【異次元の安定感と制動力で街乗り最強!?】ヤマハ トリシティ125 2025モデル試乗レポート

’14年にヤマハのLMWシリーズ第1弾として登場したトリシティ125。登場から約10年を経たところでスタイリングを一新するモデルチェンジを敢行!! 今回はデザイン&メーター周りが新しくなったトリシティ125を街中での使い勝手を中心に見ていこう!!
●文:谷田貝 洋暁 ●写真:富樫 秀明 ●BRAND POST提供:YAMAHA [Y’S GEAR]
外観をスタイリッシュにリニューアルしたトリシティ125
ʻ25年9月に、フロントマスク、サイドカバー、テール周りのデザインを刷新したトリシティ125。
前回のトリシティ300に続き、今回試乗を行うのも前2輪を持つLMWシリーズのトリシティ125。ちなみにLMWとは、リーニング・マルチ・ホイールの略で、その名のとおりバイクと同じように“リーン(lean/傾斜)”して旋回する“多輪(Multi Wheel/3輪以上)”乗り物を表すヤマハの造語だ。
今回のモデルチェンジでスタイリングを大きく変更。縦に長かったヘッドライトのデザインが横型の「Y字」となり、樹脂フェンダーの形状も変更。ビルトインタイプだったフロント側のウインカーが独立式となった。
これまでヤマハでは、「トリシティ125(ʻ14)」、「トリシティ155(ʻ17)」、「ナイケンシリーズ(ʻ18)」、「トリシティ300(ʻ20)」と、4つのLMWモデルをリリースしており、トリシティ125は、その先駆けとなったモデルでもある。
サイドカバーはクロスオーバーイメージのフェンダーアーチを設けるとともに、テール周りのデザインも大刷新。
ʻ14年の登場以降のモデルチェンジの変遷としては、ʻ18年モデルでVVAエンジンを搭載し、ʻ23年にアイドリングストップ機能やスマートキーとともに、より自然なコーナリングのためのアッカーマンジオメトリを採用。その一方でスタイリングに大きな手を入れるのは今回のʻ25モデルチェンジが初となる。
走行インプレ
ヤマハのLMWシリーズに共通する特徴は、「①路面状況の変化に強い」、「②凸凹などの外乱の受けにくさ」、「③前後輪の荷重バランスのよさ」、「④類い稀な安定性の良さ」、「⑤二人乗りのしやすさ」といったところだが、これらは前回のトリシティ300の回でしっかり書かせていただいたのでそちらをご覧いただこう。
今回は、街乗りメインインプレッションということで通勤・通学を想定したラッシュ時の幹線道路走行や都心部での移動に加え、路面電車の軌道があるような路面も走行してみることにした。
前2輪ということはフロントタイヤの接地面が左右にあるということ。片輪が砂利や濡れたマンホールを踏んでももう片輪が地面を捉え続けてスリップしない。
通勤時間帯の幹線道路を走ってみた印象は、ずいぶん記憶にある初期型のトリシティ125より速くなった印象を受けた。登場時のトリシティ125はちょっと車体が重めというか、あまりシグナルダッシュが得意ではなかった印象があるが、’18年に搭載した可変バルブタイミング機構を搭載したVVAエンジンとなったことで発進時の加速の良さと高回転側の伸びが両立。前2輪という重さのハンディがあるにもかかわらず、他の125ccクラスと引けを取らない発進時の瞬発力に加え、他をリードできるくらいの高速側の伸びを手に入れている。
回転するタイヤが2つあるLMWは、旋回時の安定感が高く、曲がりやすい。
またトラックの多い幹線道路にありがちな停止線付近のアスファルトのうねりや凹凸も前2輪のLMWならなんのその。左右の車輪が路面からの突き上げをいなすので車体のふらつきが極端に少ない。混雑した道を走ることが多い通勤・通学用マシンとしてこれは結構なアドバンテージだ。
路肩にある縁石のような段差を乗り越える場合も、フロントタイヤが1輪だと進入角度によっては弾かれてしまうことも多いが、前2輪のLMWならスムーズに進入可能。
それに左ブレーキレバーを握った時に作動するコンビブレーキの効き強烈さもやはりLMWならでは。125クラスのトリシティ125も同様で、急な飛び出しに出会ったような場合にブレーキレバー(特に左)さえ握り込むことができれば“転ばず”に止まることができる可能性がとても高いのだ。
激しい凹凸があるような路面電車の軌道を横切るような場合もLMWなら鼻歌混じり。
交差点の右左折やコーナリング時の安定感が高いのも前2輪のおかげ。晴れの日のドライ路面ばかりとは限らない通勤・通学。交差点に砂が溜まっていたり、雨天時のウエット路面でもトリシティ125なら気負うことなくリラックスして走り続けられるというわけ。前走者に対向車、歩行者に自転車と、とかく不確定要素が多い街中走行。特に皆が何かに向けて急ぐ時間帯を走る通勤・通学で使うなら、LMWモデルのトリシティ125は“安心”、“安全”という一つのアドバンテージになる。
2025モデルからターンバイターンのナビゲーション表示が可能に!!
