中間排気量では世界ナンバーワン!! ロイヤルエンフィールドって何でそんなに売れてるの? 偉い人に聞いてみた!

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今、もっとも勢いのあるモーターサイクルメーカーと言えば、2023年に約90万台を販売し“250〜750ccのミッドセグメント世界No.1メーカー”を自称するインドのロイヤルエンフィールド(以下RE)だろう。販売台数は年10万台ペースで増加しており、さらに新工場の計画も進められている。そんな“イケイケ”なREの首脳陣が来日し、話を聞く機会を得た。

●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:徳永 茂/ロイヤルエンフィールド ●BRAND POST提供:ロイヤルエンフィールド

近代化と90年の歴史、その絶妙ミックス!

【来日した首脳陣にインタビュー】今回、お話を伺ったアヌージ・ドゥアさん(左)とヤドビンダー・シン・グレリアさん(同右)。お二人ともカジュアルなライディングウエアに身を包んでのインタビューとなったが、それには後述する理由アリ!

今回、話を伺ったのはアジア太平洋地域の事業責任者を務めるアヌージ・ドゥアさんと、グローバルの事業統括責任者であるヤドビンダー・シン・グレリアさん。まずは3月15日に日本で発売されたばかりのブリット350のアピールポイントを伺ってみよう。※文章はお二人の発言をまとめたもの

「まず強調したいのは燃料タンクの手書きストライプに代表されるクラフトマンシップです。加えて、全体的にはクラシック感のあるモデルですが、エンジンは完全に近代化されていますし、渋滞した街中でも郊外でも、様々な状況でブリット350は機敏かつ安心感のあるライディングが楽しめます」

「そのうえで、ブリットは1933年に登場し、すでに90年以上の歴史を持つバイクです。当然ながら過去のユーザーも多く、このバイクを情熱的に愛している人たちが沢山います。そうした人たちの要望もデザインに取り入れていることがポイントです」

ROYAL ENFIELD Bullet350

クラシック350をベースにシートやライポジ、カラーリングを変更し、REのオリジンである“ブリット”を再現。中身は最新と思えないほどのビンテージ感が特徴のブリット350。日本でも3月21日にメディア向け発表会が開催され、アヌージさんやヤドビンダーさんらRE首脳陣も出席した(右写真) 。 

【ブリット350】主要諸元■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 349cc 20.2ps/6100rpm 2.75kg-m/4000rpm ■車重195kg(装備) ■タイヤF=100/90-19 R=120/80-18 ■価格:スタンダード=69万4100円 プレミアム=70万1800円

「それは特徴的なタイガーアイ(=ポジション灯)や、ライダーが上半身を直立させ、胸を張って乗れるライディングポジションなどです。全てを変えるのではなく、ブリットとして残すべき部分は残す。近代化されたエンジンも、従来のユーザーが満足できる音や鼓動感を残すことを重視して開発されています」

この新型ブリットは、インドでは既存のブリット愛好家にとても好意的に受け入れられたそうで、それがアヌージさんもヤドビンダーさんも非常に嬉しかったと語る。クラフトマンシップやカルチャー、ライダーコミュニティといった様々な要素を積み重ねてきたブリットは、90年以上を経ても変わらぬ価値で愛される“タイムレス”なモーターサイクルなのだという。

ブリット350の燃料タンクに入るゴールドラインは職人によるフリーハンドで描かれる。ヘッドライト横に配されるポジション灯”タイガーアイ”も歴代ブリットが受け継いできたディテールだ。

1930年代に登場し、90年以上の歴史を持つ”ロイヤルエンフィールド・ブリッド”。時代ごとのアップデートはなされているものの、基本的な雰囲気はずっと踏襲されている。

カスタマーの要求は必要最低限で満たす?

REと言えば、近年の圧倒的な成長スピードを抜きには語れない。インドの14億人という旺盛な内需はあるにせよ、2022年に82万台、そして2023年は90万台という年間販売台数と伸長率は、同じ2023年のBMW(約20万台)やハーレー(同18万台)と比較してみるとその規模が把握できるだろう。“今、もっとも勢いのあるモーターサイクルメーカー”という表現はけっして大げさではないのだ。

この急成長にはどんな要因があるのか? 引き続きアヌージさんとヤドビンダーさんに聞いてみよう。

「まずは我々がカスタマーファーストを貫いていることです。インドではコミューターセグメントが中心の2輪メーカーが多く、REのような250〜750ccのミッドクラスセグメントのメーカーは非常にチャレンジングな存在。野心的な商品をカスタマーに提供できているということです」

「さらにカスタマーの声を聞き、品質やデザインを改善することを全世界で、常に行っています。REはインドとイギリスにテクニカルセンターを持っていますが、この2つの拠点が連携しながら、今後我々が作っていくべき製品は何なのかを調査しているのです」

