
ホンダはアメリカで、ミニモト系に分類する125cc以下のカテゴリーに属する2024年および2025年モデルを発表した。グロムには日本にない原色系も登場したほか、50ccモデルでは日本で販売終了しているズーマーや、レトロスクーターとして人気のジョルノが、それぞれ現地名で発表されている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
109cc空冷エンジン+オートマチック、1999ドル~のタウンライドマシン「NAVI」
ホンダは、北米向け125cc以下モデルの2024-205年モデルを発表。50ccのスクーターおよび110~125ccクラスのレジャーバイクが新色または新価格になって登場している。
まず日本に導入実績のないモデルから紹介しよう。ナビ=NAVIは、グロム? スズキのストリートマジック? あたりに似ているようで似ていないオートマチックファンバイクで、元々はインド生まれの「NAVI 110」を北米向けに導入する際、車名をNAVIと改めたもの。価格は1999ドルからで、現在の為替レートでは30万円を超えるが、現地の感覚的には20万円前後だろうか。
キャブレター仕様の109ccエンジンにはCVT無段変速トランスミッションを組み合わせ、シート高は約765mmというユーザーフレンドリーな設定。2021年の導入から3年で、米国でもっとも売れているバイクのひとつになったという。その人気を支えているのは、もちろんZ世代だ。
都市交通をキビキビと走り抜けるのを得意とし、北米のピックアップトラック文化ではRVのバンパーラックで運搬できることもアピール。燃料タンクの下に備えられたストレージには、ジャケットやスナック、教科書などを収納可能だという。
登場時の現地プレスリリースではグロムとズーマー(現地名:Ruckus)を掛け合わせたようなものと説明しており、モーターサイクルのスタイリングと、スクーターが持ついくつかの特徴を兼ね備えたミニモトとしている。
2024年モデルとして発表され、車体カラー&価格はペイントなしのホワイトが1999ドルで、シルバーメタリックとパールレッド、ブルーメタリックが2099ドルだ。
HONDA NAVI[2024 U.S. model]
主要諸元■軸距1285mm シート高765mm 車重106kg(装備)■空冷4ストローク単気筒 109cc 出力未発表 CVT無段変速 燃料タンク容量3.4L■タイヤサイズF=90/90-12 R=90-100-10 ●価格:1999ドル~ ●色:白、銀、赤、青 ※諸元と価格は北米仕様
日本にない原色系のグロム
ホンダの横型エンジンを搭載するミニモトの代表的モデルがグロム。北米では初登場の4代目モデル(日本ほかでは登場済み)となり、スポーティな外観に改められた。カスタムしやすく、スポーティに遊べる1台として北米でも人気モデルとなっているが、2025年モデルでは新デザインで魅力アップを果たしている。
デジタル式メーターや上下一体型のデュアルタイプLEDヘッドライト、5本スポークのホイールといった装備は先代から継承。日本でも登場しているホワイト、ブラックのほか、鮮やかなレッドとブルーも登場した。なお、ABS付き仕様はホワイトのみ、またSP仕様にのみブラックを採用している。
HONDA GROM[2025 U.S. model]
主要諸元■軸距1199mm シート高762mm 車重101kg(装備)■空冷4ストローク単気筒 124cc 出力未発表 変速機5段 燃料タンク容量6L■タイヤサイズF=120/70-12 R=130/70-12 ●価格:3599ドル~ ●色:赤、青、白(標準モデル&ABS仕様)、黒(SPのみ) ※諸元と価格は北米仕様
日本でも販売されていた“ズーマー”が北米では「RUCKUS(ラッカス)」として生き残っている!
