
エモーショナルなフォルム。豪快なパワーフィール。圧倒的な量感。妖しいまでの魅力をストレートに表現した「CB」の旗艦、CB1300スーパーフォアが登場したのは、1998年のこと。登場から30年を経ても、その存在は大きく、強く、美しく、変わらずビッグワンであることの誇りに満ちている。そんな一台の歴史を振り返りたい。ここでは、ひとつの節目である「プロジェクトBIG-1」25周年となった、2018年までを取り上げる。
●文:ヤングマシン編集部
1998年モデル:初代1300はとにかく巨大だった
ヤマハXJR1200、カワサキZRX1100といった、CB1000SFを超える排気量のライバル出現で、ビッグネイキッド界は重厚長大化していった。そんな中、ホンダはこれぞ王者の風格とばかりに、マッスルクルーザーのX4譲りの1284ccエンジン搭載でこれに応戦。車格もさらに迫力のデカさとなるCB1300スーパーフォアを世に送り出した。車重は従来比+13kgの273kg。リヤ2本サスにダブルプロリンク機構を用いるなど新機軸も投入された。最高出力は100psだった。
2001年モデル:排ガス規制対応+ブレーキ強化
2001年モデルは二次空気導入装置の採用で排ガス規制に対応。同時にフロントブレーキキャリパーを6→4POT化するとともに各部見直しで5kgの軽量化を果たした。
2003年モデル:FI化を含むフルモデルチェンジ
重厚長大化のトレンドは、世界的にユーザーがその大きさについていけず終了。フルモデルチェンジとなるSC54型では、FI化とともにビッグスポーツネイキッドの原点に立ち戻り、20kgもの軽量化が行われた。フラッグシップとしての迫力を保ちながら、軽快なハンドリングを見せるSC54型は、それから幾度に渡る熟成や派生モデルの登場を行いながら、長らくベースとなった。
2003年型でフルチェンを果たしたSC54型だが、カウル仕様待望の声が高まりだす中、鈴鹿8耐S-NKクラスに出場したマシンをモチーフに100台限定のドリーム店特別仕様も登場(写真左上)。モリワキマフラーやセパレートハンドル、PIAAヘッドライトで武装していた。
2005年モデル:スーパーボルドール追加
2005年には、正式ラインナップとしてスーパーボルドールが登場。アップライトなライディングポジションやインナーパネル両脇の小物入れなどで、高速道路二人乗り解禁と同時にツーリングユーザー中心に絶大な支持を得ることとなった。またSF、SBともにABS仕様が追加された。
2008年モデル:馬力規制撤廃を受けて最適化
2008年モデルで、平成19年排ガス規制適合とともに前年の馬力自主規制撤廃を受けた、ホンダ第1号車としてパワーアップ。しかし、バランスを崩すことをよしとせず、100→101psと最適化に近い仕様変更だった。
2010年モデル:サイドバック標準装備仕様登場
2010年モデルでは、2003年以来のカチ上がったテールカウルが、落ち着きのあるテイストに変更。同時にライディングポジションもアップライトなものとなり、サイドバッグ標準装備のスーパーツーリングを追加するなど、全体的にオトナのユーザーを意識したモデルチェンジとなった。
白バイ車両と同じハンドルやマフラーを採用した、スーパーツーリングのパニアケースはメインキーでロックできるように配慮されていた。
2014年モデル:長距離走行をより快適に
2014年モデルでは、長距離走行の快適性を高めるためにミッションを6速化。トップ&サイドケース装着のためにフレーム剛性バランスも見直された。またスーパーボルドールでは、ホンダのバイクで初めてフルLEDヘッドライトを採用した他、ホイールは10本スポークの新作に。サイドカバー絞り込みで足着き性も向上した。またABSは前後連動が廃止され、通常タイプに変更されたこともトピックだ。
2018年モデル:スーパーフォアもフルLEDライト化
2018年モデルでは、さまざまなマイナーチェンジを果たした。まず、ユーロ4同等の平成28年度排出ガス規制に対応しつつ、最高出力を従来比で7kW向上させたエンジンを搭載。また、スーパーボルドールで先行していた、ヘッドライトのLED化もスーパーフォアで実施された。ウインカーもLED化。アシストスリッパークラッチの採用など、ハードウェアも進化した。
タンクの上の誇らしげな25周年エンブレムは、CB400&CB1300シリーズ全車に貼り付けられていた。
HONDA CB1300シリーズ最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 名車/旧車/絶版車)
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
商品ではなく「こんなこと、できたらいいな」を描く 今回は見た瞬間にハートを鷲掴みにされてしまったモトクロス系のお気に入りバイクカタログをご覧になっていただきたい。 まずはアメリカホンダ製作によるモトク[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
1300ccのX4エンジンで排気量アップ、冷却フィンがついて2本マフラーの出立ちに! 1992年、ホンダはCB1000 SUPER FOUR、別名「BIG-1」で水冷でノッペリしたシリンダー外観のビッ[…]
初の2ストGPマシンNS500を応援するホンダファンは3気筒のエンジンのMVX250Fに目が釘づけ! 1979年、ホンダは世界GP復帰宣言で500ccの4ストロークV型4気筒(当初はオーバルピストン3[…]
最新の関連記事(CB1300シリーズ)
BIG-1が培った価値はホンダのヘリテイジになる ’91年の東京モーターショーに忽然と姿を現したCB1000スーパーフォア。現在のようにネットやSNSもない時代で、事前情報などは一切なく、まさに突然の[…]
CBで戦うことにロマンがあった ’91年の東京モーターショーに参考出品されたCB1000SFのプロトタイプを見たときは、純粋に「カッコイイ!」と衝撃を受けた。そして’92年に市販版が出るや早速手に入れ[…]
デカいバイクに挑むロマンがここにはある これまで何度か噂には上っていたが、遂にそのときがやってきてしまった。’92年の初代BIG-1ことCB1000SFから30年以上の長きに渡り、ビッグネイキッドのみ[…]
ホンダ CB1300スーパーボルドール(2018)試乗レビュー この記事では、平成28年度排ガス規制に対応しモデルチェンジを行った2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月公開時の内[…]
ホンダの大排気量並列4気筒エンジンをジェントルかつスポーティーに TSRは鈴鹿のマフラーメーカー「アールズ・ギア」とともに世界耐久選手権(EWC)を戦い、リプレイス用のマフラーも同社と共同開発していま[…]
人気記事ランキング(全体)
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
快適性とスタイルを両立するスクリーン&バイザー 長距離ツーリングの快適性を求めるライダーにとって、風防効果の高いスクリーンは必須アイテムだ。「ブラストバリアー 車種別キット(スモーク)」と「エアロバイ[…]
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
世界のバイクメーカーをビビらせた初のアドベンチャーモデル オールドファンならご存じのBSAはかつてイギリスで旋風を巻き起こしたバイクメーカー。ですが、1973年には一旦その幕を下ろし、2016年にイン[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
最新の投稿記事(全体)
旅はもちろん、街乗りもしやすい汎用性の高いGS 正直驚いた! BMWがR12G/Sのオフロード適性をここまで高めてくるとは思ってなかったからだ。 BMWのGSシリーズ新規軸・R12G/Sは、あくまで[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
67年前に独自の車体構成で誕生したスーパーカブ 今から67年前の1958年に誕生したスーパーカブC100は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏と専務の藤澤武夫氏が先頭に立って、欧州への視察などを通じて新機軸の[…]
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
- 1
- 2











