「しかし我々が提供できたとしても、ユーザーが使ってくれない技術や、使いにくい機能では意味がありません。本当にカスタマーが求めているもの、その必要最低限が何なのかをきちんと把握すること。それはREの車両開発プロセスに直結しています」

発言内の“必要最低限”には補足が必要だろう。REの車両開発には“アクセシビリティ”というテーマがあり、これは親しみやすさや使いやすさといった意味だが、REはこの言葉を車両開発の全てに、価格や性能面も含めて適用させているのだ。

つまり、REは高価すぎて高嶺の花だったり、装備が過多で持て余すようなバイクを作る気はない…ということ。そのためにはユーザーにとって本当に必要なものにフォーカスし、機能や性能を絞り込むことも大切なのだ。

インド南東部の都市・チェンナイ郊外にあるバラムバダガル工場はRE最新最大のファクトリー。設備は見ての通り超近代的で、日本人の品質管理アドバイザーにより日本的な運営が徹底されている。この工場からは40秒に1台の割合で完成車がラインオフされているが、さらに新工場を建設中というから驚く!!

何よりも大切なのはユーザーの生の声

現在、インド国内の3つの工場(タイやブラジルなど5カ国にノックダウン工場も持つ)を合計すると120万台の生産規模を持つREだが、現在建設中の新工場が完成すればそれ以上の生産が可能になる。当然ながら現状の数字にとどまっているつもりはないという。

「そのためには、将来に向けたブランド構築が重要です。多くの会社ではその方法としてテレビでCMを流したり、イベントのスポンサーになるなどのマーケティング活動を行いますが、REはライダーのコミュニティイベントを開催することを重視しています。そこでREに乗る楽しさを体験してもらい、フィードバックや意見を集める。やはり大切なのはユーザーの生の声なんです」

「また、REは従業員の多くがバイク乗りなので、何が欠点で、何が楽しいのかをひとりのライダーとして理解できます。それは首脳陣も全く同じです。我々がこうした席でもビジネススーツではなく、ライディングジャケットにブーツという、すぐバイクに乗れる格好をしているのは、ライダーコミュニティと一緒に活動し、同じ体験をするという気持ちの現れなのです」

首脳陣もバイクに乗りまくるRE

従業員の多くがバイク乗りだというRE。それは首脳陣も全く同じで、アヌージさんもヤドビンダーさんもREで走りまくっている。ちなみにおふたりとも右写真はインタビュー時の服装。見ての通りカジュアルなライディングウエア姿だ。

ホンダGBやトライアンフの400をどう思う?

REがインドで築いたマーケットには今、ホンダGB350(現地名ハイネスCB350)やトライアンフのスピード&スクランブラー400、ハーレーダビッドソンのX440といった競合車が続々と参入している。こうした動きをどう見ているのだろうか。

「それはREが新しいマーケットセグメントを作ることができたからで、ごく自然な流れだと思います。競争が増えることはカスタマーの選択肢が増えることでもあるし、ベストなメーカーが競争に勝ち抜いていくことでしょう」

「しかしREは既にライダーコミュニティとの関係性を構築していて、SNSなどのデジタルで約1100万人のフォロワーがいます。これは競合に対してもダントツです。我々は既に文化を持っているのです」

「繰り返しになりますが、REは野心的な製品をカスタマーに提供し続けてきました。10年前は350ccの数機種しかなかったのに、今では350ccから650ccまで商品レンジは幅広くなり、カスタマーには様々な選択肢が用意されています。それも我々の戦略のひとつです」

逆に、250ccから750ccという、ミッドサイズのセグメントで世界No.1の販売台数を誇っているREが他の排気量クラスへ、つまり他社が築いたマーケットに進出することはあるのだろうか?

「我々はミッドサイズセグメントで収めた成功にとても満足しています。現在はそこに注力しつつ、インドでの成功を他の国でも得ることが当面の目標です。これはすぐに出来ることではないので、忍耐を持ちながら段階的に進めていきます」

「ただし、グローバルマーケットの傾向としては、小排気量からミッドサイズへアップグレードする流れと、大排気量車のユーザーがより使いやすいミッドサイズにダウンサイズするという、2つの流れが見られます。将来的にミッドサイズセグメントのマーケットはさらに広がっていくでしょう。そういう意味で、REは非常に強いポジションを確保していると考えています」

つまりこの先、世界中でREの需要が高まる可能性は非常に強いということだ。年間販売台数が100万台を超すのはもはや時間の問題かもしれない。独自の戦略でモーターサイクル界に強い存在感を示しているREに、今後も注目していきたい!!

「非常に成熟した、ビンテージなモーターサイクルにも理解の深いマーケット」と日本の印象を語るおふたり。今回のインタビューはREの日本輸入元であるピーシーアイの協力の下、3月22日に開幕した東京モーターサイクルショーの会場で行った。ご協力ありがとうございました!


※本記事はロイヤルエンフィールドが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。