないサイズ感のJOG E。
車体に関してはホンダの電動二輪車EM1 e:(イーエム ワン イー)をベースとしており、最高出力などの数値も一緒なら、1充電あたりの航続距離も一緒。車体に関しても車重だけは93kgと1kgほどJOG Eの方が重いものの、1300mmの軸間距離から最低地上高、シート高といった数値まで一緒となっている。
ガソリンやオイルといった揮発成分を使わないので匂いの発生がなく、室内保管やトランスポートもしやすいJOG E。
ホンダのEM1 e:と大きく異なるのはフロントまわりのデザイン。ホンダのEM1 e:はヘッドライトがカウルにビルトインされているのに対し、JOG Eのヘッドライトはスクーターとしてオーソドックスなデザインのハンドルマウントを採用。またフロントカウル部分には、フロントバスケットなどのアクセサリーの装着を想定した取り付け穴が設けられている。
エンジン駆動の車両とは違い、電動二輪車は音もなくスルスルと走る感覚が新鮮!!
またホンダのEM1 e:との違いは、販売形態で2026年1月現在、JOG Eは15万9500円という戦略的な価格が設定されていること。この価格は車両のみの単体発売で、バッテリーや充電器は付属しておらず、運用にあたっては「Gachaco(ガチャコ)」が提供するバッテリーシェアリングサービスを利用するのが特徴。この「Gachaco」とは、ENEOSホールディングスと国内大手バイクメーカー(ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハ)が出資して設立した企業で、電動バイクのバッテリーを街中のGachacoステーションにて交換できるサービスを提供。
つまりJOG Eは、家庭などでの充電は行わず、ガソリンスタンド代りにGachacoステーションを利用してバッテリーを交換しながら走り続けるような使い方をする乗り物になっている。ただこれはあくまで先行販売のテストケースで2026年後半には、車体とともに、「Honda Mobile Power Pack e:」のバッテリーや専用充電器のセット販売もスタートする予定だ。
2026年の後半からは、写真の充電器と着脱可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」とのセット販売もスタートするが、Gachacoでは充電器貸出サービスもある。ちなみに充電時間は6時間ほどで、充電時には冷却ファンが布団乾燥機ぐらいの音を立てる。
ちなみにGachacoステーションの利用料金は、「Honda Mobile Power Pack e:」使用料が月額2530円/本で、専用バッテリー充電器が月額1430円/台。これに1充電あたり99~110円の利用料がかかる。
シティコミューターとしての使い勝手は必要にして十分
ほぼ無音なので、路地裏など生活圏での運用がしやすい。
JOG Eで走ってみて特徴的だったのは、排気音がしないという電動二輪車の特性だ。免許区分が原付一種であることもあり、JOG Eの運用は都市部が中心となると思われるが、音が静かであれば早朝や深夜の使用でもご近所に迷惑をかけず、歩行者に威圧感を与えずに済むというところが、何よりのアドバンテージになる。
サイズ感は50ccの原付とほぼ一緒。
また車体の取り回しや足つき性は、ほぼ既存の原付一種クラスの乗り物と一緒であり、これまでの50ccクラスの乗り物からの乗り換えもスムーズにできそうだ。電動二輪車だからといって格別車体が重いなんてことはなく、駐輪場などでの押し歩きもスイスイ。
車両重量は93kgで押し歩きも軽い。
走行性能に関しては、電動二輪車だからといって運転操作が特別難しいなんてこともない。これまで原付一種クラスの50ccモデルに乗ってきたライダーの乗り換え車両としてはもちろんだが、“初めて免許を取った”というビギナーライダーにとっても十分扱いやすい車両になっている。
コンパクトなJOG Eは、狭い路地裏などが走りやすく、また駐輪スペースもとらない。
実際、走行性能に関しても原付一種クラスの50ccモデルに準じるという感じである。250ccや400ccクラスのファンモデルとはコンセプトが異なるシティコミューターであり、性能に関しても通勤・通学、または日々の足として使う分には全く過不足がない印象。発進スタートの力強さや登坂時のパワーに関しても、原付一種クラスの50ccモデルに遜色ない走行性能が与えられている。
気になるJOGEの1充電あたりの航続距離はどのくらい!?
