小椋道生・一般社団法人日本二輪車普及安全協会 専務理事

安全・安心・快適・楽しさを日本のライダーへ! 小椋道生さんに聞く【持続可能なバイクライフへの取り組み】

多くのライダーが利用している全国駐車場案内と通行規制区間情報

3つめの「快適」は、きっと多くの読者がお世話になっていることだろう。それが、「全国バイク駐車場・駐輪場案内」と「二輪車通行規制区間情報」である。

目的地や都道府県・市町村からバイク駐車場を検索できる全国バイク駐車場・駐輪場案内。5月25日現在で3万9125か所が登録されていて、馴染みのない場所にバイクで行く際などにとても便利。登録数は日々、増えているそうだ。

まず、「全国バイク駐車場・駐輪場案内」だが、たとえば地方に住んでいる方が都心にバイクで来た場合などに、どこに駐車場があるかをサイトで検索できるシステムになっていて、利用される方も非常に多いという。昨年末時点でのサイトへの訪問者は189万5835セッションで、1日平均で5000セッションを超えているそうだ。

「いま掲載している駐車場数は、全国で3万9125か所で、昨年は5682か所増えました。ただ掲載しているだけではなく、サイト内に「バイク駐車場ここに作って! リクエスト」というバナーを貼って、ライダーからの声も集めています。その声を我々がまとめて国交省にお伝えするのと同時に、関係省庁や自治体との情報交換を行っています。ただ、いま掲載している駐車場がすべてを網羅しているかというと、それは正直分からない。なので、駐車場を運営する団体さんなどへのアプローチも強化して、掲載駐車場の精度を上げていこうとしています」

バイクに乗っているときに、二輪の自動車・原付通行止めの標識が目の前に現れて驚いたことがある人も多いのでは? そんな場所が全国に約500か所存在するが、あらかじめこのサイトで目的地周辺の規制を確認することができるのだ。

「二輪車通行規制区間情報」も、とても役立つ情報だ。

「その昔、ローリング族が走り、近隣に迷惑をかけていたことで二輪通行禁止になった道路がありますが、とっくの昔にローリング族は消滅しているのに規制だけが残っているところが全国にたくさんあるんです。その地域の住民の方は、バイクで通ろうと思っても通行禁止ですから、わざわざ遠回りをしています。そういう不便を感じている方々の声を広く拾い集め、地方自治体などにご提案させていただき、規制を解除する手助けを行うということもやっています」

バイクの通行規制が解除された最近の成果としては、漫画「バリバリ伝説」などで有名になった東京都八王子市と神奈川県相模原市を結ぶ国道20号線の大垂水峠がある。125cc以下のバイクの休日通行規制がかけられ、住民は不便を強いられていたが、3年間のテスト期間と経過観察を続けて規制解除に至ったという。

「二輪車通行規制区間情報」のサイトにも、「規制解除の要望を送信する」というバナーが設けられ、ライダーからの声を募っているので、すでに形骸化している二輪車通行規制の道路が近隣にある方は、ぜひ要望をお送りください。

日本二普協では、上記サイトで規制解除を求める声を求めている。上のマップは、2019年に土曜・休祝日の125㏄以下のバイクの通行禁止規制が解除された大垂水峠。地元の方が使用する生活道路であったため、解除の申し出が多々あった。

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