ホンダは欧州で、アドベンチャー風スタイリングを与えられたスクーター「ADV350」をマイナーチェンジし、2025年モデルとして発表した。主要骨格に変更はないが、新たに5インチTFTメーターを採用し、ECU設定などに変更を受けている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
トラコン装備で330ccの『eSP+』エンジンを搭載、スマホ連携5インチTFTメーターを新採用
シティスクーターらしい洗練されたスタイリングと、アドベンチャーモデルのエッセンスを高次元で融合させ人気となっているのがADVシリーズ。長兄はNC750X譲りの2気筒エンジンを搭載するX-ADV、末弟は軽二輪クラスで人気車となっているADV160だ。
これらに続くシリーズ3車種目として2021年秋に発表されたのがADV350だ。
ミッドサイズスクーター市場に投入されたADV350は、車体のベースをフォルツァ350(日本では250版のフォルツァが販売中)と共有。ADVシリーズの兄弟同様にタフなデザインとされ、「ニュー アーバン アドベンチャー」として欧州ではこれまでに2万2000台以上が販売される人気車に育っている。
2025年モデルでは、ハンドリングやエンジンパフォーマンスを煮詰めるとともに、スマートフォン連携機能を持ったRoadSync対応5インチTFTディスプレイを新採用した。
また、フルフェイスヘルメットが2個収納できるシート下スペースには内部を照らすライトを追加。USB充電ソケット付きグローブボックスやスマートキー、4段階に高さ調整可能なウインドスクリーンなど利便性に優れた装備を継承している。
スチール製チューブラーフレームを核とする車体は、ステアリングフィールを改善するよう調整された。φ37mm倒立フロントフォークと、プリロード調整機構が追加されたリヤショックは優れた吸収性を発揮する。
ホイールサイズは前15/後14インチとされ、ブロックパターンのタイヤと相まって(スクーターとしては)走破性も考慮され設定だ。
このほか、エンジンはECU設定とエキゾーストシステムがアップデートされ、最新ユーロ5+規制に適合。WMTCモード燃費は29.4kmで、容量11.7Lの燃料タンクと掛け合わせると約344kmの走行レンジを誇る。このほかウインカーの自動キャンセル機能も追加された。
車体色は全て新色に改められ、特に鮮やかな赤が印象的。価格は地域によるが、英国では据え置きの5899ポンド(日本円換算約113万9000円)だ。
HONDA ADV350[2025 model]
車名 | ADV350 |
全長×全幅×全高 | 2200×895×1295mm |
軸距 | 1520mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 795mm |
キャスター/トレール | 26.5°/90mm |
装備重量 | 186kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 330cc |
内径×行程 | 77×70.8mm |
圧縮比 | 10.5:1 |
最高出力 | 29.2ps/7500rpm |
最大トルク | 3.21kg-m/5250rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | Vベルト無段変速 |
燃料タンク容量 | 11.7L |
WMTCモード燃費 | 29.4km/L |
ブレーキ前 | φ256mmディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ240mmディスク+2ポットキャリパー |
タイヤサイズ前 | 120/70-15 |
タイヤサイズ後 | 140/70-14 |
参考価格(英国の場合) | 5899ポンド |
車体色 | 黒、銀、赤、艶消し黒 |
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