
ゴールド免許は、長期間にわたって無事故/無違反を維持している人だけが手にできる、優良運転者の証と言えるものです。原則として、交通違反を犯すと次の免許更新のタイミングでその権限はなくなってしまいますが、なかにはゴールド免許の条件には影響のない交通違反もあることをご存知でしょうか?
●文:ヤングマシン編集部(ピーコックブルー)
ゴールド免許の条件と、色に影響がない5つの交通違反とは?
ゴールド免許の正式名称は「優良運転者免許証」といい、有効期限の背景が金色になることから「ゴールド免許」と呼ばれます。
ゴールド免許保有者は、ほかの色の免許証に比べて更新期間が5年と長いうえ、さまざまな優遇措置を受けることができます。
なお、ゴールド免許となる条件は以下の通りです。
- 運転免許証を5年以上継続して保有していること
- 免許更新年の誕生日の41日前から過去5年間に無事故/無違反であること
- 重大違反の教唆や幇助、道路外致死傷がないこと
基本的に、交通違反を犯せば次回の免許更新のタイミングでゴールド免許は剥奪されてしまいますが、中には下記のように犯しても違反点数が加算されない違反、つまりゴールド免許の条件に影響しないものが存在します。
免許証不携帯
「免許証不携帯」は、「自宅に免許証を忘れてしまった」「免許証を紛失した状態で運転した」など、免許保有者が自動車やバイクの運転時に免許証の携帯義務を怠った場合に科せられる違反です。反則金は車両区分問わず一律3000円です。
泥はね運転
「泥はね運転」とは、車両運転中に跳ね飛ばした水滴/泥が歩行者にかかった際に科せられる違反です。
もっとも、クルマならともかく、バイクの場合は深い水たまりに侵入すると態勢が不安定になるうえ、自分にも泥や水しぶきがかかるため、関わりが薄い違反といえるかもしれません。反則金は2輪車6000円/原付5000円です。
泥はね運転は、軽微な違反とはいえ、歩行者/他の車両に迷惑がかかる行為だ、
警音器使用制限違反
「警音器使用制限違反」は、指定された場所以外でクラクションを鳴らした場合に科せられる違反で、反則金は車両区分を問わず一律3000円です。危険回避に用いる場合は、やむを得ないものとして罰せられない場合がほとんどです。
なお、紛らわしいのは「警音器吹鳴義務違反」。こちらは「警笛ならせ」の標識がある場所でクラクションを鳴らさなかった場合に科せられる違反であり、反則金は2輪車6000円/原付5000円です。また違反点数1点の対象であるため、こちらの違反を犯した場合はゴールド免許を失うことになります。
運行記録計不備違反
「運行記録計不備違反」は、バスやトラックに適用される違反で、記録装置が備わっていなかったり、車両の運行速度/距離/時間などに記録に不備があった場合に科せられる違反です。
ただし、適用されるのは車両総重量7t以上/最大積載量4t以上の事業用トラックが対象であるため、バイクは無関係です。ちなみに反則金は大型車6000円/普通車4000円です。
公安委員会遵守事項違反
「公安委員会遵守事項違反」は、公安委員会が定めた交通ルールに従わなかった場合に科せられる違反で、反則金は2輪車6000円/原付5000円です。
警察の運営管理組織である公安委員会は各都道府県にあるため、地域によってルールが異なる点には注意しましょう。
多くの都道府県で共通するルールは、イヤホンなどを用いて周囲の音が聞こえない状態で運転することや、サンダル/下駄などの運転に適さない履物で運転することなどです。なかには違反に該当する履物が細かく指定されている都道府県もあります。
東京都では「運転者の遵守事項」として全部で16の条文が定められており、バイクと関連が強い内容を抜き出すと以下のようなものがあります。
- 傘や荷物などによって視野を妨げられる場合、または安定を失う恐れがある状態で運転しないこと
- バイクで2人乗りをする際は、後席乗員は前向きに座らせること
- 後部座席に鉄パイプ/木刀/金属バットなどを携帯した者を乗車させて運転しないこと
バイクを運転する際は、十分に安全に気を配った装備であることが大切。
これらの行為で検挙されても、公安委員会遵守事項違反であればゴールド免許は維持されます。ただし安全運転義務違反/共同危険行為で処罰された場合はこの限りではありません。
たとえば、安全運転義務違反は反則点数2点でゴールド免許は剥奪。反則点数25点の共同危険行為は、ゴールド免許剥奪どころか免許取り消しです。また、不必要な場での鉄パイプ等の所持は軽犯罪法で罰せられる恐れがあります。
ゴールドであろうがなかろうが、安全運転が一番大事
上記、違反点数が設定されない5つの交通違反については、犯したとしてもゴールド免許維持には影響しません。
しかしながら、違反点数が付かない軽微な違反であるとはいえ、状況によってはそれが事故やトラブルに発展する恐れもあるので、避けるに越したことはないでしょう。
以上をふまえ、ゴールド免許を保有している人はこれまでどおり安全運転で、グリーンやブルー免許の人はゴールド免許を目指しながら安全なバイクライフを楽しみたいものです。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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