販売好調のロイヤルエンフィールド、その秘密はどこにある?〈アジア太平洋市場事業責任者インタビュー〉

  • BRAND POST[PR]: ロイヤルエンフィールド

2023年の1244台から、2024年の1777台(JAIA調べ)と、日本での販売台数を大幅に伸ばしているロイヤルエンフィールド。この好調の理由はどこにある? そして今後はどうしていくのか? 来日したアジア太平洋市場担当事業責任者、アヌージ・ドゥア氏にいろいろと質問をぶつけてみた。

●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:真弓悟史/ピーシーアイ ●取材協力:ピーシーアイ ●BRAND POST提供:ロイヤルエンフィールド

ニューモデル攻勢は一段落。これからは収穫の時期

REのアジア太平洋市場担当事業責任者という肩書のアヌージ・ドゥア氏。今回の取材は3/28〜30に開催された東京モーターサイクルショーの会場にて行った。

日本におけるロイヤルエンフィールド(以下RE)の販売が好調だ。2024年の販売台数は1777台と、2023年の1244台から約4割増という驚きの数字を記録。販売の中心となっているのはメテオやクラシックなどの350cc系だが、ここ3年で10機種以上という、超積極的なニューモデル攻勢がその原動力となっているのは間違いない。このペースは今後も続くのだろうか。

「おっしゃるとおり、我々はここ数年、とても積極的にニューモデルを投入してきました。これは国際的にREの存在感や知名度を高めるのが目的ですが、2025年の今年がその区切りになるため、その後の投入ペースはややペースダウンする予定です。とはいえ、現状で狙っているマーケットにリーチしきったわけではないので、お客様の反応を見て、新たに狙うマーケットを定め、既存機種を随時アップデートしていきます」

「そういった意味では、能動的なプッシュ型のマーケティングは一段落なのですが、今後は受動的なプル型のマーケティングを進めていく使命があります。つまり今後は楽しい収穫の時期であり、新たなマーケットを探す時期でもある。新製品の投入を控えてラクするわけでは決してありません(笑)」

REがここ3年で発表したニューモデルの一覧(マイナー/カラーチェンジは含まず)。最上段が2022年に登場した機種で、左からスクラム411/ハンター350/スーパーメテオ650。中段が2023年登場のブリット350/ショットガン650/ヒマラヤ450。そして下段が2024年の登場車で、ゲリラ450/ベア650/フライングフリー(RE初の電動バイク/2026年発売予定)。並べると、改めて圧倒的なニューモデル攻勢に驚かされる。

そしてさらに! 2024年に登場し、先日の東西MCショーで日本初公開されたのが、ショットガン650をベースとするクラシック650(左)と、クラシック350の派生機種となるゴアンクラシック350。アヌージさんの話を聞く限り、2025年もまだ数台のニューモデルが控えている?!

REを追うライバルも続々登場しているなか、商品展開も次のステージに移行すると考えていいのだろうか。

「たしかにそうですが、REは他社の競合機種をあまり意識していないのです。そういうデータもあまり見ていない。追うべきものは競合車ではなく、お客様の要望や趣味嗜好。お客様に必要なものをどうやったら提供できるか。それをやってきたからREは成長して来られたと信じています

その好例がニューモデルのベア650です。この車両は純正アクセサリーパーツをとても数多く用意しています。これは『自分は初心者だけどバイクをカスタムしたい。でも、何から始めたらいいのか、どのショップに持っていけばいいのかも分からないという、お客様の声がとても多かったことに対応したものです。

これによって、お客様はより自由にカスタムを楽しめるようになりますし、我々が純正で用意するパーツですから安全性の高さも備えています。お客様がより安心してカスタムで遊べるようにサポートする、そんなREの思いがベア650の豊富なアクセサリーパーツ群には込められています」

ベア650の豊富なオプションを示すカット。外装ドレスアップや積載系パーツなど、じつにさまざまなパーツが用意されている。これらはすべて日本でも購入可能だ。

今後も“ピュア”なバイクを作り続ける

筆者は2024年にもアヌージさんらにインタビューしており、その際に「カスタマーの要望は必要最低限に満たす」という、とても興味深い回答を得ている。

「もちろんミニマムで満足してもらうつもりはないのですが、我々は“必要十分”を提供することが使命だと考えています。大自然の中で友人とバイクを走らせ、自由に楽しむのがREのコア。そのために不要なセーフティデバイスだとか、よく分からないメカニズムを導入することは考えていません。お客様は勝手に付いてきた装備は取り外せませんよね? なのに、その分のお金は支払わないといけない」

REはあくまでも、シンプルで手の届きやすいモーターサイクルを作り続ける。その姿勢は今後も変わらないということだろうか。

「その通りです。REの精神は“ピュアモーターサイクリング”。このピュアという言葉が大事です。純粋な、伝統に基づいたバイクやバイクライフを提供する。この考えは今後も変わることはありません」