4.2インチTFTカラー液晶ディスプレイはメーターのデザインテーマは2種類から選べる。
新型トリシティ125が得たTFTカラー液晶ディスプレイのハイライトは、スマートフォンとコネクトすることで、ターンバイターンナビゲーションが表示できることになったことだ。ʻ23年のモデルチェンジでスマートフォンとの接続機能は得たものの、ターンバイターンナビゲーション表示を搭載したのは今回が初。
スマートフォンにBluetooth接続することで、「音楽」、「ナビゲーション」、「通知」といった機能が使えるようになる。
今回の試乗ではスマートフォンに加え、スマートフォンに接続したBluetoothインカムを用意して実際にナビゲーション機能を使ってみたが、意外と使えるというのが正直な感想だ。目的地検索に関してはスマートフォンのY-Connectアプリの地図から設定する他、アプリにお気に入りの場所や自宅を登録しておけば、左スイッチボックスからの操作で目的地を設定することも可能。
この他、バイクの「駐車位置(イグニッションをオフにした場所)」や、走行経路や距離、燃費などがスマートフォン上で見返せる「ライディングログ」機能なども搭載。この「ライディングログ」機能には所用時間や速度なども記録されるので、通勤・通学などで最短のルートや混雑の少ない最速ルートを探し出すのにも役に立ちそうだ。
ターンバイターンナビの表示画面は3種類。目的地を設定すると矢印と距離による案内がスタート。ナビの下部セクションには「次のナビゲーションポイント」、「目的地までの距離と時間」といった情報を表示する。
ちなみにアプリのナビ機能はGoogle社提供とのことなので、ナビ精度はGoogleナビに準じる。音声案内だけで運用すると右左折の音声案内を該当交差点通過中に行うことがあったりするが、メーター画面に「○○m先を右」といったナビゲーションの表示が出ていれば、右左折ポイントの見当がつけやすい。しっかり初見の道でも使える機能になっていた。
スマートフォン側の負担に関しては、地図などの大きなデータの事前インストールは必要ないものの、ターンバイターンナビゲーション中は常時通信を行うのでバッテリーの消耗も早くなる。コックピットにあるUSB Type-Cジャックで充電しながら運用した方がよさそうだ。
トリシティ125のディテール
トリシティ125の足つき&とりまわし
テスター:谷田貝 洋暁【172cm/体重75kg】
シート高770mm。トランクスペースのあるスクーターなので、両足をつこうとすると太ももはそれなりに広げられるが、そもそもシート高が低めなので両足の踵がなんとかつくぐらいの良足着き性。お尻を前にずらせばさらに足着き性はよくなる。フロアボードはステップスルータイプなので乗り降りもしやすい。
主要諸元■全長1995 全幅750 全高1215 軸距1410 シート高770(各mm) 車重173kg(装備)■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8000rpm 1.1kg-m/6000rpm 変速機形式CVTオートマチック 燃料タンク容量7.2L■ブレーキF=ディスク×2 R=ディスク ■タイヤF=90/80-14×2 R=130/70-13 ●価格:57万2000円
【TESTER:谷田貝 洋暁】
『初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライターで二輪各媒体に寄稿したバイク試乗記事は1500稿を超える。LMWの安定感と走破性の高さには心底惚れており、チェーンを装着しての雪道走行をNIKENとトリシティ155で成功させた他、トリシティ125ではブロックタイヤに換装してモトクロスコースも走ったことがある。
※本記事はYAMAHA [Y’S GEAR]が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。






































