
ホンダが、大型ロードスポーツバイクを代表するプロダクトブランド「CB」の次世代コンセプトモデル「CB1000F SE コンセプト」を、「2025 FIM 世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会」のホンダブースにおいて世界初公開すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部
CB1000F SE コンセプトが新たに登場
2025年3月の大阪モーターサイクルショーで世界初公開された「ホンダCB1000Fコンセプト」。
往年の名車CB-Fを想起させるだけでなく、新時代のスタンダードバイクとしての役割を併せ持つ、ホンダ入魂の1台だ。
市販モデルの正式発表が待たれる中、なんと新たなコンセプトモデルの情報が飛び込んできた。
ホンダはCB1000F SE コンセプトを鈴鹿8時間耐久ロードレース(8月1日〜8月3日)のホンダブースにて世界初公開するという。
CB1000F SE コンセプトのシルエット。
ヘッドライトカウル付きのCB-Fと言えば
SEは「CB1000F コンセプト」をベースに、ヘッドライトカウルを追加するなど外観の充実を図り、CB1000F コンセプトのトラディショナルなプロポーションをさらに引き立てたモデルだ。
ヘッドライトカウルと言えば、CB-Fシリーズで唯一キャストホイールを履き、大型の角型ヘッドライトを収めるビキニカウルを装備した北米仕様の1983 CB1100Fを思い出す人も多いのでは?
パイプハンドルは3分割構造で、絞り角を13度の範囲で調整可能。ステップは北米の750/900同様に、アップライトなポジションに合わせたフォワードタイプで、ペダルやペグはメッキ仕上げのスチール製。グラブバーは非装備だ。
カウルを含めCB1000F SE コンセプトは一体どんな姿なのか、8月まで首を長くして待とう。
北米仕様の1983 CB1100F。
CB1000F コンセプトのスタイリングをおさらい
直4&丸目。王道のジャパニーズネイキッドスタイル
直列4気筒エンジンの存在感を際立たせつつ、丸1眼ヘッドライトとオーソドックスな外装。CB1000Fコンセプトのスタイルは、往年のエフらしさを漂わせつつ、ジャパニーズNKの伝統を汲んだ“ザ・王道”だ。
公式発表はないが、エンジンとフレームからCB1000ホーネットがベース車であることは明らか。前下がりで未来的なストリートファイターのホーネットから、普遍的なネイキッドのフォルムを造り上げたことに拍手を送りたい。
伝統の流麗ストリームラインを現代的に昇華
外装はフロントフェンダーなど一部に流用パーツが見られるが、ほぼすべてが専用設計のよう。
やはり白眉は、かつてのCB-Fが採用したインテグレート(一体型)ストリームラインを連想させるスタイルだろう。タンクからサイドカバーを経てテールカウルまで流れるように連なるエクステリアは、往年のCB750F/900Fが元祖。それまでは各部の外装が独立したデザインだったのに対し、往年のCB-Fはすべてを連続させることで革新的なイメージをもたらした。
そして、やや角張ったタンクとカラーリングがエフの血統を主張する。オリジナルのCB750Fと比べると、タンク幅がかなり拡大し、エッジも抑えられている。その一方でサイドビューは、往年のCB-Fより外装の面積が抑えられ、テールの伸び上がり感も強調。軽さと速さを感じさせるフォルムに仕上がっている。
今では一般的となったエフ発祥のストリームラインを現代的に昇華しながら、巧みにエフらしさも残す。それゆえに、先進的なパッケージと、万人が親しめるスタンダードなバイクらしさが違和感なく同居しているのかもしれない。
今では一般的となったエフ発祥のストリームラインを現代的に昇華しながら、巧みにエフらしさも残す。それゆえに、先進的なパッケージと、万人が親しめるスタンダードなバイクらしさが違和感なく同居しているのかもしれない。
丸1眼LEDヘッドライトと角型の液晶メーターを除けば、オーセンティックなネイキッドそのもの。前から見るとタンクは幅広でボリュームがあり、軽快なサイドビューに対してマッシブな印象だ。リヤビューは実にシンプルだが、CB750F/900Fを思わせる角張ったテールライトと、太い1本出しマフラーが個性を主張。タンクやメーター、灯火類など各部に「角」の意匠を散りばめているのも印象的だ。
オリジナルのCB750F/900Fよりサイドカバー&テールがコンパクトかつシャープ。現代的な前後17インチホイールとの組み合わせで、レトロさとスポーティーさが上手く共存している。
今回の車両はウインカー/ミラー/ナンバープレートホルダーが非装備。これらの形状と装着位置で印象は大きく変わるハズだ。
エフの意匠と普遍性の共演
【伝統の角タンク踏襲】スクエアな燃料タンクはエフのシンボル。CB1000Fコンセプトでは元祖 CB-Fよりエッジを抑え、太股が当たる部分に隙間を隠すカバーを備える。タンクは元祖や前回のコンセプトに比べ、幅広で下部にくびれがないが、ダウンドラフト吸気によりエアボックスをヘッド上に置いたことが理由だろう。
【丸1眼LEDヘッドライトは新作か】メッキリムとHONDAロゴ入りのバーを採用したヘッドライトは新設計と思われる。外径はビッグバイクで標準的な205mm。ホーン間は50mmとやや離れ、直径もCB1300より少し小さい。FフェンダーはCBR650Rと同タイプ。※数値は実測
【コンパクトなサイドカバー】サイドカバーはシャープな造形。、元祖CB-Fと比べれば小ぶりながら、タンクからテールへと連なるラインを形成している。左側カバーにシートロックの鍵穴あり。
【大面積タンデムシートで積載性も良好】特徴のある立体的な表皮パターンは、元祖CB750F/900F(FZ、FA)のオマージュ。ただし元祖と違い、タンデム側にステッチ がなく、座面最後部にエンボス加工の「CB」ロゴが入る(小写真)。フラットかつ面積の広いタンデムシートも特徴だ。跨るとしっかりクッション入りで、すでに型ができているとみた!
