2023年FIM EWC開幕戦ル・マン24時間(24 Heures Motos)、完全勝利を果たし、連覇に向けて好発進!

  • 2023/04/18 17:00
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4月15日(土)、16日(日)、ル・マン – ブガッティ・サーキット(フランス)にてル・マン24時間耐久ロードレースが開催され、いよいよ2023シーズンFIM世界耐久選手権(EWC)が開幕した。このレースにおいてF.C.C. TSR Honda Franceは危なげのないレース展開で完勝し、連覇に向けて絶好のスタートを切ることとなった。

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難しいコンディションの公式予選で3番グリッドを獲得。

4月13日(木)午後に行われた公式予選1回目は赤旗による中断やウェットコンディションへの変化など、集中力維持が課題となった。その中、ジョシュ・フックが1分39秒111、マイク・ディ・メリオが1分36秒417をマーク。アラン・テシェの走行時はフルウェットとなり、5番手でセッションを終えた。上位2名のアベレージは1分37秒764で暫定3番手に。

明けて14日(金)の公式予選2回目も相変わらず不安定な天候でライバルの多くが出走を見合わせる中、ジョシュが雨での確認を兼ねてコースイン。1分56秒540を皮切りに周回ごとにタイムを縮め、トップでセッションを終えた。初日の予選で転倒したマイクは出走せず、アランも多くの上位陣同様走らなかった。

この結果、初日の順位でグリッドが決まり、F.C.C. TSR Honda Franceは3番手のグリッドを確保。予選ポイント3を獲得することになった。

1回目の公式予選でわずかなアタックチャンスを活かし、1分36秒417のベストタイムをマークしたマイク
ジョシュは2回目の公式予選で周回ごとにタイムを縮め、最終的に1分51秒台をマーク

1回目の公式予選でマイクがわずかなアタックチャンスを活かし、1分36秒417のベストタイムをマーク。ジョシュは2回目の公式予選で周回ごとにタイムを縮め、最終的に1分51秒台をマークした

8時間、16時間、そして24時間を最上位で通過する完全レースに。

決勝レース朝のウォームアップを1分37秒445の2番手で終えたF.C.C. TSR Honda Franceは公式予選の結果通り3番グリッドから決勝レースに臨んだ。

ポールシッターの#12YOSHIMURA SERTがスタート直後にジョシュと接触し、大クラッシュするという劇的な幕開けに。接触後のジョシュはその影響から慎重にならざるを得ず、また早々と現れた周回遅れや序盤から介入したセーフティカーなどもあり、ペースが安定せず、一時は8番手まで順位を下げた。しかし、トップグループには位置しており、状況が落ち着くとともに順位も回復。続くマイクにトップでバトンをつないだ。

トップをキープしたマイクがアランにそのままトスする頃には#37BMW Motorrad World Endurance Team、#7YART YAMAHAとの3台によるトップ争いが激化していく。このバトルは決勝レースの最初の重要な節目である8時間経過直前まで続いた。しかし、#37BMWがクラッシュで、#7YARTがメカニカルトラブルでそれぞれ順位を下げたことで一旦決着が付き、F.C.C. TSR Honda Franceは8時間をトップで通過し、10ポイントを獲得した。とはいえチームも無傷だったわけではなく、マイクが8時間を目前にして黄旗違反(追い越し)によるストップ&ゴーのペナルティーを受けてしまうわけだが…。

#37とバトルを展開するアラン

#37とバトルを展開するアラン

ライダーは3人とも冷静かつ安定した走りでベストタイムを刻んだ

ライダーは3人とも冷静かつ安定した走りでベストタイムを刻んだ

その後、12時間経過まではマシンがコース上に残ったことによるセーフティカーの介入があったぐらいで、チームとライダーは順調にルーティンをこなし、2位以下に2周以上の差を付けてトップを譲ることなく独走していく。こうなればもはや自らとの戦い。誰もが集中力を切らさないようにしなければならなかった。

移動遊園地が隣接されるのも耐久レースならでは。夜間照明が美しい

移動遊園地が隣接されるのも耐久レースならでは。夜間照明が美しい

今季からルールが変更され、EWC専用の給油装置の使用が義務付けられた。同じく義務付けられた給油キャップをテーマ(?)にストレッチをするジョシュ

今季からルールが変更され、EWC専用の給油装置の使用が義務付けられた。同じく義務付けられた給油キャップをテーマ(?)にストレッチをするジョシュ

さらに、夜明けとともに忍び寄ったのが濃い霧だった。路面は滑りやすくなり、多くのライダーが足元をすくわれるリスクを抱えながらの周回を余儀なくされた。その中でF.C.C. TSR Honda Franceの#1CBRは16時間経過もトップ通過、ここまでで予選から23ポイントを積み上げ、残る8時間でル・マン制覇に向けて走り続けた。

レース終盤の4時間、F.C.C. TSR Honda Franceの3人のライダーは常にベストタイムを記録し、チェッカーフラッグを受けるまで完璧な走りでリードを保って827周を走破。最後のスティントを任されたマイクが自身3度目、チームも3度目となるル・マン24時間優勝のチェッカーを受けた。

夜が深くなるにつれて少しずつ発生していた霧が夜が明けるとより深くなった

夜が深くなるにつれて少しずつ発生していた霧が夜が明けるとより深くなった

トリを務めたのはやはりマイク。拳を突き上げてフィニッシュ!