伝統に基づいた”ピュア”なモーターサイクル作りを守り続けるRE。手が届きやすく、人とバイクの距離感が近い。そんな考え方が根幹にある。

日本のユーザーはREの真意を理解している

そんなREは冒頭で述べたように、日本での販売台数を毎年のように伸ばしている。アジア地区の責任者として、日本のマーケットをどう見ているのだろうか。

「これは戦略として考えていることですが、今回、来日してディーラーカンファレンスを開催したところ、たくさんの方がREのディーラーをやりたい』と挙手してくれています。今は販売網が限られていますが(サブディーラー6店を含め47店舗)、すべての都道府県にディーラーを持つことで、それぞれの地域特性やニーズにあったサービスを提供できる体制を整えていくことが必要だと思っています

日本では2024年に『One Rideというイベントを各地で開催しました。私は日本の状況を知っていて、会社勤めの方が休暇を取り、こうしたイベントに参加することの難しさを理解していますが、このイベントには1000人ものお客様が集まってくれました。REのストラテジーが浸透していることの現れで、ディーラーが主導してお客様のニーズを捉え、必要なものを提供してきた成果だと考えています」

2024年の9月22日に開催された『One Ride(ワンライド) 2024は、同じ日に世界中のREオーナーが参加するという一大ツーリングイベント。日本でも全国各地のディーラーにより一斉開催(地域によっては雨天順延)された。

日本で好調に売れているのはクラシック/メテオ/ブリットといった350cc車がメインだが、今後は650系を伸ばしたいなどの希望はあるのだろうか。

「その3台の数字が示しているのは、REがクラシックで純粋で伝統を受け継ぐバイクと、日本のお客様が捉えているということです。(筆者が用意した販売台数のデータを指しつつ)このバイクは売れていますが、コピーということは分かる人は分かる。今回、ディーラーを訪問した際、出会ったお客様がそう証言してくれました。日本人のお客様がそれを理解しているのは驚きです。

というわけで、我々は市場に受け入れられるモデルが売れるべきと考えていて、特定のモデルを日本でもっと売りたいという希望はありません。それでも近年は650系が伸びてきており、イメージが変わってきたのも感じています。そこで輸入車という枠組みを超え、今年は日本✕REのようなキャンペーンも行っていく予定です」

2024年・251〜400cc車 販売台数

1 カワサキエリミネーター/SE6127台
2 ホンダGB350/S3994台
3 カワサキニンジャZX-4R SE/RR3568台
4 カワサキニンジャ400/Z400(2022モデル〜)2277台
5 ホンダCBR400R/NX400(2024モデル)1313台
6 トライアンフスピード400/スクランブラー400X1283台
7 ハーレーダビッドソンX3501172台
8 ヤマハYZF-R3/MT-03850台
9 ホンダGB350C698台
10 ホンダCBR400R/400X(2022モデル〜)554台
11 ハスクバーナヴィットピレン401/スヴァルトピレン401430台
12 KTM390デューク356台
13 BMWC400GT303台
14 ロイヤルエンフィールドメテオ350297台
15 ロイヤルエンフィールドクラシック350247台
16 スズキバーグマン400243台
17 ロイヤルエンフィールドブリット350217台
18 BMWG310GS202台
19 BMWG310R144台
20 カワサキニンジャ400/Z400(〜2022モデル)141台
表は二輪車新聞調べの2024年・251〜400ccクラス販売台数。REは14位、15位、17位に固まってランクインしており、この3台だけで合計761台が販売されている。

筆者の個人的な印象になるが、REは鮮やかな色遣いやグラフィックも印象的だ。

「車両のプロジェクトが始まった際にターゲットとするお客様を決めるが、そこにどんな色だったら響くかをまず考えます。さらに言えば、ヒマラヤならこう、ゴアンならこう…と、テーマとなっているものが必ずあり、それに合う色を設定していきます」

今回の東西MCショーで日本初公開されたゴアンクラシック350などは、スカイブルーにオレンジの差し色という強烈な配色。こんなカラーパターン、他のメーカーではまず採用しないだろう。

「安心してください。みんなコピーし始めますから!」(終)

先ほど紹介したゴアンクラシック350。見ての通り、スカイブルーと彩度の高いオレンジのツートーンを纏う。チューブレスタイプのスポークホイールのリムもオレンジとされ、とても華やかだ。

東京モーターサイクルショーでは壇上に登り、プレス向けのローンチも行ったアヌージさん。やや話は逸れるが、REの首脳陣は全員がライダー。ふだんもバイクに乗りまくっているそうだ。


※本記事はロイヤルエンフィールドが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。