【控えめながらエビ反りテールを再現】後部が反り返ったテールカウルもエフの特徴。本作は元祖より小型化&シャープな造形としながら、特徴を押さえている。裏側はカバーされていたが、いかにもフェンダーやナンバーステーが装着されそうな雰囲気だ。
【テールランプも“角”を意識】テールカウルはもちろん、 LEDストップランプも専用設計。元祖が横長&大型の四角形状だったのに対し、スクエアさは残しつつ洗練された8角形状とした。バルブは上下に6×2段配置される。ベース車のCB1000ホーネットと同様にエマージェンシーストップシグナルも採用か?(大写真がブレーキランプ点灯状態。左下/右下はそれぞれライトオン/ライトオフ)
【BIG-1を思わせる艶気も】CB1300に比べて、全体的にスリム&コンパクトな車体ながら、ボリューミーなタンク前方からグッと絞り込まれ、シャープにテールへ連なるラインは実にグラマラス。CB1300らBIG-1を彷彿とさせる艶気だ。タンク上部センターの盛り上がった造形も往年のエフらしい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
日本限定カラーの「アイボリー」のスタイング&主要諸元 新型2025年モデルXSR900のトピックスはなんといっても、日本市場だけの限定カラー「アイボリー(正式名称:セラミックアイボリー)」である。往年[…]
350ccクラスの破壊者! 現地価格はハンター350やGB350よりも安い BSAモーターサイクルズが新型モデル2機種を発表した。ロンドン開催の国際発表会で公開されたのは、ティーザー展開されていた「バ[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
日本でも人気、コンパクトな車体と味わい深いエンジンの軽二輪モデル カワサキは欧州において、日本でいう軽二輪のレトロバイク「W230」と「メグロS1」の2026年モデルを発表した。注目はW230のニュー[…]
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
最新の関連記事(CB1000Fコンセプト)
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
※価格や発売時期は独自の情報に基づく本紙予想です。販売店へのお問い合わせはご遠慮ください。 ターゲットはZ900RS。プライスも真っ向勝負?! 5年前に「CB-Fコンセプト」を目にした時の歓喜は忘れら[…]
◆今回のPRO解説者:以前にはネオクラ車の解説記事もお願いしたバイクデザインのプロフェッショナル。1980年代前半に某社に入社したベテランで、オンロード系をメインに排気量の大小を問わずさまざまな機種を[…]
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
随所に漂うエフっぽさ。軽さにも驚く! 思い起こせばCB-Fコンセプトから5年。本当に待ってました(笑)。実車を見て、まず思ったのは、さまざまなところにエフっぽさがあるということ。カラーを見て思わず「お[…]
人気記事ランキング(全体)
4つの冷却プレート&ペルチェ素子で最強の冷却力を実現 「ペルチェベスト」は、業界最先端の半導体冷却技術を採用し、前後4か所に冷却プレートを搭載した新発想の冷却ウェアです。小型冷蔵庫にも使われるペルチェ[…]
スーパーフォアをベースにシリンダー前傾角を変更、フレームも新設計した4本マフラーのトラディショナル感性! 1997年、ホンダは4本マフラーのCB400FOURをリリース。 すでに1992年からCB40[…]
350ccクラスの破壊者! 現地価格はハンター350やGB350よりも安い BSAモーターサイクルズが新型モデル2機種を発表した。ロンドン開催の国際発表会で公開されたのは、ティーザー展開されていた「バ[…]
RCBテクノロジーを継承し誕生したCB900F CB750FOURの登場から10年ライバル車の追撃から復権するためホンダが選択したのは耐久レース常勝のワークスマシンRCB1000の心臓を持ち既存のバイ[…]
CoolMax素材で快適な着用感を実現 「コミネ クールマックスRフルフェイスインナーマスク AK-090」は、暑い季節や激しい運動時でも皮膚の温度を33.3度に近づけてくれる快適吸汗/即乾素材「Co[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキCNチャレンジのファクトリーマシンと同じウイングを装着(一部地域でオプション設定) スズキは、初代GSX-R750から40周年にあたる今年、「GSX-R1000」「GSX-R1000R」の復活を[…]
人気のネオクラシックモデルに、グラフィックデザイナー・加藤ノブキ氏の第3弾 アライの「RAPIDE-NEO(ラパイドネオ)」は、かわす性能を追求した安全性と快適性をクラシカルなデザインでまとめたフルフ[…]
2025年モデル概要:ほぼ全身に手が入った進化版SE 海外では存続していたZ900の上級モデル、Z900SEが国内モデルとしても復活したのは2025年4月のこと。エンジンやフレーム、足まわりに手が入り[…]
日本限定カラーの「アイボリー」のスタイング&主要諸元 新型2025年モデルXSR900のトピックスはなんといっても、日本市場だけの限定カラー「アイボリー(正式名称:セラミックアイボリー)」である。往年[…]
ヘルメット装着で手軽に使えるバイク専用ドラレコ 「MiVue MP30Gps」は、バイクヘルメットに直接取り付けられるドライブレコーダー。これまでの車体取り付け型と違い、視界や操作性を損なわずに取り付[…]
- 1
- 2