トリを務めたのはやはりマイク。拳を突き上げてフィニッシュ!

冷静でステディな走り、知的なレースマネジメント、コース上とピットでの圧倒的な優位性により、レースの大半をリードしていたF.C.C. TSR Honda Franceはもっとも美しいと思われる形で勝利を手にした。この結果、F.C.C. TSR Honda Franceは24時間レースにおけるフルポイント65点中63点(レース40pt、8時間・16時間経過各10pt、予選3pt)を獲得し、チャンピオンシップ・リーダーとなった。

表彰を前にマシンの前で勝利を喜ぶ3人。満足の表情だ

表彰を前にマシンの前で勝利を喜ぶ3人。満足の表情だ

もはや言葉は不要。ル・マンのトロフィが日本に渡るのも3度目となる。銘板には歴代優勝の年号とチーム&ライダー名が刻まれている。ちなみに要返却です

もはや言葉は不要。ル・マンのトロフィが日本に渡るのも3度目となる。銘板には歴代優勝の年号とチーム&ライダー名が刻まれている。ちなみに要返却です

【コメント】

○チームマネージャー藤井正和

『日本人として鈴鹿8耐は私のホームですが、ル・マンもとても特別なレースで、チームにとってもホームのようなものです。ここで勝てたことは信じられない気持ちです。フランスの人たちが大好きです(*´`*)♡』

ジョシュ・フック – ブルーライダー

『昨年は未勝利でチャンピオンになったが、我々は勝ちたいし、自分たちがベストであることを示したいので、2023シーズン初戦でここで勝てたことは信じられない! 勝利のパッケージを作り上げたチームに祝福を送りたい。マシンは完璧でこれ以上を望む必要もなかった。運も良かったけど、この冬に行ってきた作業を考えれば当然の結果だろう。24時間レースでマシンもピット内でもコース上でもなんの問題もなく走れることは滅多にないことだ』

○マイク・ディ・メリオ – イエローライダー

『素晴らしいレースだった。冬の間、懸命に働いてくれたチームのおかげでマシンは完璧で、すぐに速くなった。ただ、とても寒く、コース上では何人かのライダーと大きなギャップがあり、ミスが起こりやすい状況だったので集中力を切らさないようにしなければならなかった。しかし、ピットではチームがよく頑張ってくれたし、シーズンを勝利でスタートできたことは素晴らしいことだ! とはいえ、これからが一番大変なんだ。この先もできるだけ多くのポイントを獲得してこのナンバーワンを維持するよ』

○アラン・テシェ – レッドライダー

『24時間レースで優勝するのは2回目ですが、僕にとってはすごいことなんです。2018年に同じF.C.C.チームでここで優勝してシーズン終盤にタイトルを獲得しましたが、再びその表彰台の頂点に立てたことをとても嬉しく思っています。信頼してくれたホンダ、藤井サン、チームメイトに本当に感謝したいですし、今年もタイトルを獲りたいと思います!』

ジーノ・リアが元気な姿を見せ、パレードラップに参加。

スタートに先立って行われたセレモニーでジーノ・リアがパレードラップを披露した。

ジーノは昨年の鈴鹿8耐、トップ10トライアルを前にした練習走行中にクラッシュ。7日間にわたって昏睡状態に陥り、生命の危機に直面したが、リハビリに取り組み始めると驚異的な回復をみせ、7カ月後には再びバイクに乗れるように。そして今回、まずグリッドに整列したライバルとそのチームから祝福を受けるように整列した横をチームのレザースーツを着て市販Honda CBR1000RR-R Firebladeを駆って通過。ダンロップカーブに向かって発進し、拍手と声援を受けながらサーキットを1周した。

ジーノ・リアのコメント

『チームといっしょにここにいることができて、とてもうれしい。もちろん、パレードラップをするのはとてもいいことだけど、レザースーツを着てここでレースをしたいとも思うから難しい気持ちだね』

怪我から完全に回復するまでの間もジーノは来たる24 Heures Motosに出場することを望んでいたという。

奇跡の回復を遂げたジーノがブガッティ・サーキットを1周。サーキットは温かい拍手に包まれた

一大勢力となった今シーズンのHonda勢。

今回の開幕戦には計7台のHonda CBR1000RR-R Fireblade SPがエントリー。レースウィークに入り、グリッドに着いたのはEWCクラスが2台、SSTクラスが4台の計6台となったが、Honda勢がこれだけ多く参戦するのはFIM EWC史上初。1975年に国際耐久レースへの復帰を決意したHondaが47年の時を経て再び常勝軍団となる物語が始まろうとしている。

次戦は6月17日(土)・18日(日)が決勝の24H SPA EWC Motos。

第2戦スパ24時間耐久ロードレース(24H SPA EWC Motos)は6月15日(木)〜18日(日)にスパ・フランコルシャン・サーキット(ベルギー)で開催される。このレースでさらにリードを広げ、自信を持って日本に戻れるようにしたい。


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