ラッカスは49ccの水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載する、日本でいう原付一種に相当するスタイリッシュなスクーターだ。特徴的なシート下スペースはスチールパイプに囲まれた“がらんどう”になっており、工夫次第ではけっこう大きめの荷物を搭載することも可能だ。一方で、隠れた車体メインフレームは見た目のイメージに反してツーピースのアルミ製ダイキャストを採用している。
前後ブレーキはドラム式で、トランスミッションはホンダVマチックによる無段変速を採用。メンテナンスフリーバッテリーや使いやすいパーキングブレーキなどを装備する。
日本では遊び心のある原付一種が買えなくなってしまったが、電動バイクでもいいからこんなバイクが再び登場する日を期待したい。
2024年モデルと同じく現地価格は2899ドルで、車体色もブラックとベージュの2色ラインナップを継続。
HONDA RUCKUS[2025 U.S. model]
主要諸元■軸距1265mm シート高734mm 車重88kg(装備)■水冷4ストローク単気筒 49cc 出力未発表 CVT無段変速 燃料タンク容量4.9L■タイヤサイズF=120/90-10 R=130/90-10 ●価格:2899ドル ●色:黒、ベージュ ※諸元と価格は北米仕様
和名ジョルノは“メトロポリタン”として販売
北米では“ヨーロッパスタイル”と表現される丸みを帯びたレトロ風スクーターがメトロポリタンだ。日本ではジョルノの車名でお馴染みの、水冷80°前傾シリンダー・49.4cc4ストローク単気筒を搭載する原付スクーターで、大型のシート下スペースや、1リットルのボトルを収納できるインダッシュ収納、バッグの固定に便利な荷掛けフックなどを装備している。
現地価格は2649ドルで、車体色はレッドとデニムブルーメタリックの2色がラインナップされる。
HONDA METROPOLITAN[2025 U.S. model]
主要諸元■軸距1181mm シート高719mm 車重81kg(装備)■水冷4ストローク単気筒 49cc 出力未発表 CVT無段変速 燃料タンク容量4.5L■前後タイヤサイズ=80/100-10 ●価格:2649ドル ●色:赤、青 ※諸元と価格は北米仕様
このほかADV160も発表されたが、日本仕様などですでに発表されている車体色のみなので割愛。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
個性を求めて生まれた新しいスタイルとメカニズム ライバル他社に対して欧米市場での競争力強化を迫られていた1970年代後期のホンダは、CB400フォアよりも低コストで低価格にできる2気筒モデルに舵をとり[…]
ツーリングの楽しさを気軽に、疲れ知らずで ウェット路面に翻弄され、全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス今季初戦は、決勝9位という不本意な結果に…。その悔しさを癒してもらおうと、新型のRebel […]
「HondaGO BIKE MEETING 2025」が、鈴鹿サーキットで開催決定 ホンダモーターサイクルジャパンによるミーテイングイベント、「HondaGO BIKE MEETING」。幅広いホンダ[…]
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
ホンダ初の本格的電動モーターサイクルが間もなく……? 2024年秋のEICMAで世界初公開された電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」は、202[…]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド イタリアンブランドとしての誇りを胸に、資本も製造もすべてイタリアで行うファンティックは、コストダウンのために安易なアジア生産に走らず、職人の手で丁[…]
シグナスシリーズ、20年の歴史を背負うニューフェイス 以前は空冷エンジン搭載のコンパクトな原付二種スポーツスクーターとして人気を博した「シグナスX」だが、水冷の新世代「シグナス グリファス」に交代した[…]
発表と同時に発売! マットチタニウムカラーのアヴェニス125など新色×5種 スズキは欧州で、日本でいう原付二種に相当する125ccのスクーター×2車をカラーチェンジ。1車は2022年の現地登場以来(日[…]
71カ国で認められた気鋭のバイクブランド ゾンテスは、2003年に中国・広東省で設立された「広東大洋オートバイ科技有限公司」が展開するブランドだ。彼らは総投資額26億人民元、従業員3600名という巨大[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
人気記事ランキング(全体)
9月上旬~中旬発売:アライ「RAPIDE-NEO HAVE A BIKE DAY」 旧車やネオクラシックバイクにマッチするアライのラパイドネオに、新たなグラフィックモデルが登場した。グラフィックデザイ[…]
個性を求めて生まれた新しいスタイルとメカニズム ライバル他社に対して欧米市場での競争力強化を迫られていた1970年代後期のホンダは、CB400フォアよりも低コストで低価格にできる2気筒モデルに舵をとり[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
作って、触って、攻略する。新感覚のサーキット模型 スマホケースなどの地図柄グッズを手がけるクロスフィールドデザインが、モビリティライフスタイルブランド「レシプロ」の新商品として「レイヤード ランドスケ[…]
最新の投稿記事(全体)
一線から退くことすらファンが許さなかった「革新モデル」 世界最速を目指したZ1発売から10年余り、ついにカワサキは水冷4気筒エンジンを搭載するGPz900Rを1984年に発売。北米モデルはNinja([…]
イタリア魂が込められたフルサイズ125ccネイキッド イタリアンブランドとしての誇りを胸に、資本も製造もすべてイタリアで行うファンティックは、コストダウンのために安易なアジア生産に走らず、職人の手で丁[…]
厳格な基準をクリアした車両のみが“認定中古車”を名乗れる 国内外のほとんどの2輪/4輪メーカーが設けているのが“認定中古車制度”だ。これは自社のブランド価値を保ち、中古車市場においても顧客に安心して車[…]
なぜハイエンドの性能が「半額水準」なのか ASMAX F1 Proは、次世代バイク用インカムブランド「ASMAX」のフラッグシップモデルで、2025年9月上旬から販売開始される。F1 Proがライダー[…]
バイクとの親和性はスマホを圧倒的に上回る AKEEYOが販売する「AIO-6LTE」は、太陽光の下でもはっきり見える視認性の高い大型6インチのIpsモニター、Wi-FiとBluetoothによるスマホ[…]
- 1
- 2