ガソリンを補給すればいくらでも走り続けられるガソリン車と違い、都度充電が必要になるバッテリーEV車で気になるのは1充電あたりの航続距離である。ヤマハによる公式発表によればJOG Eの1充電あたりの走行距離は53kmとのことであるが、これはあくまでフラットな場所で、30km/hの速度を維持し続ける定地走行での数値。実際の交通環境では、より負荷のかかる上り坂もあれば、信号によるゴー&ストップや頻繁なスロットル操作も必要になる。JOG Eは実際の交通環境の中でどのくらい走り続けられるのか? 試してみることにした。
実際の公道環境でJOG Eの1充電あたりの航続可能離を確認。筆者の体重は75kgで走行モードは「STD」に固定、スロットル操作に関しては特にエコ運転などの手心は加えない……という条件でテストした。
テストにあたっては、東京・上野にあるヤングマシン編集部からバッテリー満充電の状態で発進。走行モードには、最高速や出力特性が控えめになり航続距離が伸ばせる「ECON」と通常モードの「STD」があるが、「STD」を使用。
走行環境は、筆者の自宅がある千葉方面に向けて幹線道路や主要国道を使用。30km/hの法定最高速度を気にしながら、極力車の流れを邪魔しないように心がけ、特に電費を気にしたスロットル操作や“ブレーキレバーは極力握らない”なんていう運転操作はいっさい行わない。まぁ、難しいことを考えずフツーに走った。
JOG Eは車体のみの販売(2026年後半よりバッテリー&充電器もセットにした販売を開始予定)で、運用にあたっては、「Gachaco(ガチャコ)」が提供するバッテリーシェアリングサービスを利用。現状、JOG Eは、この自動販売機のようなGachacoステーション(24時間無人運用)をガソリンスタンド代りに繋いで走ることになる。
バッテリーを交換できるGachaco(ガチャコ)ステーションは、今回撮影で利用したライコランド TOKYO BAY東雲店をはじめ、東京都42か所、埼玉県2か所、大阪府7か所に設置されている。
……ということで気になるJOG Eの航続距離は、満充電状態から「STD」モードで完全な電欠になるまで走ってみると43.1km。公表値の53kmよりも10kmほど少ない数値となった。しかも、この数値は「亀のマーク」出力制限がかかって思うように速度が出せなくなった状態で9.2㎞走ったうえでの数値。体重75kgの筆者の場合、電欠などの余計な心配をせずに走り回れる距離は30km強といったところのようである。
ちなみにバッテリー残量50%時の走行距離は18.7km、同40%での走行距離は22.2km、同10%での走行距離は33.3km。出力制限の「亀のマーク」が点灯したのは33.9km地点で、その後は走行距離36.6kmでバッテリー残量が0%表示に。そのままダラダラと走り続けると、最高速が20km/h、15km/hと徐々に遅くなり、トリップメーターが43.1kmを刻んだところで完全に前に進まなくなった。
BEV=バッテリーEV「JOG E」のディテール
ホンダのEM1 e:(イーエムワン イー)と車体を共有しており、フロントフェイスのデザイン&配色、デカール以外は共通。最大の相違点はヤマハのJOG Eはヘッドライトの照射向きがハンドル操作に追従するハンドルマウントになっているところ。
ハンドル幅はコンパクトな680mmでいわゆる原付一種的なサイズ感になっている。丸型のメーターには、速度、バッテリー残量(%表示)、オド、トリップ、時計。バッテリー残量低下などの出力制限時には左上に「亀のマーク」が表示される。走行モードは「STD」と「ECON」の2種類で、「ECON」にするとメーター上部のインジケーターを点灯し、加速特性がマイルドになり最高速が30km/hに制限される。
電動二輪車 JOG Eのポジション&足つき考察
シート高は740mmと低めなうえに、車体もコンパクトなので足つき性はよく、両足で支えると踵までべったり付いてなおかつ膝の曲がりにも余裕ができた。ポジションに関しては、膝周りなどに窮屈感はなく、平均的な体格の成人男性が跨っても窮屈には感じなかった。
テスター:谷田貝 洋暁【身長172cm/体重75kg】
JOG E (ZAD-EY01)の主要諸元
■全長1795 全幅680 全高1140 軸距1300 シート高740(各mm) 車重93kg(装備/バッテリー含む) ■交流同期電動機 0.58kW 2.3ps/540r/min 9.2kg-m/25r/min 走行距離53㎞(30km/h 定地走行) ■ブレーキ F=ディスク R=ドラム ■タイヤ F=90/90-12 R=100/90-10 ●価格:15万9500円(運用にあたっては「Gachaco(ガチャコ)」が提供するバッテリーシェアリングサービスの有償契約が必要)
JOG Eとベース車体を共有するホンダ・EM1 e:(イーエム ワン イー)。
【TESTER:谷田貝 洋暁】
『レディスバイク』、『Under400』、『タンデムスタイル』など、初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライターで、二輪各媒体に寄稿したバイク試乗記事は1500稿超。“無理”、“無茶”、“無謀”の3無い運動を信条としており、毎度「読者はソコが知りたい!」をキラーワードに際どい企画をヤングマシン編集部に迫る。
※本記事はYAMAHA [Y’S GEAR]が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。


















































